こんちくは。
生きてます
【zm視点】
薄暗くて寒い地下の自室から1歩、また一歩と重い足を進め、総統室へ向かう。
コンコン
zm「失礼します。」
A総「あぁ。ゾムか。」
zm「はい。」
A総「よく来た、我が国最高戦力の者よ。wrwrd国が遂に攻めてきた。負かしてこい。」
zm「…」
ガチャパタン
俺は返事もせずに総統室を出た。
zm「負かされるのは相手やなくて、お前の国やのになぁ…w」
外から銃声や悲鳴が聞こえる。
それだけで、だいぶ不利な状況なことが推測される。
それでも総統が怒らないのは俺がいるからであろう。
zm「…」
ドアを開け、外に出るとより一段と聞こえていた音が大きくなった。
俺は戦うことが好きだ。
でも、俺を上手く使ってくれる国には興味がないし、モノ扱いされたくない。
そんな俺の答えは一つ。
zm「…ヒヒw」
僕は銃もナイフも持たずして戦場へ向かった。
【sha視点】
ガキンガコッザシュ
sha「…」
俺はwrwrd国幹部のシャオロンや。
今はA国と戦争中。
俺らの目的はA国を潰すことなんかじゃない。
『ゾム』という人物を連れて帰ること。
前々から目をつけていたのだが、A国に加わったという情報を聞き、潜入調査を行った。
その結果、薬物で扱いやすいよう支配下においた後、オーバーワーク過ぎる毎日を送っていたことがわかった。
それをこちらの総統に報告したら、
「絶対に連れて帰るんだ!そんな国に置いているのは勿体なすぎる人材なんだゾ!!」
なんて言っていた。
kn「シャオローン!!そっち片付いたか?」
sha「おう!…そっちは?」
kn「片付いたで」
sha「ほぉん……」
それにしても不自然すぎや。
なぜこんな弱兵を少人数で出してくるんや?
普通、弱兵が前線に出るにしても大人数で来るのが一般的や。
うぅむ…と考えていると、何やらコネシマが慌てだした。
kn「シ、シャ、、シャオロッあれ!!」
コネシマの指は『ゾム』を捉えていた。
先程の弱兵とは全く違う、オーラと言ったら良いのだろうか。
明らかに『戦ってはいけない』と体が強張るような感覚がする。
だが、これも不自然や。
ゾムは一人でこちらへ向かってくる。
余程力に自身があるのか…
分からなすぎる。
sha「…コネシマッ、あれがゾムや
一人で来ているが、後ろに大量の兵がいるかもしれん。」
kn「おう。分かった」
早いうちに連れて帰ろう。
そう目線で合図し、俺らは飛び出した。
【zm視点】
フラフラする。身体中が痛い。目の焦点も定まらずに視界がぼやけている。
僕はひたすらに歩き続けた。
もうすぐ最前線だろうか。
???「コ、…マ……が、ゾム…」
なんや、俺の話か??
その時、風を切る音がする。
この音、速さからするに幹部二人が俺に向かっているのだろうか。
別に抗う気はない。
殺されても別に良い。
この国を守らなくてよい。
この国の 『好き』は『嫌い』に変わったのだ。
その時、
「キャァァアアアアアッ!!!!」
と子供の悲鳴が聞こえた。
俺は瞬時に体のスイッチを入れ、ありったけの力で筋肉を動かし、走る。
太もも、ふくらはぎ、腕、腹筋…。
あらゆるところが今にも千切れそうだ。
それでも、、行かなくちゃ。
子供…一般市民だろうか。
逃げ遅れたのか?
どちらにせよや。
きっと怖い思いをしているはず。
誰かの正義に、なるんや。
【sha視点】
二人で飛び出したとき、インカムを入れる。
「こちらで『目標』確認!!方角は西の方や」
ジジッ
≫rb「よくやった!すぐに連れて帰れ、もちろん怪我は負わせるなよ」
sha「了解!!」
その刹那、ゾムは俺の視界から消えた。
kn「シャオロン!左や、左ッ!!」
ゾムは目にも止まらぬ速さで走っていったのだ。
俺らを相手するよりも大事なことなんか?
…訳がわからなすぎる。
sha「追うぞ!」
【zm視点】
もうすぐのはずや。
あの声の響き具合、大きさからしてこのくらいにいると思うのだが…
その時、ぼやける視界が、少し遠くに小さく、黒いものを見つけた。
それはまさしく、先程の悲鳴の少年だと予想される。
近くには大人の姿も確認できる。
相手国の一般兵だろうか。
まぁよい。
筋肉をありったけ動かして、少年に向かって走る。
そして胸元に抱える。
zm「もう、大丈夫やで。」
「ひぐ、うわぁぁああんッ!!」
少年は泣いて、震えていた。
その少年は酷く怯えていたためか、俺の洋服を握りしめて離さない。
体温が恋しいのだろう。
「おにいちゃ、お兄ちゃぁぁんッ!!」
zm「おう。大丈夫か?」
「うん、大丈夫!ありがとう」
泣きやんだ少年は、優しく降ろしてやる。
それにしても、この少年はとても似ている。
過去の僕に。
怖いだろう。寂しいだろう。撫でてほしいだろう。
そう思って頭にぽす、と手を置く。
「へへ、お兄ちゃんは正義のヒーローだね!」
照れ臭そうに少年はそう言った。
正義の…ヒーロー…
zm「ありがとな」
少年は少し先の森の中に隠れるように駆けていった。
見送った後、俺の視界は暗くなっていった。
【sha視点】
タッタッタッ…
sha「はッ、全然追いつかへんやんけ…!!」
kn「アイツ、どんな運動神経しとんのや…」
ゾムを追いかけ、全速力で走るも、見失ってしまった。
それにしても、俺らを殺すでもなく戦うでもなく、急に飛び出していくとは何事なんやろか。
というか、それ以前に彼の体は見るに耐えないほどボロボロやった。
あの体のどこからあんな力が湧いたのか…。
もしそれが、彼の最低限であったら…。
バタリ
なにかが倒れるような声が聞こえた。
sha「ゾムかもしやんな」
kn「見に行こうぜ」
音を立てないよう、慎重に歩く。
彼はどれくらいの強さを持っているのか計り知れないからや。
その時インカムが鳴ってしまった。
ジジッ
≫shp「こちら遠距離班!救護用テントに何らかが侵入し暴れましたッ…emさんがッ!!!」
kn「なんやとッ!?!?」
sha「…あ」
コイツ……声出しやがった
コネシマは手でごめん、と謝罪のポーズをしている。
その時、視界の端でゆらりと緑色が揺れた。
sha「…!!」
1回切ります。
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