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最高です!!主様作品全部好き!!学校行ってきます!!
相変わらず主様の物語大好きです
最高です✨️!!!なんかこう……言葉表現するの難しいですけどめちゃめちゃ好きです!!!それくらいもう大好きです!!毎回最高の作品ありがとうございます!!!!
(注意点)
今回はリクエストをいただいたので、なるべく添えるよう書いてみました。
100%妄想です
苦しんだり辛そうな表現があります
怪我や出血などの痛々しい表現もあります
言葉遣いなど解釈違いでしたらすみません
長文で申し訳ないです
大丈夫な方はこのままお進みください
4人はとある任務で、奇妙な敵と対戦している。
木々鬱蒼とする墓地に居座る未知の敵を退治せよとのこと。
目の前の敵はまるで死神のような風貌で、大きな鎌を背負っている。
さらにどれだけ物理攻撃を与えても幽霊のようにすり抜けてしまう。
時には突然目の前から消えたと思うと真後ろにワープしていたり、神出鬼没な動きで惑わせてくる。
しかし、こちらを傷つけるような攻撃をしてくる訳でもなく、ただこちらを翻弄して楽しんでいるように見えた。
ならば放置しても良いと思えるが、この敵に呪われた数人が全員自殺してしまったという報告がある。
ゆえに討伐対象となったのだ。
物理攻撃が効かないならば、と敵の前に叢雲が飛び出した。
叢雲「火遁の術!」
大きく息を吸うと、叢雲の口元から火炎放射器のように強い炎が吹き出した。
敵「ヴヴヴゥゥ!!」
呻くような声をあげると、体に纏わりつく炎を振り払おうと身を捩る。
伊波「攻撃が効いてる!」
叢雲「よっしゃ!僕の独壇場やな!」
星導「じゃあ俺ここで応援してるんで、よろしくお願いします。」
小柳「何してくるか分からんぞ、気を付けろよ。」
叢雲がまた敵に向かって手で印を組む。
叢雲「雷遁の術!」
まだフラフラとしている敵の真上から爆音と共に稲妻が落ちた。
敵「ギィイィィ!!!」
断末魔を上げながら体を震わせた。
すると、憤怒の表情に変わり、背負ってるだけだった大鎌を手に取った。
大鎌を構え、叢雲に向かってくる。
叢雲「やっと物理戦やな!」
そう言うとクナイを構えた。
クナイと大鎌がぶつかる、と思っていたら、大鎌はクナイをすり抜け、叢雲の体も通り抜けた。
その瞬間、体がゾワリと嫌な浮遊感に襲われた。
敵はくるりと振り返ると、ケタケタと笑い出し、そのままスゥと消えてしまった。
また姿をどこかに表すかと4人で見渡すが、全く気配も無くなっていた。
小柳「カゲツ、大丈夫か?」
伊波「なんか顔色悪いよ?」
叢雲の顔は真っ青に変わっていた。
なんとも言えない感覚がする。
心臓を撫でられてるかのようなゾワゾワ感。
目眩と吐き気。
酷い悪寒。
叢雲「、、僕、、やばい、かもしれん、、。」
目の前がグラグラしてきて、突然脱力して倒れ込んだ。
伊波「カゲツ!!」
隣にいた伊波が体を抱えた。
叢雲の体温は下がっており、まるで死体のようにひんやり冷たい。
しかし脈も呼吸も心音も正常だ。
瞼は固く閉じられており、揺らしても呼びかけても目覚めない。
星導「呪われちゃったかもしれませんね。」
小柳「簡単に言うなよ!」
そうかもしれないと思ったが、口に出したくなかった。信じたくなかった。
報告にあったように、呪われた人は自殺してしまうから。
小柳が叢雲の冷たい体に自身の羽織りを掛けてあげた。
そして抱え上げると、ディティカの拠点に急いで戻った。
