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R系はないのにこの満足感…!!!!!!!!!!!!!!!ちゃんとnkが有言実行をしてて、 しかも初めて会ったときとは真逆の状態…胸元に卒業生の証のコサージュを つけててもう最高!!!!!美しい!
あの…きくり様の作品を 結構沢山見させていただいたのですが… このお話が一番好きでした…!!! 凄い感動しました…これからも楽しみにしてます!!
毎回構図すごすぎて神作品が誕生してるんだけど笑
nkbr 独本
苗字設定
Nakamu→中村
Broooock→赤井
br視点
キーンコーンカーンコーン
br「あ、やば、、、」
夕日が差し込む放課後の図書室
最終下校時間を告げるチャイムを聞いて手早く荷物をまとめる
周りにも数人僕と同じように帰り支度をしている人が見受けられる
br「、、、借りようかな」
先程まで読んでいた本
読み終わると思っていたけど考察を巡らせているとあっという間に帰る時間が来てしまった
残りは家でゆっくり読むことにして本を持って貸出カウンターへ向かう
br「、、、」
図書委員であろう人がカウンターに突っ伏して寝ている
フードを被っていて顔が見えない
br「あ、あのぉ〜、、、?」
申し訳ない気持ちを抑えながら
借りなければ僕も帰れないので声をかける
⁇「、、、ん」
目の前でむくりと起き上がり
目をぱちくりとさせる
僕のことをじーっと見つめた後に
⁇「あ、!ごめんなさい、、ッ‼︎」
察したのかすぐにパソコンを立ち上げる彼
ふわふわとしていてまだ眠気が抜けきっていないことが見て分かる
⁇「、、、えっと返却ですか?貸し出しですか、?」
br「貸し出しでお願いします」
⁇「クラス番号名前お願いします」
br「2年C組の赤井です」
⁇「2の、、、C」
本をカウンターへ置いて窓の外を見る
冬になり始めているこの時期
外は夕焼けよりすこし紫色を帯びている
⁇「この本、面白いですよね」
突然彼から声をかけられる
br「この本読んだことあるんですか?」
失礼かもしれないけどあんまり有名じゃない作者さんの本だからこんな見た目The・陽キャみたいな人が知っているなんてびっくり
⁇「俺意外に本読むの好きなんですよ」
「その人って最後の最後にでっかい伏線持ってくこと多くて楽しいんですよね」
え、ちゃんと作者さんのことも知ってる
好感度爆上がりなんだけど
⁇「あ、すいません無駄話が過ぎましたね」
br「いえ、この作者さん知ってる人いてすごく嬉しかったです」
静かな図書室にピッという電子音が鳴り響く
⁇「はい、再来週の15日までに返却お願いしますね」
br「ありがとうございます〜」
本を受け取り足早に図書室を後にする
なんとなく気分が良くて
本の続きを読むのを楽しみにしながら家へ帰る
br「う、えぁ、、、⁉︎」
「そうなるの、、⁉︎」
「まじかぁ、、、」
図書室の彼が言っていたように最後の最後で特大の伏線を入れられていて考察を全て否定された気持ちになる
でも、最後の終わり方は謎に包まれていて
真相は闇の中って感じで読み終わった今でも鳥肌が立っている
誰かにこの高揚した気持ちをわかって欲しい
彼に、、、
彼に話したい
学年も分からない彼と感想を語り合いたい
明日も図書室にいるかな、
次の日の放課後
僕はまた図書室へ向かった
⁇「あ、昨日の、、、」
br「今日は寝てないんですね」
冗談まじりに挨拶をする
⁇「恥ずかしいとこ見せちゃいましたね」
顔をほんのり赤くして言う彼
なんとも可愛らしい雰囲気がある
カウンターに昨日借りた本を置き
br「返却お願いします」
⁇「もう読み終わったんですか?」
br「はい、本当凄い面白かったです」
まるで作者に感想を伝えるかのように話す
⁇「ですよね、特にこことか、、、」
と言って、本のページをパラパラとめくる彼
この人の考察聞きたいな、
そんな気持ちが強まる
br「あの、あなたはこの終わり方についてどう考えてますか?」
⁇「え、?」
少し悩んだ後に口を開く彼
⁇「僕は最後主人公が自ら命を絶ったのでは無いか、、と考えてます」
br「主人公が、、?」
想像していなかった考察で頬を殴られたような気分になる
