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両サイドの視点でお話が読めるので自覚は無いけど相手から見ると、、、っていう展開が多くてすごいHAPPYです
『俺らなりの』のつづき
R18表現ありません
kn視点
スマイルと付き合うことになったあの日から、提案した側のスマイルからは全くアクションがなく、しばらくの間1体1で喋っていなかった。付き合うにあたって互いに求めるものとかちゃんと話し合おうって言ったのはスマイルなのに、俺の方から行動を起こしていいものなのか分からず、悩んでる内に日がどんどん経ってしまっていたのだ。あいつはあの日、酒も飲んでたし、俺らが今、本当に付き合っているのかも不安だ。
しかしさすがの俺も痺れを切らして、彼をLINEで誘うことにした。
『ね、スマイル今日暇?うち来ない?』
『いいよ。』
すぐに返事が来て少しホッとする。あいつは酒のせいであの日のことを忘れてなんかない、大丈夫だ。
ピンポーン
ガチャ
「いらっしゃい〜、どうぞどうぞ。」
「おう。…うおっ、やっぱ綺麗にしてるな。」
スマイルは俺の部屋を見渡して言った。
「まぁ人並みにはね。なに、お前ん家はやっぱ汚いの?」
「うるせぇ。」
「ふっ笑。あ、そのソファにでも座ってて。お茶でも入れてくるよ。」
いつも通りに見えて、スマイルのまわりには少しの緊張感が漂っているのが分かった。俺のこと少しは意識してくれてんのかな、と微笑ましく感じる。
お茶を入れて部屋に戻ると、俺のソファにちょこんと座るスマイルが映った。彼が俺の家に居るのは新鮮で、とても嬉しい。
コトッ
「はいどーぞ。」
「ありがとう。…ところで今日はなんの用で?」
自分の表情が固まる。
なんの用…?
「はぁ…、馬鹿ですかあなたは。付き合ってて会うのに理由がいるんですか?」
こんな些細な言動にイライラしてしまう自分も嫌だ。しかし、彼との気持ちの違いが感じれてしまって悔しい。
「 え、あ、違う!今日のこれは、付き合うときに互いになにを求めるのかについて話すためなのかと思って…その、本題に早く入ろうとしたんだよ!悪い!会うのに理由は、その、いらねぇよ。」
「ああ、そういうことね。ごめん…。俺、今日まで、少しくらいスマイルの方からアクションがあるかなって思ってたから、ちょっとイライラしちゃってた。お前から提案されて付き合うってなったのに、あれから連絡なかったからさ。」
「…それは、すまん。その、さ、恥ずかしかったんだよ…。」
な、なんだよ!恥じらう姿が目に毒すぎる。こんなの、君に触れたくなってしまう。それに、スマイルも俺のことをちゃんと考えていてくれたと分かったことが、なにより嬉しい。
「はぁーーー。ずるいよ君は。」
「は?なに?」
「もういいよこの話終わろう。じゃあ本題入ろうか。」
「え?うん。」
「で、スマイルさんは一体何が望みなんですか?」
スマイルは眉間に皺を寄せ、考えこんでいる。
「…すまん、俺まだ自分の中で固まってなくてさ。だからきんときから言って貰えないか?」
まじか、と思いつつも、お茶を飲んで気持ちを落ち着かせ、話し始める。
「…分かった。んーー俺はね、触らせて欲しい、だけかな。」
スマイルの目をじっと見つめる。どうだ?大丈夫か?
「前みたいにほっぺ触ったりだとかってこと?」
「そう。」
「分かった。俺も…触りたい、から、触らせてもらう。」
ニヤけるのを止められない。前、スマイルが俺の頬触ってきたとき、酔ってるからだと思ってたけど、本心だったのか。
「オッケ〜、スマイル他は?俺はそれだけなんだけど。」
「…うーん、見つかったらその時に言うスタイルで良い?今はやっぱり分からなくて。」
「いいよ。…んね、じゃあ早速だけど触ってもいい?」
俺はもう我慢できない、こいつに触りたい。
「え?!」
「そんな驚かなくてもいいじゃん笑。ねぇ、いい?」
スマイルの顔が少し赤くなり、慌てる様子がわかる。あくまで冷静を装おうとしているところもまるごと好きだ。
「…お前、寝てる俺に触ってたのバレた時あんな焦ってたのに、調子乗りやがって。なんなんだよ…。はぁ、いいよ…。」
こんな反応されちゃうと、君も本当は触られたいんでしょ、とか思っちゃう。かわいいなぁ。
スっと両手をスマイルの両頬に近づける。そして頬に触れる。スマイルの顔をじっと眺めると、目を逸らされた。俺を見てくれないのが悔しくて、ほんの悪戯心でモニュっと頬を揉む。
「ばっ!なに!」
やっと目が合ったと思ったら、睨まれる。
「ごめん笑、つい。」
しかし、またすぐに目を逸らされる。ただ、気づいてるよ。君の顔が桃色に染まっているの。愛おしすぎてどうしようもない気持ちを抑えるために、そのまま揉み続ける。そして手を離した。
「ありがとう、満足できた。あ、スマイルも俺の頬触る?はい、どうぞ。」
そう言って俺は自分の顔を差し出す。
「…今日はいいよ。また、やりたくなったときに言う。」
桃色の顔をして目が泳いでいる君に、なにもせずに終わるのはどうしてもできなかった。
「…そっか。じゃあ、もう1個やっていい?」
「もう1個?え、なに?」
首を傾げているスマイルに、腕を広げて近づく。
「え、な、待っ…。」
フワッと大事なものを扱うように抱きしめる。こんなに触れ合うのは初めてだから、俺から抱きしめにいったとはいえ、心臓がバクバクしている。彼は全く微動だにせず、抱き返してもくれない。了承も得ずにおこなってしまったから、嫌がられていないか不安だ。
数秒経つと、スっとスマイルから離れる。
「…ごめん、嫌だった?」
スマイルの様子を伺う。そこには、すべてが真っ赤に染ったスマイルがいた。どこもかしこも真っ赤っか。
「…あれ、赤…。」
「うるせぇ!今日はもう帰る!」
俺はスマイルにクッションを投げつけられる。
「ちょっ、待って…」
「今日はお開き、また今度会おう!じゃあ!」
バタンッ
大きな音を立ててドアが閉まる。机の上にはスマイルの財布が置き去りになっている。急いで届けようと外に出るが、そこにはもうスマイルの姿はなかった。
あんな反応されちゃったら、もっと先まで行きたくなっちゃうよ。俺は自分の溢れる欲望に驚いている。こんなつもりじゃなかったんだけどな…。