拠点に着くと医務室には行かず、あえてリビングのソファに叢雲を寝かせた。
自殺という危険性がある以上、必ず誰かが近くに居られるようにした。
伊波「全然起きないし、すごい体冷たいね。」
小柳「あいつ倒さないと治らんかもしれんな。」
星導「ここで皆さんに悪いお知らせがあります。」
2人は眉間に皺を寄せながら星導を睨んだ。
このタイミングで?!と言わんばかりに。
星導「なんとヒーロー全員で、大量に湧いた敵を殲滅させろとの指令が今入りました。すぐ行かなければいけません。」
嘘じゃないと言わんばかりにデバイスを掲げた。
伊波「今それは無理だって!誰か1人でも残るべきだよ!」
星導「それが、、かなりの規模なので、カゲツが行けないだけでもだいぶ痛手みたいです。さらにもう1人欠けると、こっちが押し負けるかもしれません。」
小柳「行くしかねぇのか、、タイミング最悪かよ。」
叢雲が心配だが、他のヒーロー達も同じように大事だ。
今の叢雲を1人にするのは危険かもしれないが、とりあえず指令には従わなければいけない。
任務に行ってきますとだけ置き手紙をして、3人は拠点を後にした。
呪いの影響なのか、叢雲は悪夢にうなされていた。
今まで殺してきた敵の顔なんていちいち覚えてないはずなのに、それらが自分にまとわりついてくる。
人型の敵や、人間もいる。
許さない許さない、とひたすら呟きながら、首を締めてきたり、全身を鋭利な物で何度も刺してきた。
夢の中なので痛みはないが、不思議と苦しくて仕方がない。
夢の中の自分は指一本も動かせない。
ひたすらに拷問のような時間が流れていた。
おまえも しね こっちに こい
そんな言葉が聞こえたと同時に目が覚めた。
全身に冷や汗を纏い、呼吸も乱れている。
室内は適温なのにとても寒く感じる。
状況を把握したいのに、何かが思考を邪魔してるみたいに、なかなか頭が回らない。
自分が自分じゃないみたいだ。
これは呪い。
自分では理解できていないが、叢雲は「自殺」の呪いを受けてしまった。
どうにも自分を殺したくなる。
死にたくて死にたくて仕方なくなる。
心を蝕む強烈な呪い。
眠れば悪夢。目覚めれば自死を乞う。
叢雲は無意識にクナイを手に取り、手首に当てていた。
そのまま躊躇なくザックリ切り裂く。
不思議と痛みはない。
生暖かい血液が流れ落ちるのを見ていると心が落ち着いた。
次に首筋にクナイを当てる。
そこですぐにハッとして我に帰った。
叢雲「僕は何をしてるんや、!こんなこと、、ありえへん!」
自分のしている事に驚いた。
今ごく自然に死のうとしていた。
手首の傷をすぐに止血して包帯を巻く。
その時、足を誰かに掴まれたような感覚がした。
下を見ると、先程の悪夢の中にいた物たちが自分に纏わりついていた。
おまえは こっちがわの にんげん
そう言うと、人型の化け物は叢雲の足に一斉に噛みついた。
その力は肉を食いちぎりそうな勢いで、足を掴んでいる手も爪が食い込んでいる。
叢雲「やめろ!なんやねん!触んな!」
クナイで足元の化け物たちを斬り刻み、引き剥がす。
ズタズタに斬られたそれらは、どんなに引き剥がされても戻ってきて、何度でも纏わりついてきた。
叢雲「ええかげんにせえや!」
力一杯にクナイをそれに突き立てた。
と、思ったら足元には何もなくなっていた。
噛まれたはずの場所も、爪を立てられた場所も、傷ひとつ無い。
代わりにあったのは、両足に無数の斬り傷。
自分でクナイを使って足を切り刻んだような状態だった。
叢雲「これ、、僕がやったんか?」
幻覚でも見えていたのか?
