テラーノベル
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花火が終わった後も、しばらくその場を動かなかった。
人のざわめきが、少しずつ戻ってくる。
先程までの特別な時間が、ゆっくりと日常に溶けていく。
それでも__
繋いだ手だけは、そのままだった。
so「…帰る?」
ak「…うん」
ゆっくりと歩き出す。
でも、さっきよりも少し遅い。
言いたい事があるのは、分かっているのに。
両者、口にしない。
夜道。
提灯の灯りも少なくなって、静かな帰り道に戻っていく。
ak「…ねぇ」
so「なぁに?」
足を止める。
繋いでいた手が、少しだけ揺らぐ。
ak「さっきのさ、」
so「うん、?」
しっかりと、向き合う。
ak「ここにいられて良かった、ってやつ」
一瞬だけ、soの目が揺れる。
so「…聞こえてたんだ」
ak「当たり前」
「…俺もさ」
言葉を探す。
でも、上手くまとまらなくて。
ak「あー…なんて言えばいいのか分かんないけど」
「一緒に居るのが当たり前になってて」
「それが壊れるっていうか、無くなるの、嫌だなって思ってる」
「だから__」
少しだけ、言葉が詰まる。
それでも、必死に言葉を探して、続ける。
ak「…心音の事、特別だと思ってる」
soは、驚いた顔をした後、目を逸らして顔を伏せた。
so「…それ、ずるい」
ak「え、?」
so「それじゃ、答え出てるじゃん」
「…俺も」
ゆっくりと顔が上がる。
so「同じ事、思ってる」
胸の奥が、温まる。
so「名前なんかなくたって、分かってた」
1歩だけ、近づく。
so「名前知ってからさ、余計無理になった」
ak「無理ってなんだよ」
so「…隠す事」
君は少し、微笑んで。
so「…好き、大好き」
その一言が、全てを決めた。
逃げ場はとっくになくなっていた。
ak「…俺も」
短く、でもはっきりと。
ak「大好き」
周囲には誰もいなくて、俺ら2人だけの世界に感じた。
気づけばsoは、俺に飛びついてきていた。
so「嬉しい」
ak「俺も」
そうして俺らは、優しく、甘い口付けを交わした。
so「俺、初めてだぁ」
ak「俺もだよ」
so「これからもよろしくね、あっきぃ」
ak「こちらこそよろしく、心音」
ak)名前を知る前は、ただの友達として話してみたかった。
so)消えてしまう恐怖感から救ってくれた。
ak)でも、名前を知った今では、ずっと傍に居たいと思った。
so)この人なら忘れないでくれるって心の底から思えた。
ak)今まで君がどんな辛い想いをしたかは正確には分からない。
so)君がどんな気持ちで話してくれたのかは分からない。
ak)だけど、これからは俺が君を支えるから、もう心配いらないよ。
so)でももう、そんな事は気にしなくていい。今は、話していれば分かるから。
名前がなくても、繋がれた2人。
名前を知って、想いを重ねて__
今はただ、隣にいる事を選んでいる。
akso)これからもよろしく、俺の初恋の人。
こんにちは!雨衣です!
今作が初めての完結作品となります!
ここまで読んでくださった方々ありがとうございました!
他の連載作品も読んで頂けると嬉しいです!
それでは、おつうい!
コメント
1件
雨衣さん、最終話までお疲れ様でした……! 花火が終わって静寂が戻る中で、ふたりがようやく言葉を重ねていく流れがすごく自然で。繋いだ手がそのままだった描写から、「好き」と言うまでの緊張と温かさが手に取るように伝わってきました。特にsoくんの「それ、ずるい」って返しがすごく好きです。泣きそうなくらい嬉しかったんだろうなって。 「名前で呼べる距離」というタイトルが、最後のやり取りで全部報われた気持ちになりました。素敵な物語をありがとうございます🌷
#mtor
なぎさ STPRリスナー
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ゆぴゆぴっ🎵
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