nk 「うーん、なんかなぁ…」
何も入れていない、ただのホットミルクを口にする
やっぱ甘党の俺には足りない
ポチャン…
ひとつ、角砂糖を入れてみる
nk 「あまくなーれ…」
そう呟きながらかき混ぜればすぐ溶けた
nk 「ん、おいし」
なにか付け足せば最高のものになる
でも逆に素のままだと違和感があって、もやもやしてて気持ち悪い
この、俺だって同じだ
みんなは仮面をつけているnakamuという存在しか必要としていないんだ
誰も素の自分なんて求めてないんだよ
リーダーで、しっかりしてて、
みんなを見てる理想のnakamuでいないと
俺は否定されるんだ
nk 「そうだ、俺はみんなのnakamu…」
この世は理想で成り立っていて
俺の本当に感じている感情は踏み潰される
仮面をつけなければ、死んでしまう
今日は配信か…
理想の、みんなのnakamuでいなければ
この世界は甘くない。
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kt 「nakamu…?」
shk「nakamu〜、おーい」
──────
どうしたんですか?
──────
nakamuさん寝てる…?
──────
え、無視?
──────
nk 「あ…、ごめん、」
kr 「おいwどうしたんだよ」
nk 「ちょっとぼーっとしてたわw」
br 「もぉー、配信中じゃーん」
sm 「しっかりやれよ」
kr 「とか言うならお前も動けよ!」
sm 「は?動いてるし」
nk 「…wwwww」
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nk 「やっと終わった…」
危なかった…
最近どうしてもぼーっとしてしまうし、嫌な方向に考えがちだ
そのせいでどんどん完璧にしたくなる
性格と言えばそれまでだが、最近はこだわりすぎて体にムチを打ってまでやってしまう
こだわって無理をして、ぼーっとして。それに対して完璧を求めてこだわり、また無理をする
こんなループ、ダメだって分かってるのに
nk 「なんのために…“俺”を演じてるの…?」
もう、わからない
俺は手にした角砂糖を珈琲へ入れ、
ふたつが一緒に溶けていくのを見る
俺も…こうやって
nk 「溶けるみたいにいなくなりたい…」
コメント
6件
お疲れ様です! 溶けたいっていう感情を角砂糖と照らし合わせているのが、綺麗すぎて好きすぎます!((( まだ前編なのに涙溢れそうです……!!!!