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氷の王子と太陽の少女

第30話 - 真実に辿り着く

2025年11月09日

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六葉は確信を得るため、意図的に人がほとんどいない夕暮れの廊下で再びその男子の友人と、少し大げさに楽しそうな声で談笑した。

予想通り、廊下の角から生徒会室に戻る途中の隷が現れた。

隷は六葉たちの姿を視界に入れると、一瞬、体の動きが固まった。

彼の冷徹な表情は崩れていなかったが、六葉はその瞬間に隷の周囲の空気が微かに、しかし決定的に歪んだのを感じ取った。

それは抑え込まれた感情が魔力となって周囲の空間を圧迫している兆候だった。

六葉は自分の推測が正しかったことを悟った。

彼の冷たさは彼女への感情を否定しているわけではない。

むしろ、感情が強くなりすぎたために、彼が自分自身を罰し、その危険な感情から六葉を遠ざけようとしているのだ。

彼の冷酷さは彼の弱さの裏返しであり、六葉を「*守る*」ための究極の「*自己犠牲*」だった。

「隷様は、他の生徒と親しく話す私を見て、**『*自分には彼女を制御する資格はない*』**と思い、再び私から距離を取ることで、自分自身を罰し、そして私を守ろうとしているんだ…」

六葉の胸は深い悲しみと、そして言いようのないほどの愛おしさで満たされた。

彼の冷たさの真の原因は彼が自分を愛しすぎているがゆえの、歪んだ保護欲だった。

彼女は友人との話を途中で切り上げ、立ち尽くしている隷に向かってまっすぐに歩き出した。

氷の王子と太陽の少女

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