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ことです。
精神状態が良くなかった為、しばらく小説を書けませんでした。
いっその事小説を書くのもやめようと思いましたが、とあるお話をきっかけに私も小説を書いていいんだと思えたので、最後になるかもですが、ぜひ目を通していただけると幸いです。
灰谷竜胆夢小説注意
「胸を張って生きる彼女は」
竜胆side
俺は殺し屋。
夜に動き出す仕事。
昼は仮眠を取ったり食料を買ったり…
これと言って特に何もしていない。
役職は幹部。
まぁ、そこそこいい所だな。
人を殺すのが俺の仕事。
いや、違うな。
俺の仕事はボスの命令に従うこと。
ボスが”殺せ”と言うなら殺す。
ボスが麻薬取引を命じたならそれに応える。
それだけ…昔から取引も殺しもやってきたから
今更罪悪感などない。
いくら幹部といえど、いつか死ぬ時は来る。
俺の人生は、つまらないものだった。
人を殺して殴っての毎日。
社会に出たのならボスの命令に従う毎日。
結局上の指示に従ってるだけ。
そんなつまらない人生だからこそ、
いつ死んでも悔いは無い。
はずなのに…..
マイキー「次の任務だ」
マイキー「次は××企業の娘」
竜胆「娘…?父親じゃないのか?」
マイキー「父親はその娘をやけに大切にしている。」
マイキー「手がかりはその娘だ。」
竜胆「…こいつを問い詰めるのか?」
マイキー「いいや…」
マイキー「殺せ」
竜胆「は…?」
竜胆「殺す、、、?まだ14歳のガキだぞ?」
竜胆「脅せばすぐだろ…?」
マイキー「…聞こえなかったのか竜胆」
マイキー「その娘を殺せ。」
どこの誰かも知らない娘を殺すことになった。
正直、哀れだと思った。
親のせいで、たった14年しか生きられないなんてな…。
━━━━━━━━━カチャッッ
満月が明るく光る夜
俺はその娘の部屋に忍び込んだ。
娘「こんばんは。」
竜胆「…お前、起きてたのか?」
ベッドに入っている娘はこちらに背を向けているが、どうやら起きているようだった。
娘「お兄さん、私を殺しに来たの?」
竜胆「そうだ。それと、質問も…」
娘「お父さんの事だよね。」
娘「いいよ。何でも答えてあげる」
竜胆「っ……なんでだよ」
正直、意味が分からなかった。
何故自分が殺されると分かっていて慌てないのだろう。
何故俺の指示に従おうとするのだろう。
娘は相変わらず俺に背を向けたまま、
寝転びながら答えた。
娘「お父さんはね、私に全部を預けてるの」
娘「私が1番安全だから」
娘「お兄さんの横にある机の引き出しの中にお父さんの会社の情報全部入ってるよ。」
娘「全部持って行っていいよ」
竜胆「…なんでお前は、そんなことが出来る」
娘「…全部、お母さんの意思だよ。」
竜胆「母親……?」
娘「そうだよ。お母さんは、お兄さん達のこと知ってるの。」
娘「お兄さんの顔を見ることが出来ないから誰かは当てれないけど、知ってるよ。」
竜胆「何故俺の顔を見ない…」
娘「お兄さんが殺し屋だから。」
娘「殺し屋は顔も名前もバレちゃダメでしょ?」
娘「でも、お母さんの話を聞く限り、お兄さんは灰谷竜胆さんかな」
竜胆「…そうだよ。」
竜胆「お前の母親は一体何者なんだ?」
娘の母親を名乗る女とは面識がないはず、
でもこの娘と話していてどこか懐かしい感じがするのは気のせいだろうか。
娘「…夢」
娘「お母さんの名前。」
竜胆「夢…?」
娘「そう、お兄さんの幼馴染なんだって」
“大丈夫、竜ちゃんは頑張ってるよ”
“いつも偉いね”
思い出した。
そうだ。夢は、俺の…
竜胆「初恋の相手だ…ポロ」
━━━━ガチャッッ
夢「…久しぶりだね、竜ちゃん」
竜胆「お前、なんで………ッッ」
夢「…最期くらい、竜ちゃんの役に立ちたくてね」
竜胆「最期…?」
夢「竜ちゃん、顔は見ないからさ、手を握ってくれない…?」
竜胆「分かった…。」
握った夢の手は昔よりも更に細くなり、
震えて、冷たかった。
夢「…私、死ぬの」
竜胆「死ぬ…?」
夢「心臓病でね。」
夢「もう、治らないの。」
竜胆「なんで…」
夢「胸を張って生きたかったの。」
夢「私の旦那はねDVが激しかったの」
夢「こんな身体だから何も出来なかった」
夢「だから、子供に全てを託したの」
夢「竜ちゃん達がいずれここに来ることには気付いてたから。」
夢「いつ私が死んでもいいように…。」
竜胆「ゆm………」
夢「ヒュッッ」
夢「ゲホッッゲホッッカハッッ」
竜胆「!!?」
竜胆「待ってろッッ、今医者を…」
夢「や、めて……ッッ」
竜胆「なんで…ッッ」
夢「竜ちゃんがッッ、捕まっちゃう…」
竜胆「そんなことどうでもいいッッ」
竜胆「そんなことより自分の命を…ッッ」
夢「私はッッ!!!!」
夢「胸を張ってこの人生に悔いはないって言えるよ……ゲホッッゲホッッ」
竜胆「ッッ……」
今まで関わりがなかったとはいえ、幼馴染の
言葉の意味は俺にはハッキリ理解出来た。
“今まで悔いを無い人生を送ってきたから
死んでも悔いはない。”
そう言いたいのだろう。
でも、
竜胆「逝くな…ッッ」
竜胆「俺が守ってやるからッッ」
竜胆「お願いだから、生きてくれ…ッッ」
夢「ごめん、ね…ッッ」
そう、目から一筋の涙を流しながら微笑んで、夢は空へと旅立った。
お前は心臓病とDVという理不尽な環境にありながらも、最後まで自分にとって悔いのない人生を歩んだんだな。
夢、お前は偉いよ。
誰よりも辛かった彼女は胸を張って生きて、
幸せになり旅立った。
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私の夢小説を読んでくださっている皆様へ
苦しい毎日、辛い毎日、たまに来る楽しい日、死にたくなる日、沢山の日が貴方様を待っています。
その大半が楽しい日、もしくは辛い日だという方が多いのではないでしょうか。
私も毎日が憂鬱で仕方ないです。
死のうと思った日、リ◯カをした日、私を支えてくださったのは、いつも私の夢小説を見てくださっている皆様です。
その恩返しとして、私が少しでも皆様の逃げ場になれるようにこれからも精一杯頑張っていきますので、未熟者の私ではありますが、これからも応援してくれると嬉しいです。
“どんなに辛いことがあっても大丈夫だよ。
どんなに辛くても前を向いて歩けば、
最期は幸せになれるよ”
𝙚𝙣𝙙 .