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『もしもし?〇〇ちゃん?』
「アンリ!どうしたの??久しぶりだね〜」
彼女とあったのは小学3年生の入学式以来だ。従姉妹のアンリはずっと前からサッカー一筋で、忙しそうにしてたけどその後からは本格的に忙しくなり、LINEは繋がってるが 電話をかけたら迷惑になるだろうと思い、かけてこなかった。
『ほんとね!それで、ちょっと今忙しいから手短に言うとね…』
ほんの十分だった。用件だけ言って、彼女は電話を切ってしまった。世間話なんてできるわけがなかった。
電話の内容には、私も耳を疑った。
《遡ること十分前…》
『サッカー日本代表はこのままではワールドカップで優勝できない!』
ああ。懐かしい、携帯越しでも凛々しく、とても力強い声だった。小さい頃からこの言葉ばかり聞かされていたのをよく覚えている。サッカー日本代表がワールドカップで優勝する夢を観続けてきたから。
『ワールドカップ優勝のために、あるプロジェクトを立ち上げることが決まったの。それで、私がそのために雇った、”絵心甚八”と私で進めたいんだけど、人手が不足しているの。段々人数も減って楽になるから心配しないで。不器用な〇〇ちゃんでもできるから。無理難題を押し付けているのは私でもわかるわ、でもお願い!!〇〇ちゃんしかいないの。沢山のフォワードの中から英雄が誕生する瞬間を一緒に見てほしいの!』
心から「うん」って答えた。暇だからっていうのもあったけど、いつも寝る時間まで削って働くアンリを小さい頃から見てきたから、そばでずっと見てきたから。それに..
「アンリと英雄が誕生する瞬間を見たい!!だから..私で良ければ協力させて!なんでも言って!」
『..あっありがとう…っ〇〇ちゃん..!!』
「なっ泣かないでよ!?アンリが頑張ってるんだから背中を押すのは当然でしょう?」
『う..っ..ほんとにありがとう…っ!!』
「出た、泣き虫アンリちゃん〜笑」
『う、うるさいよ〜っ!!あ、あとでメール送るから見ておいてね。呼ばれたからもう行くね。急にごめんね、ほんとにありがとう!』
こうして現在に至る。
が、このときはまだ知らなかった。この会話が災難に変わることを。。