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明日は、猫猫と壬氏は休みをもらっていた。
部屋でまったり過ごそうと、前日から話していたのだ。
猫猫は、いつもより念入りに仕事を片づけた。
壬氏は壬氏で、相変わらず書類とにらめっこしていた。
翌日──
猫猫は壬氏のもとを訪ねたが、姿が見当たらなかった。
水連に尋ねると、「寝室にいらっしゃいますよ」と言われる。
寝室へ向かうと、そこには壬氏がいた。
寝室は白檀の香で満ちており、静かな緊張が漂っていた。
寝台に腰掛け、どこか覚悟を決めたような表情をしている。
その空気に気づいた瞬間、猫猫は内心で焦った。
――湯浴みもしていないし、準備もできていない。
困惑しつつも、猫猫も覚悟を決めて寝室へ足を踏み入れた。
「今日は、何をするんですか?」
知っていて、あえて聞いた言葉だった。
平然を装ってはいるが、その声音はどこか照れているようにも聞こえた。
「何をするかわかっているだろう?」
壬氏はニヤリと笑った。
猫猫は一瞬、毛虫を見るような目を向けてしまったが、すぐに高順の言葉を思い出し、いつもの無気力な表情へと戻した。
「……はい」
胸の奥が、わずかに温かくなるのを感じる。
その感覚をごまかすようにしながら、猫猫は壬氏のもとへと歩み寄った。
壬氏は、猫猫が自分のもとへ近づいてきたことに、わずかに目を見開いた。
猫猫はそのまま壬氏の目の前まで歩み寄り、ためらいなく唇を重ねた。
その一瞬で、壬氏の理性は限界を迎えた。
次の瞬間、猫猫は寝台へと押し倒されていた。
あまりにも急な出来事に、猫猫は一瞬戸惑ったが――
伸ばされた腕を振り払うことはせず、そのまま静かに受け入れた。
その夜、二人は寝台で長い時間を過ごした。
夜が更け、気づけば体はひどく疲れていたが、不思議と心は満たされていた。
最初は、指が入るところまで慎重に慣らしていた。
これくらいなら大丈夫だろうと思い、挿れやすい体勢になってもらったが、猫猫は苦しそうに息を詰めてしまう。
きちんと準備したつもりでも、まだ足りなかったようだ。
先端が触れただけでこの様子では、すべてを受け入れれば猫猫の身体が壊れてしまうかもしれない。
壬氏はそう思いながらも、猫猫から漏れる甘い声や表情に、必死に抑えてきた理性が限界を迎えていた。
挿れた瞬間、耐えきれずに出てしまう。
猫猫は初めての感覚に驚きながらも、とろんとした表情を浮かべていた。
壬氏は、こんな浅いところで……と一瞬落胆したが、その顔を見ているうちにどうでもよくなってしまう。
一度体を離し、先ほどよりも時間をかけて、さらに丁寧に慣らし始めた。
再び受け入れると、さっきよりも深く入ったが、猫猫はまだ少し苦しそうだ。
これ以上は無理だと判断し、ゆっくりと動くしかなかった。
すべてを受け入れ、動いた瞬間──
先ほどとはまったく違う、甘い声が猫猫の喉から漏れた。
思わず口を押さえる猫猫に対し、壬氏の理性は完全に吹き飛び、動きは次第に早くなっていく。
驚いていた猫猫も、やがてその感覚に身を委ねていった。
そんな時間が、戌の刻まで続いていた。
翌日が仕事だということなど、昨夜のうちに考えられる余裕はなかったのだろう。
——翌朝。
猫猫は腰に走る鈍い痛みに顔をしかめながら、ゆっくりと居間へ向かった。
正直、休みたかった。
だが、二日続けて休めば周囲に迷惑がかかる。そう思えば、動くしかなかった。
「あら、小猫。今日は休んでもよかったのに」
水連の言葉に小さく首を振り、猫猫は雑巾を手に取る。
痛みはあるが、仕事ができないほどではない。
そこへ、寝起きの壬氏が現れた。
——その姿を見た瞬間、昨夜の記憶が鮮明によみがえり、猫猫の頬が熱くなる。
思わず顔を背けた。
「どうしたんだ、猫猫。顔が赤いぞ」
どこか楽しそうな声色が、余計に腹立たしい。
「……わかっているでしょう」
その一言で、壬氏は察したように言葉を失い、必死に理性を保っている様子だった。
猫猫はそれ以上関わらないよう、そそくさと距離を取る。
その様子を見て、水連は口元に手を当てて「あらまぁ」と呟き、
高順はいつものように眉間に皺を寄せ、やれやれと肩をすくめていた。
数年後──
壬氏と結婚し、子どもにも恵まれ、家庭を持つことができた。
騒がしくも平和で、どこか楽しい毎日だ。
この日常が続くのなら、それで十分だと猫猫は思った。