テラーノベル
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家へ帰ると、ヤマはもう寝ていた。
そう思っていた。
私は静かにお風呂へ入り、髪を乾かしながら何気なくスマホを開く。
共有アルバム。
何百枚もあった写真が消えていた。
その瞬間、全部つながった。
……見てたんや。
ベランダから。
アルバムを見ながら。
私は部屋へ向かった。
背中を向けて眠るヤマに、小さく声をかける。
「下、見たんや。」
少しだけ間が空いて。
返ってきたのは、一言だけだった。
「……うん。」
そして。
「お幸せに。」
それだけ。
違う。
そうじゃない。
あれはよそ行きの笑顔や。
気を遣って。
いつもみたいに空気を読んで。
私の本間の笑顔なんか、あんたが一番知ってるはずやん。
そう思った。
でも、その言葉は飲み込んだ。
この人は。
私のことを何でも分かってくれていると思っていた。
でも違った。
私もヤマを分からなくなっていたように。
ヤマも、もう私のことが分からなくなっていた。
コメント
1件
うわあ……これ、めっちゃ刺さるやつや。 「お幸せに」って言葉が、ちゃんとよそ行きの笑顔として描かれてるところがもう、しんどい。 共有アルバム全部消したって気づく瞬間、全部つながったって表現、すごく好き。 「私もヤマを分からなくなっていたように」の畳みかけで、もう完全に持ってかれた。 お互い分からなくなってるのに、最後に「お幸せに」って優しい言葉をかけるしかできないのが、リアルすぎて泣く。 続き、どうなるんやろ……めっちゃ気になるわ。 今日もええもん読ませてもろた、ありがとうイツカさん🔥
東 桃子
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#溺愛
桜咲かな
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