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「琴巴、大丈夫!?」

「う、うん。気をつけて。こいつすごく強い。」

「当たり前だ。私は男爵。他の吸血鬼と貴族の私とでは格が違う。」

「貴族?」

「吸血鬼は血の濃さによって階級分けがされているの。つまり、あの吸血鬼は普通の吸血鬼より始祖の吸血鬼に近い吸血鬼ということになるわ。」

「そう言うことだ。始祖の血が濃ければ濃いほど強力な吸血鬼だと言うことだ。」

普通の吸血鬼とは違うわけか。でも、なんでそんな吸血鬼がなんでこんな田舎に?都会の方が人がいっぱいいるし、人も攫い易いのに。

「なんでそんな吸血鬼がこんな田舎に?」

素直に聞いてしまった。

「ぬっ。今都会は危険すぎるのだ。ぬらりひょんの力が弱まって日本に入国できるようになったが、ぬらりひょんの勢力が我らのような入国してきたものの狩りを始めた激戦となっている。伯爵以上の吸血鬼たちは派閥を率いて返り討ちにしているがそれ以外の吸血鬼や派閥に入っていない吸血鬼は田舎で狩りをするようになったんだ。」

「なんと迷惑な。自分の国に素直に帰ってくれない?」

「嫌だね。ここは楽園だ。日本人の血はうまいし、厄介なエクソシストはいない。まだほとんど吸血鬼同士の縄張りもない。誘えばホイホイついてくる人間たち。帰る理由がないな。」

「真広。男爵・子爵クラスの吸血鬼は5級のあやかしと同等の力を持っているわ。私が時間を稼ぐから逃げて!そしてお爺さまにことことを伝えて!」

「5級か、結構強いんだな。」

「そうだよ!私たちじゃ手に負えない!」

5級だと僕が陰陽師として術だけで倒すのはきびしいなぁ。

かと言って、逃げるにしても5級相当の吸血鬼が一匹に普通の吸血鬼が三匹いる中、逃げ切れるとは思えない。

あ、あいつら使うか!あいつらも5級くらいだし。

「大丈夫だよ、琴巴。」

「どういうこと?」

「ミケ!」

僕は一枚の札を取り出しこの間式神にしたミケを呼び出した。

「もう呼んだのかにゃ?はやすぎるにゃぁ。というかにゃーじゃなくてヤモリの方を呼んでほしいにゃあー。」

「なに!?」

「いいから、この吸血鬼を倒して。」

「にゃあ。しかたにゃいにゃあ。」

ミケはそういうと凄まじいスピードで吸血鬼たちに接近し、女の吸血鬼を噛み、5級の吸血鬼を含めた男の三匹の吸血鬼を爪で切り裂き、吹き飛ばした。。

「ぐはