[第4章 怒り]
「ねぇ。」
それは、夏祭りから数ヶ月たったある日。凪と、その他の友達を家に連れてきた子。後ろから、声が聞こえた。
よいちだった。
いつもより低い声で、語りかけてきた。
「だれ、それ。ゎたし、しらぁい。」
「あ、えとな、こいつらは」
「凪とれぉ以外、いらない」
「え、」
「かえれ。」
ひたすらに帰れコールをするドールに対して、みんな目を見開いて驚いていた。ドールって、こんな事言うの、?!
玲王は急いで凪以外を帰らせた。
「すまん!みんな。またな!」
「お、おう!その、、、頑張れよ!」
部屋に戻るとよいちを宥めている凪が目に入った。
こんなに感情を出したよいちは初めてだった。凪以外を連れてきたのも、初めて。
ごめん、と謝ると、ぷくっとほっぺを膨らませた。
怒っても可愛い。まったくこのドールってやつは。
そう思っていると、
「もぅきらい!」
突然小さな口から発せられた残酷な一言。
ピシャンと、雷のような衝撃が走った。
「き、嫌い、」
「グハッ、!」
その1件からドールは一切2人と話してくれないし、目も合わせてもくれない。あぁどうしよう。
1日、2日はまだ耐えられたが、3日目となるともう限界。2人は死にそうなほどやつれてしまった。
周りからも心配され、ついには早退させられてしまった。
もうダメだと思った2人は、よいちに土下座して謝ることにした。
「よ、よいち、許してください、」
「もう無理です。耐えられないですすみません。 」
その絵面はなんとも面白かった。御曹司と天才がドールに土下座しているのだ。とても草である。
「もうしない?」
「もちろんです。金輪際他人をこの敷地の中に1歩たりとも入らせません。」
「めちゃくちゃ反省してます。ごめんね。」
何十分と続く謝罪と砂糖菓子によりドールはついに許してくれました。
ちょっとした、いやかなりのトラウマになってしまったとさ。ちゃんちゃん!
コメント
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好きぴよ~最高しゅぎる