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誤字脱字あるかもт т
br×sm
sm side
閉店間際の店内は昼間とは比べ物にならない程静かだった。
蛍光灯がジリジリと鳴り、外からは雨音。
客「トロくせぇな、なんだよこの店員」
「、すみません」
br「レジ、変わるよ」
先輩はいつもそう言う。
俺がミスをすると、責めるでもなく、当たり前みたいに隣に立つ。
その距離感が近すぎることに気づいているのは俺だけな気がする。
バックヤードで棚卸しをしていると、狭い通路で肩と肩が優しく触れた。
咄嗟に避けようとした瞬間、先輩の声が聴こえた。
br「smさん、そのままでいいよ」
低いのにどこかふわふわした声。
俺の体は言われた通り動けなくなった。
先輩は静かに数字を書き込む。
でも、いつもの余裕のある表情ではない。
「先輩」
呼ぶと、少し遅れてこちらを見た。
「いつもみたいに笑わないんですか」
一瞬、俺と先輩、2人の空間だけ時が止まった。
それから先輩は息を吐き、目を伏せて言った。
br「よく見てるよね、smさんはさ」
その言い方が何故か優しくて、胸が苦しくなった。
閉店後、シャッターを下ろした店内は暗く静かだった。
そして店内は2人きり、また胸が苦しくなる。
先輩が俺の名前を呼ぶ。
br「ここでだけ、ここでだけでいいからさ」
近づいてくる先輩。
逃げる理由も、拒む理由も、どこにもない。
br「僕を頼ってよ」
俺を抱きしめる腕は、強くも弱くもなく、ただそこにあるだけだった。
距離が縮まって、
視線が絡んで、
何かが起きそうで___起きない。
照明が落ち、視界が暗転する。
その先を、俺はまだ知らない。
知らないままでいいと思っていた。
br side
完璧には慣れている。
笑顔も、声のトーンも、距離感も。
だからスマさんが隣に立つと、少しだけ困る。
スマさんは、僕が作るもの全てを簡単に見抜く。
レジでお客さんに怒られた時、
肩をすくめる癖も、視線を落とす癖も、全部気づいちゃうんだよ。
棚卸し中、通路で肩が触れた。
スマさんが離れる気がして、思わず言ってしまった。
「スマさん、そのままでいいよ」
口に出してすぐ、後悔した。
でも、スマさんは離れなかった。
sm「いつもみたいに笑わないんですか」
その一言で、全てが崩れた。
僕はずっと、誰にも頼らないようにしてきた。
でも、目の前のスマさんは逃げなかった。
閉店後の店内。
シャッターを下ろす音が、妙に響く。
これは店内が静かだからだろうか。
「ここでだけ、ここでだけでいいからさ」
自分でも驚くほど正直な声だった。
「僕を頼ってよ」
背中を手を回す。
抱きしめるには少し足りない距離。
暗転する直前、
スマさんの息が近かった。
翌日、何事も無かった顔で出勤する。
でも、レジ越しに目が合った瞬間分かる。
___昨日は、夢じゃない。
「昨日の続き、覚えてる?」
そう呟くと、スマさんの顔が赤くなる。
それだけで十分だった。