テラーノベル
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……もう、学校には行けない。
自室のドアを閉め、鍵をかける。
制服のまま床に沈み込む。
さっきまであんなにうるさかった教室の喧騒が、今は遠い惑星の出来事みたいに非現実的だ。
「Amia」として振る舞う必要は、もうない。
スマホが震える。親からの連絡か。
カーテンをきつく閉め、部屋を暗闇で満たす。
ここなら、成績も、愛想笑いも、期待も届かない。
耳の奥で、自分の心臓の音だけが、やけに大きく、規則正しく鳴り響く。
「生きてる。まだ、終身刑の途中なのか。一体どれだけ苦しめれば気が済むんだろう」
携帯画面を見るのが怖くて、でも無視するのも苦しくて、私は震える指で電源を切ろうとした。
その時、ふと目に止まったアプリのアイコン。
「テラーノベル」
誰かが作った物語が流れてくる場所。
現実の私を知る人は一人もいない、ただの言葉だけの世界。
「……ここなら」
私は、震える指で「新しい作品を書く」のボタンを押した。
タイトルなんて、まだない。
『この世界で生きていくのは、あまりにもハードモードすぎる。』
学校に行けない私。仮面が割れた私。いじめられた私。
書いている間だけは、私は被害者でも、不登校児でも、出来損ないでもない。
画面の向こうに、私の絶望を投げつける。
誰にも届かなくていい。私は投稿ボタンを押した。