⁇「例えば序盤に出てきたこの表現、最後のページで反対の意味として出てきてるんです」
br「本当だ、、、⁉︎」
⁇「この作者さんよくこんな感じの表現使うんですよね」
br「詳しいんですね、好きなんですか?」
⁇「はい、ずっと追ってて」
br「よければ他のおすすめの本とかって」
⁇「全部ですけど、強いて言うなら、、、」
そう言ってカウンターから出てきて奥の棚へ向かう彼
数分して三冊ほど持ち戻ってきて僕の前に並べ始める
⁇「これは彼のデビュー作で────」
「こっちは─────」
彼の紹介は聞くだけで作品に吸い込まれたような感覚になり、 彼は僕の反応を見ながら楽しそうに話していていた
結局三冊とも借りて家でゆっくり読んでみることにして図書室を後にした
翌日本はまだ読み終わっていないけれど
彼に会いたくて放課後図書室へ向かった
⁇「あれ、こんにちは」
br「こんにちは〜」
⁇「もう読み終わったんですか?」
br「いえ、まだ 一冊も読み終わって無いです、、、」
⁇「じゃあ、どうして?」
br「話したいなって、、、」
⁇「お友達さんとですか、?」
そう言って彼は辺りをキョロキョロと見渡す
br「いや、、あなたと」
我ながらくさいセリフだなと思う
彼は一瞬驚いた顔をしたがすぐにカウンターに肘を置きその上に顔を乗せて
⁇「いいですよ、どうせ暇ですし」
と、笑いながら言ってきた
br「ありがとうございます、、!」
⁇「敬語外しませんか、?同い年ですし」
br「え、?同い年?」
衝撃の事実
⁇「はい、あ、、言ってなかっですっけ?」
「2年A組の中村です!Nakamuって呼んで!」
初めて知った彼の名前
なんとなく仲が深まった気がして嬉しい
Nakamu、、、愛称というものだろうか?
br「でも、なんで同い年って、、、」
nk「本、借りるときに自分で言ってたじゃん」
br「あ、確かに、、、」
そんな他愛もない話をしているとあっという間に最終下校時間が迫ってきて泣く泣く荷物をまとめ始めると Nakamuから話しかけてきた
nk「明日も来てくれる、、、?」
少々その問いに驚きながらも笑いながら答える
br「もちろん、!」
放課後 僕達以外誰もいない図書室で
彼と二人きり
本の感想を言い合う時間がたまらなく好きになった
ガラララッ
br「あれ、居ない、、、?」
放課後いつものように図書館へ行くも彼の姿が見当たらない
返却本の整理でもしているのかと思ったが
どこにも居ない
br「掃除とかで遅れてくるのかな、、?」
「早くこの本の感想話したいのに、」
そんなことを思いながらふといつも彼が座っている貸出カウンターに目がいった
、、、
バレなきゃいいよね、?
あの日の放課後、夕日が差し込む図書室で
彼を一目見た時から、、、
僕は彼に、Nakamuに好意を持ってしまった
話し上手で面白い彼
見た目に反して本が好きなところも、
二人きり、放課後の図書室で感想を言い合うのも、、、
他に誰もいらない
全部僕だけがいい
僕だけが知っていればいい、、
Nakamuはこんな僕を知ったらなんて思うかな
nk「小説のワンシーンみたいだね」
いたずらっ子ぽく笑みを浮かべて言う彼
nk「、、、え?」
衝撃的すぎて絶句する彼
、、、違う
Nakamuはそんなこと言わない、、
僕の妄想のNakamuはいつだって不完全で
本物には程遠かった
いつもNakamuが座っているカウンターの椅子にゆっくりと腰掛ける
長年使用されていた図書室の備品なのでクッションとしての働きは全く無かった
それでも、彼はここで気持ちよさそうに寝ていたし
僕が図書室に来るたびにこの椅子に座って本を読んでいた
無いはずの彼の温もりを感じて
僕は少し罪悪感に苛まれ
Nakamuに合わせる顔がなかった為すぐに図書室を後にした
次の日もその次の日も、彼は図書室に居なかった
朝早くに行っても、昼休みに行ってみても、
どこにも彼の姿は無かった
なんとなくもどかしくて彼のクラスを訪ねてみることにした
br「あの、Naka、、中村って居ますか?」
mb「中村、、、?ちょっと前から学校に来てないけど、、」
br「え、?」
「あ、ありがとうございます、、」
学校に来ていない、、、?
