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『逃げた先にも先輩』
Tg視点
デートに誘われた瞬間、
思考が真っ白になって逃げ出した俺。
校庭の隅っこまで走ってきたけど——
心臓がまだ落ち着かない。
「……デートって……デ、デ……」
言葉を口にするたび、顔が熱くなる。
(だって、だって……好きな人にそんな……!)
胸の奥がむずむずして、
犬みたいに座り込んで頭を抱えた。
そこへ。
「——ちぐ」
聞き慣れた声が、すぐそばから落ちてきた。
「っ!? せ、先輩!?なんでここに!?」
「なんでって……逃げるから追いかけるやろ普通。犬かて……放したら逃げよるしな」
苦笑しながら歩み寄ってくる。
その言い方がやさしすぎて、
余計に心臓が暴れる。
「ご、ごめんなさい……!」
「謝らんでええ。ただ……なんで逃げたん?」
先輩がしゃがみ込んで、
目の高さを合わせてくる。
近い。
近すぎる。
「だ、だって……先輩がそういうこと言うから……
俺……その……」
言葉が詰まる。
先輩は、
何を言いたいかを察したみたいで、
「……期待した?」
その一言が、
胸を一瞬で焼いた。
俺は目をそらして、小さく頷く。
「……はい」
先輩は息をひとつ吐いて、
困ったように笑った。
「……そら、しゃあないわな。俺も……ちぐ誘うの、めっちゃ緊張したし」
「え……」
「だってお前、ほんまに……俺のことすぐ見て、すぐ懐くやんか」
言いながら、
そっと俺の頭に手を置いた。
撫でるというより、
触れるだけの、優しい手。
「そんな犬みたいな後輩……誘うだけで心臓跳ねるに決まっとるやろ」
その言葉が、
胸の奥までじんわり広がる。
「……先輩……俺……」
気づいたら、
先輩の服をぎゅっと掴んでいた。
「デート……すごく行きたいです」
言い終わった瞬間、
先輩の目がふっと細くなる。
「……せやろなと思ったわ」
そして——
軽く、額を指でつつかれた。
「ほな決定や。ちぐ、次の休みは俺と一日一緒や」
その声が優しすぎて、
嬉しすぎて。
俺は逃げるどころか、
逆に先輩に向かって抱きついた。
「わっ!?ちょ、ちぐ!ここ校庭——!」
「知らないです!先輩が悪いんです!俺をこんな気持ちにしたの先輩なんです!!」
「お、お前なぁ……」
先輩は困ったふりをしながら、
でもゆっくり俺の背中に手を回してくれた。
「……ほんま、しゃあないわんちゃんやで」
その声が耳元で震えて、
胸の奥がまたキュンとした。
——そして次の瞬間。
先輩が、
俺の耳元で小さくつぶやく。
「……デート、覚悟しとけよ?」
その低い声に、
俺の体がびくっと震えた。
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コメント
4件
こんな尊い空間が見れる学校はどこにあるんだろう?笑 ぜひ行きたいです(( 続き楽しみにしてる〜!
幸せやぁ..