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side💛
スタジオの鏡に映る自分を見つめる。
リズムに合わせて、足を踏み鳴らす。
「ドン、ドン、ダン!」
止め、跳ね、流す。
体に染みついた動きを何度も繰り返しながら、頭の中でメンバーの動きをイメージする。
リハーサルが終わって、みんなは帰ったけど、俺はこうやっていつも残る。
リーダーとして、一番踊れてなきゃダメだ。
振りを考えるのも俺の仕事だし、誰よりも自分が動けなきゃ示しがつかない。
💛「……あと少し、か」
独り言が漏れる。
デビューの話が出てから、みんなそれぞれ焦りを感じてる。
もちろん、俺だってそうだ。
15年。
長かった。でも、やっとここまで来た。
ただ、ここまできたら「デビューできる」じゃなくて、「デビューして売れる」ことを考えなきゃいけない。
そのためには、もっと突き抜けなきゃダメだ。
💙「……照?」
不意に声がして振り向くと、翔太がスタジオの入り口に立っていた。
💙「お前、まだやってんの?」
💛「まあな」
翔太は呆れたように笑う。
💙「そういうとこ、変わんねぇよな」
💛「お前もな」
💙「は?」
💛「結局、心配で見に来ただろ?」
そう言うと、翔太はバツが悪そうに口をつぐむ。
💙「別に……ただ、電気消すの忘れてんじゃねぇかなって思っただけ」
💛「はいはい」
適当に流して、俺はもう一度鏡を見る。
💛「……みんな、焦ってるよな」
ポツリと呟くと、翔太が横に立った。
💙「そりゃそうだろ。デビュー目前って言われて、誰も何も思わないわけないし」
💛「……だな」
俺はゆっくりと息を吐く。
💛「でもな、焦ったところで、俺たちにできることは変わんねぇんだよ」
💙「……まあな」
翔太はどこか納得いかないように言う。
💙「でも、正直、何もしないで待つのはしんどいよ」
💛「だから、やるしかねぇ」
俺は振り向いて、翔太を見る。
💛「俺たちは、踊るしかねぇんだよ」
💙「……」
💛「俺が引っ張る」
💙「……知ってる」
翔太がぼそっと言って、フッと笑った。
💙「そういうやつだもんな、お前は」
俺は何も言わず、スマホを取り出す。
流れる音楽。
俺たちの曲。
💛「踊るか?」
💙「……しゃーねぇな」
翔太は苦笑しながらも、足を動かす。
デビューは、もうすぐそこにある。
だからこそ、俺たちは止まらない。
最後まで、全力で駆け抜けるだけだ。