何かあったのだろうか、
会いたい、話したい、、、
そんな気持ちがどんどん膨らんで
僕はNakamuの担任の先生の元へ行き話を聞いてみることにした
まぁ、大した情報は得られないと思うけど
br「先生、、!」
先生「おぉ、どうした、、、?」
br「あの、中村が最近学校来てないって、、、理由わかりますか、?」
そう聞くと先生は苦虫を噛み潰したような顔をして
先生「、、、ただの風邪だよ」
、、、嘘
br「お願いします、彼の安否だけでもいいので、、、!」
そう言って勢いよく頭を下げる
顔を上げると先生は驚いたのかしばらく固まった後に
先生「他の人には秘密だぞ、、?」
もったいぶる先生に少々腹が立ちながらも
深呼吸をして話を聞く
先生「中村はしばらく休学する」
br「え、休学、、、⁉︎」
あまりに予想外の回答が返ってきて
しばらく硬直状態になる
Nakamuが、?
なんで話してくれなかったの、、
家庭の事情で、、?
知りたい、、、
br「それは家庭の事情で、ですか?」
先生「、、、いや本人の意思だ」
br「え、、?」
本人の意思って、Nakamuが休学したいって言ったってこと?
なんで、
僕のこと嫌いになったの、、?
br「なんで休学するとかって、、、」
先生「それは流石に、」
br「少しだけでもいいので、‼︎」
先生「、、、まぁ将来のためだな」
「もうこれ以上は答えないからな」
先生は呆れたように笑って教室に入って行ってしまった
でも、聞けたいことは聞けたし
あとは、本人に直接、、、
と言いたいところだけど彼の家も仲のいい友人も知らない為彼に会う手がかりが全く無い
先生「あ、そうそう 」
そう言って先ほどの先生が教室から出てきて僕に話しかけてきた
先生「中村今日の14時ごろに遅刻で学校来るって連絡が来てて、多分学校に来るの今日が最後だぞ」
br「え、、⁉︎本当ですか⁉︎」
先生「あぁ、確か───────」
その後の話はよく覚えていない
もしかして病気とか、、、
それとも、犯罪を犯してしまったとか、、
嫌な考えが頭を飛び交う
気がつくと僕は放課後の図書室に居て
夕日が差し込む窓からぼんやりと外を眺めていた
Nakamuならきっとここに来てくれる
そう思ったから
やがてガララとドアが開き
僕の待っていた人が
僕の望んでいない顔をして
僕のことを見つめていた
nk「Broooock、、、」
br「久しぶりだね、Nakamu」
nk「うん、久しぶり」
か細い声で話す彼に僕は耐えられなくなって
彼の腕を掴み僕の胸へ引き寄せた
nk「え、ぁ、、?」
状況を読み込めていないNakamuの頭をゆっくりと撫で、話しかける
br「お別れを言いに来たんでしょ?」
ビクリと肩を震わすNakamu
br「僕すごい楽しかったよ」
nk「やめて、、よ」
「こんな最低な俺に優しくしないでよ、、」
br「え、?」
最低、?Nakamuが?
nk「俺はずっと、Broooockのこと騙してたのに、、、」
騙す?
そう言ってNakamuは僕の胸から離れ
図書室の奥へ行く
そして、数冊の本を持って戻ってくる
見覚えのある本
彼が好きだと言っていた作家の本
僕たちを繋いだ本
カウンターに並べて口を開く
nk「この本の作者、、、俺なんだよ」
時が止まる
nk「俺ね、小さい頃から小説家になるのが夢でさ、、、」
カウンターの椅子に腰掛けながら話し始める彼
nk「小説家志望の人が募ってる会社によく応募しててね、すごく気に入ってもらえたみたいで本を出させてもらえて、、、 」
「まぁ、あんまり有名じゃなくてモチベが下がってきてた時に図書室で俺の本を読んでるBroooockに出会って」
「俺の小説をすごい楽しそうに読んでくれてるなってずっと思ってた」
br「そうだったんだ、、」
僕が知るよりもずっと前から
僕のことを知っていた彼
nk「それで、先週編集所本部から俺宛に連絡が来て、」
「東京にある会社でインターンをしてみないかって、、、」
「上手くいけば仕事も貰えて、本をいろんなところで紹介してもらえることを視野に入れてるって、、」
僕たちが住んでいる町から東京なんて
とてつもない距離があって、家から毎日通うなんてことは到底できないだろう
夢を追いかける彼の姿は
あまりにも眩しくて
僕は溢れ出しそうな言葉に蓋をし、
br「頑張ってね、、、」
と、言葉を絞り出した
彼は少し寂しそうな顔をしたがくすりと笑って
nk「有名になったらすぐBroooockに会いに行くから」
br「その頃には僕のこと忘れてるかもよ?」
nk「それって、俺はしばらく売れない作家になるって言いたいの?」
br「さぁね、?」
nk「じゃあ、期限決めよ?」
br「期限、、、?」
nk「じゃあ、来年の卒業式までで!」
「来年の卒業式までに絶対有名になるから、卒業式が終わった後ここで待ってて?」
br「無理だったら?」
nk「俺のこと舐めすぎな?」
br「Nakamuは世間を舐めすぎ」
突然現れた新星の作家がすぐに有名になるなんてごく稀なことぐらい分かってるはずなのに
br「じゃあ、もし有名になったら? 」
nk「Broooockに告白する」
br「え、、?」
nk「その時は盛大に俺のこと振ってよね」
br「、、、ッ笑」
nk「何笑ってんの⁉︎」
「すごい勇気出したんだけど」
br「、、いや、それ今言ったら今返事聞けるじゃん」
nk「Broooock君さぁ、、?」
「俺の書いた小説〇〇の~~~の最後の一文覚えてないの?」
〇〇の~~~の最後の一文?
