『俺らなりの』sm視点です
『確信』のつづき
R18表現ありません
sm視点
あれから、メンバーで集まっても、本当にきんときは全く近づいてこなかった。もともと1体1で喋ることはあまりなかったが、他のメンバーを混じえて話すことはよくあったので、そのようなことも少なくなっていたのはさすがに少し嫌に思った。ただ、俺からなにか近づく訳にもいかず、悔しい気持ちを抱えていた。この悔しい気持ちが、恋によるものなのか、友人としてなのか分からない。
そこからひたすら考え続け、俺のこの感情は、恋に近しいなにかであると気付く。ただの友人に向ける感情ではない。それは、確信に近かった。
そこで、俺はきんときに告白まがいのようなことをしようと決めた。普通の告白なんて俺には恥ずかしくってできっこない。だから、伝わりにくくても、回りくどくても伝えようと決心した。
きんときにLINEを送る。
『この前のことをちゃんと話したい。今週末空いてないか?』
返事は貰えるだろうか、不安だな…。
しかしそれは杞憂に終わった。
『空いてるよ。』
当日、俺は場所として提示したバーに、予定時刻より早く到着して、酒を嗜んでいた。酒の力で気持ちを伝える魂胆だ。結局これが一番いい方法。
程よい時間になると、俺はきんときに『先に店入ってる』と連絡を入れる。
少し経つと、きんときがドアから現れる。
「きんとき、ここ。」
「ああ、ごめん、ちょっと遅れた?」
「お前は遅れてねぇ、俺が早く来ちゃっただけ。」
酒入れすぎたかもしれねぇ、早く来ていっぱい飲んでたのバレてないかな、なんて考える。
「お前酔うの早くね?いつもそんなんだっけ。」
「…なぁきんとき。お前はどうしたいの?」
きんときに返答せず、早くしたかった話を始める。
「…俺が、恋愛的に、なんて言ったことか?」
「うん…。」
「俺はお前と友人でいたいと思ってたよ。ただ、今は分からなくなってる。」
そうなのか…、とりあえず俺は俺の伝えたいことを言う。グビっとお酒を入れて話し始める。
「ふーん、そっか。俺もね、いろいろ考えてたんすよ、きんときが俺のこと避けてる間。俺はねぇー、お前に撫でられるの別に嫌いじゃなかったよ。…なんなら心地よかったかも。恋愛的な好きは無いかもだけど、受け入れはできるよ。たぶんね。」
絶対回りくどいなと思いながら話す。
「どういうこと?付き合うとかそういう話?」
「…まぁ、そういうことだよ。」
俺は手をきんときに近づける。
「なっなに?」
「……。」
俺の手がきんときの頬に触れる。
あったかい、体温が伝わる。
「確かに俺もこういうことお前にやりたいかも。」
酔いにのせられて、思ったことを口に出す。
「なぁきんとき、俺たち付き合ってみないか?普通のラブラブカップル〜とかじゃなくてさ、俺らなりに。」
きんときはじっと固まって動かない。眉間に皺を寄せて、悩んでいる様子だ。
「スマイルはいいの?それで。」
「分からねぇ。」
「…そうか、じゃあよろしく。俺らなりに付き合おう。」
「…ん。」
嬉しい、俺の気持ちがちゃんと伝わったかどうか分からないが、ただただ嬉しい。彼はついさっきまでのかたい雰囲気とは打って変わって、一気に柔らかい雰囲気になる。
「あ、スマイルお前、酒のせいで明日になったら忘れたとか言うなよ絶対?!」
「言わねぇよ笑。じゃあ今日はお開きにしよう、飲みすぎて頭痛い。帰って寝る。」
「お前1人で帰れる?」
「うん、いけるよ…。あ、付き合うっていっても、互いにどういうことを求めるか、また今度ちゃんと話し合おう。」
「もちろん。」
「じゃあおやすみ、またね。」
「おやすみ、また。」
コメント
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書くの上手すぎです、! お酒で気持ち伝えるのスマイルさんらしくて好きです!✨