でもなんだか、この傷を見ていると気持ちが安らぐ。
叢雲「なんやろ、、もっと、欲しい、。」
なんでこんな気持ちになるのか分からないが、今とても自分を傷付けて殺したい。
この不思議な快楽に溺れながら消えたい。
どんどん正常な思考ができなくなっていることに、もはや自分では気付けなくなっていた。
両手でクナイを握り、自分の心臓の位置に突きつけた。
叢雲「はは、、これで僕は救われる。」
小柳「やめろカゲツ!!!」
間一髪の所で、小柳の刀が叢雲のクナイを弾き飛ばした。
急いで任務を片付けて全速力で帰ってきたので、小柳は息を切らしていた。
最悪な状況に驚きを隠せない。
叢雲の左手と両足は血まみれ。
今まさに心臓を刺して自殺しようとしていた光景は、あまりに衝撃的だった。
小柳「何してんだお前、目ぇ覚せ!」
叢雲の胸ぐらを掴んで引き寄せ、顔を近付け目を合わせた。
虚ろな目はこちらを見ているが、その目に小柳は写っていない。
いつもの美しいオッドアイは霞んで見える。
叢雲「なぁ狼、僕、なんでか知らんけど、死にたいねん。だから邪魔せんといて。」
小柳「止めるに決まってんだろ。カゲツ、お前呪われたんだよ。解けるまでじっとしてろ。」
叢雲「なんでなん?こうやって刺したりすると心が落ち着くんや。」
叢雲はいつの間にか手に持っていたクナイで、自分の脇腹を刺していた。
小柳「馬鹿野郎!!」
小柳は慌てて叢雲の両手を掴んだ。
叢雲「離せ!僕に触んな!」
これ以上何もさせないように強く握る。
そこへ、ひと足遅れて伊波と星導が部屋に入ってきた。
伊波「ロウってば足早過ぎ!全然追いつけなかっ、、ってなにしてんの?!!」
叢雲「死にたいんや!手ぇ離せ!」
小柳「こいつしっかり呪いにかかってやがる。ほっといたら絶対自殺するぞ。」
伊波「え!どうしよう!可哀想だけど手足ヒモとかで縛る?」
星導「えいっ」
星導は手刀で叢雲の首の後ろを叩いた。
叢雲は気絶し、ガクンと脱力した体を小柳が支えた。
小柳「お前、容赦ないな。」
星導「だって死なれたら困りますし。」
伊波は叢雲の体の傷の手当を始めた。
伊波「自分をこんなに刺しちゃうなんて、早く呪い解いてあげないと。」
星導「知り合いの呪術師に相談してみましょうか。」
小柳「あいつなら解き方も戦い方も知ってるだろうな。」
伊波と小柳で呪術師に会いに行くことにした。
星導は留守番して叢雲の見張りをする。
もしまた目覚めて危険な行動をとった場合は、8本の触手が拘束に適任だ。
星導「いってらっしゃーい。なるべく早くお願いしますね。」
手をひらひらと振って2人を見送った。
再度ソファに寝かされている叢雲の隣に座って、頬をツンと指で突いた。
星導「死にたいとか言わないでくださいよ。こう見えて俺たち、カゲツのこと結構大切に思ってるんですから。」
包帯の巻かれた左手首をそっと撫でた。
星導「それに、あなたがいなくなったら つまらないし、寂しいですよ。」
右手を優しく握る。
星導「呪いなんかに負けないでください。叢雲カゲツは強いんですから。」
叢雲は、また悪夢の中で酷く苦しめられていた。
伊波と小柳と星導の死体が積まれていて、その1番上に自分は立たされている。
そこから退きたくても自分の体は動かない。
そこへ、自分が過去に討伐したのであろう敵がどんどんやってきた。
自分が踏んでいる3人を、刀や槍で何度も何度も刺し始めた。
死体がズタズタになっていく。
やめろ!こんなん見たない!