、、、確か
br「正解は一年後、、、」
nk「そ、、、!」
「覚えてるなんて、俺のこと大好きか?」
好きだよ
好き、大好き、超愛してる
でも、言ったら雰囲気台無しだよね
br「正解は一年後だよ?笑」
nk「早く一年経たないかな」
br「もし有名にならなかったら、僕卒業式終わったら家にすぐ帰る」
nk「はぁ、ッ⁉︎やだ、やめてって、!」
br「じゃあ、死ぬ気で面白い小説書いて?僕ずっと読み続けるから」
nk「Broooockのために書くね」
br「それはどうなの、、、?笑」
nk「、、、確かに、笑」
そんな他愛もない話をしていると
図書室から綺麗な月が見え始めてしまう
「、、、」
「またね」
次の日
僕は放課後図書室へ向かった
居るはずもない彼に会いに行くために
慣れた手つきで吊り看板を「閉館中」に変える
誰もいない図書室
僕と彼の図書室
僕はカウンターの椅子に座りいつも僕が使用していた席を見る
Nakamu、、、
両思いだったんだ、
br「早く帰ってきてよ、、、」
図書室から見える正門にある木は桜に変わり
暖かい風が窓から吹いてくる春の日
僕の胸元にはコサージュが着いていて、図書室のカウンターに座って彼の本を読んでいた
彼が世間の注目を集めた本
そのおかげで彼は引っ張りだこ
今日の卒業式も欠席らしく
名前は呼ばれていなかった
br「Nakamuのばか、、」
そうボソリと言葉を吐き
カウンターに寝そべる、 窓から差し込む夕日が気持ちよく眠気を誘ってくる
少しだけ、、、
そう思い、目を閉じる
再び目を開けると目の前には人影があって
nk「、、、初めて会った時と逆だね、笑」
どこか懐かしい声
br「Nakamu、、、ッ⁉︎」
nk「なに、?死人でもみたような顔して」
br「だっ、な、んで、、ッ⁉︎」
nk「言ったじゃん、一年後の卒業式までに有名になって帰ってくるって」
br「言ったけど、、、ッ卒業式出てなかったじゃん!」
nk「新幹線間に合わなかった」
少し顔を赤らめて笑いながら言う彼
胸には僕と同じコサージュがつけてある
nk「、、、ねぇ」
br「返事、、、?」
nk「うん、、大丈夫、いつでもいいよ」
br「、、、はぁ」
僕は大きなため息を吐いた
彼は少し驚いた顔をする
br「振るなら最初っからここ来てないから」
nk「ってことは、、」
br「僕と付き合って、Nakamu」
nk「、、、ほんとにっ⁉︎」
半分叫んでいるかのような声でそう聞く彼
目尻には涙が浮かんでいて
br「好きだよNakamu」
nk「俺もっ、、俺も好き、、、ッ」
「一目見た時から、ずっと」
br「僕もだよ、、」
「Nakamu、、」
nk「ん、、?」
軽いリップ音が誰もいない図書室に鳴り響く
夕日が僕たちを照らして
本特有の匂いを感じながら僕たちは見つめ合う
Nakamuは思考が停止しているのかしばらくの間固まっていたが
やがて、もっと顔が真っ赤になり
僕の胸に顔を埋めてしまった
そんな彼を愛おしく思う午後17時
僕はNakamuの頬に手を添え唇に もう一度、、今度は深いキスを落とした
brnk 独本編 end