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꒰ঌ甘咲ぬな໒꒱🍭
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3.甘やかな檻の奥で外の世界がどれほど引っくり返るような大騒ぎになっているか、スマートフォンの電源を切られ、外部との連絡手段をすべて絶たれたルイは知る由もない。今のルイにとっての世界は、この司の部屋と、彼が与えてくれる温もりだけがすべてだった。
司の寝室。広いキングサイズのベッドの上で、シルクのシーツの海に包まりながら、ルイはまだ、どこか現実感のない夢の中にいるような心地でいた。
カチリ、と静かにドアが開き、シャワーを浴び終えた司が戻ってくる。
タオルで濡れた黒髪を無造作に拭いながら、ルイの隣へと滑り込んできた彼の身体からは、先ほどよりも一層濃密な、理性を狂わせるようなアルファのフェロモンが漂っていた。
「司……本当に、配信であんなこと言っちゃったの……?」
シーツを胸元まで引き上げ、まだ不安そうに瞳を潤ませながら見上げてくるルイ。その姿は、アルファのフリをして強がっていた頃の面影など微塵もなく、完全に庇護を求めるオメガのそれだった。
司は愛おしそうに目を細めると、大きな手をルイの頬に添えた。長い指先が、壊れ物を扱うかのように優しく、何度も細い髪を梳いていく。
「言うたで。これでお前、俺がおらんとどこにも行かれへんなぁ」
司の低い声が耳元で甘く囁き、ルイの肩が小さく跳ねる。その言葉は脅迫のようでありながら、ルイにとっては世界で一番欲しかった救いの言葉でもあった。
「お前を叩いてた奴らのアカウント、全部俺の手でミュートとブロック放り込んどいたからな。もうネットの画面なんか見んでええから。これからは俺だけ見といて。俺のことだけ考えてたらええねん」
高圧的なのに、驚くほど優しい。その矛盾した愛し方に、ルイの身体はシーツの中でさらにシクシクと疼き始めていた。アルファの濃厚なフェロモンに常に晒され続けたことで、ルイの身体は、本物のヒートを完全に呼び覚まされてしまっていたのだ。
太ももの内側が熱く、じわじわと不快な、けれど堪らない悦びを孕んだ熱が広がっていく。
「ん……っ、つかさ……、におい、あつい……。身体が、おかしい、よ……っ」
「おかしくなんてないわ。オメガとして正常な反応やろ。……それとも、そんな甘い匂いさせて、俺にどうしてほしいん?」
司の目つきが、一瞬で余裕のある相方のそれから、獲物を追い詰めた鋭い肉食獣のそれに変わる。
ルイの両手首が頭の上で一本の手でベッドに縫い付けられ、昨日よりもさらに深く、呼吸を奪うような口づけが重ねられた。舌が深く絡み合い、ルイの口内から甘い吐息が漏れる。
「ひ、あ……つかさ……っ」
「逃がさへんよ。お前をアルファのフリさせて泳がせてた時から、ずっとこうしたかったんや」
司の自由なもう片方の手が、ルイの寝巻きの裾から滑り込み、熱くなった脇腹を愛撫していく。その指先が触れるたびに、ルイは可愛らしい悲鳴を上げて背中を跳ね上げた。
「俺にだけ、その可愛い声聴かせとったらええねん。一生、この部屋から出さへんからな」
うなじの、まだ誰にも噛まれていない柔らかな皮膚に、司の鋭い牙がゆっくりと押し当てられる。
女リスナーたちの怒号も、画面の向こうで燃え盛る炎上の嵐も、今のルイにはもう、宇宙の果ての出来事のようだった。
ルイはただ、自分を世界一の執着と歪んだ愛で満たしてくれるアルファの腕の中で、蕩けるように意識を溶かされ、永遠の番としての刻印を受け入れるのだった。
(おわり)
コメント
1件
読み終わりました……!「俺だけ見といて」って台詞がもう、司さんの執着と優しさの両方をぎゅっと詰め込んでて、心臓がきゅっとなりました。ルイが完全に司に心を預けるラスト、閉じた世界の甘やかさと危うさがすごく伝わってきて、ABOものの醍醐味をぎゅっと味わえた気がします。完結お疲れさまでした、ユーザー名を入力さん🌷