叫びたくても目を閉じたくても、体は指一本すら動かせない。
真っ赤な肉塊になっていく仲間の上に乗ったまま、見下ろすことしかできない。
なんでこの肉塊は自分じゃないのか、自分をこうして欲しいのに。
涙が止まらない。吐き気がする。息ができない。
もう、しなせて
「 死にたいとか言わないでくださいよ。
こう見えて俺たち、カゲツのこと結構大切に思ってるんですから 」
優しい声が聞こえた。
見下ろしていた最悪なものも消えた。
何もない空間が広がっている。
「 それに、あなたがいなくなったら つまらないし、寂しいですよ 」
そうなんや、、僕がおらんと寂しいんか。
「 呪いなんかに負けないでください。叢雲カゲツは強いんですから 」
僕は、強い。
無理やり隠されて忘れていた自分の心が、帰ってきたような気持ちになった。
気絶しているはずの叢雲の口から、小さな声が溢れた。
叢雲「ぼく、生きてて、ええの?」
星導「生きてください。俺たちのためにも。」
まだ意識はないが、叢雲の目元が濡れていた。
星導「あと、できれば涙を止めてくれませんか。俺こういう時どうしていいか分からないです。」
困ったように目を細めて微笑み、もう一度手を握った。
伊波と小柳は、呪術師のいる所へ赴き、あの敵を討伐する方法を相談していた。
その呪術師は別件の仕事があり、伊波たちと一緒に現地へ行くことができないが、作戦を立ててくれた。
伊波たちはお札を2枚受け取った。
1枚は呪いを無効化するもの。
もう1枚は霊系の敵の体を実体化させるもの。
つまりお札を2枚とも貼って物理攻撃で倒す、という作戦だ。
お礼を言うと、2人は墓地へと急いで向かった。
墓地に着くと、また来たのかと嘲笑うかのように、墓石の上に腰掛けていた。
油断している今がチャンスだ。
2人はそうアイコンタクトし、1枚ずつお札を持った。
刀は敵をすり抜けるばかりだが、ひたすらに小柳は敵を攻撃した。
伊波も同じように、ハンマーを振り回す。
敵はケタケタ笑いながら墓地を徘徊している。
油断し切って敵が一瞬背中を見せた。
待ちに待ったそのタイミングに、2人は一気に背中へ詰め寄り、同時にお札を貼り付けた。
ボンヤリと透けていた敵の姿がハッキリと見えるようになり、輪郭もくっきりしている。
背負っている大鎌の禍々しいオーラも消えた。
叢雲の呪いも無効化された。
やっとこれで戦える。
2人は息を整え、武器を握り直し、構えた。
自身の変化に気付いていなかった敵も、今やっとこの状況を把握した。
ただの切れ味の良い武器となった大鎌を構えた。
小柳が先に動いた。
素早い動きで敵を斬りつける。
何度も色んな角度から斬りかかってくる刀を鎌で弾いて防いでいる。
敵の背後から伊波がハンマーを振り下ろした。
ひらりと避けて、鎌での反撃が迫る。
小柳がその反撃を刀で防いだ。
刀で鎌を抑えてるうちに、ハンマーが敵の頭上から振り下ろされた。
敵は不気味な唸り声をあげながら、さらに強く刀を押し上げてきて、ハンマーも刀もまとめて鎌に食い止められた。
そのまま鎌を大きく振り回し、小柳と伊波は吹っ飛んだ。
2人は背を強く地面に打ちつけた。
敵は小柳に向かって走っていく。
小柳が立ち上がる前に、敵が鎌を振り下ろす。
仰向けのまま刀で鎌を食い止めた。
しかし体勢が圧倒的に不利で、小柳は完全に押し負け、胴体は深く斬撃を食らった。
血飛沫が上がり、傷を抑えて苦しむ小柳に追撃が迫る。
伊波が急いで小柳を抱えて敵から離れた。
2人は思った。
今度は俺たちが油断していた。
呪ってくるだけの幽霊かと思っていたら、戦闘がすごく強い。
2対1なのに、敵に擦り傷も付けられず、さらには小柳が重傷を負った。
力も速さも敵の方が上だったとは。
小柳「ライ、ゴホッ、すまん、大丈夫だ。まだ戦える、ぐっ、、下ろしてくれ。」
伊波「その怪我じゃ無理だよ!一旦引こう!あいつ強すぎる!」
小柳が気配を感じて振り向くと、真後ろに追いつかれていた。
鎌の斬撃が伊波の背中を捉えようとする瞬間、小柳は伊波を思いっきり突き飛ばした。
伊波は地面を転がった。
バッと顔を上げると、鎌が小柳を貫いていた。
伊波「ロウ!!!」
小柳がうつ伏せで倒れており、背面から鎌が体を貫通している。
敵は鎌を抜かずに力を入れ続けており、小柳は立てないうえに痛みで動けなかった。
小柳「ライ来るな!、ゴホッ!走、れ!ゔっ、、引け!!」
心臓の横あたりを貫かれ、うまく呼吸ができない。
肺を片方やられ血を吐きながら叫んだ。
伊波はその圧力に押され、立ち止まっていた。
助けに行きたいが、自分1人の力では確実に負ける。
敵は弄ぶように、小柳に刺さっている鎌をさらにググッとえぐった。
大量の血液が溢れ地面を濡らしていく。
小柳「ぐぁ、ゔゔゔぅぅ、、!!」
その悲痛な声が響いた瞬間、伊波は弾けたように、己の全速力でハンマーを振いながら敵に向かった。
敵は小柳から鎌を引き抜くと、ハンマーの連続攻撃を全て防いだ。
敵との相性が悪いのもあるが、圧倒的に伊波より敵の方が強かった。
伊波がハンマーを全力で大振りし、同じように敵も鎌を大振りして、武器同士が衝突した。
その衝撃に負けて、ハンマーが砕け散った。
敵はケタケタと笑いながら、丸腰状態の伊波に容赦なく鎌を振った。
伊波は死を覚悟し両目をギュッと閉じた。
しかし痛みは来なかった。
目を開けてみると、小柳が伊波を庇うように前に立っていた。
そして膝が地面に着き、ゆっくり倒れ込んだ。
伊波「ロウ!、、ロウ!!」
弱々しく呼吸する小柳の顔を見ると、重そうな瞼をなんとか少し開けて、伊波をじっと見ていた。
唇が微かに動いていたので耳を近付ける。
小柳「、、て、、きを、、、みろ、、とど、め、、させ、、。」
小柳に気を取られていて完全に敵の存在を忘れていた。
敵の方を見ると、眉間に刀が刺さっていた。
ユラユラと倒れそうな体を、両足がなんとか踏ん張っている。
伊波は拳を握りしめ、敵の顔面を全力で殴った。
伊波「カゲツとロウに酷い事しやがって!絶対に許さないからな!」
もう1発、さらにもう1発殴ったところで、敵の体がザラザラと砂のように崩れ落ち、消えた。
伊波は小柳の止血に急いだ。
伊波「ロウごめん!俺を庇ってこんな、、!」
小柳「、、はくろう、、なめん、な、、これくらい、、すぐなお、る、、。」
強がっているが、もう目は完全に閉じられており、呼吸も脈も徐々に弱くなっている。
そしてついに意識も落ちた。
どんなに呼びかけても反応がない。
伊波「すぐ拠点に戻って治療するから!もう少し頑張って!絶対に死なないでね!」
小柳を背負い、走りながら声をかけ続けた。
その頃、すっかり呪いの消えた叢雲が、ソファからむくりと起き上がった。
なんでここで寝てたんだろう。
自分に何があったのか思い出せない。
隣には手を繋いだままの星導がいた。
星導「もう大丈夫ですか?」
叢雲「なんか、僕、苦しかった気がするんやけど、、気のせい?」
星導「苦しんでましたよ。よく耐えました。頑張りましたね。」
そう言うと、叢雲のフワフワな頭を撫でた。
すぐ振り払われると思ったら、されるがままに撫でられ続けている。
叢雲「あんま覚えてへんけど、やばかった時に、タコの声が聞こえて、助かって、、、ありがとうな。」
まだ頭が回っていないのか、たどたどしく素直に話す叢雲は可愛らしく思えた。
星導「お礼はあの2人に言ってください。小柳くんボロボロらしいので、帰ってきたらたっぷり労わってあげましょう。」
そこでちょうどドアがバンと開き、伊波と小柳が帰ってきた。
伊波「急患急患ー!!!」
小柳「うるっさ。」
伊波「え!起きてたの?!」
小柳「今ので起きた。あー、いってぇ、。」
星導「うわー痛そう。医務室へいってらっしゃーい。」
叢雲「待って!、、なんや、その、、みんな、ありがとう。」
伊波は叢雲のおでこにデコピンした。
伊波「仲間のために戦うなんて当然じゃん!くすぐったいこと言うなよ!」
小柳「調子狂うわ。」
叢雲「なんやと!人がありがと言うてんやから素直に受け取れや!」
星導「すみません、俺がお礼言えと言ったせいで、、。」
と言いながら星導は笑ってしまった。
それにつられてみんな笑った。
口で殴り合っても結局、全員仲間思いで、
全力で仲間を守る。
誰1人として欠けさせない。
ディティカの強さの根底はここにあるのだろう。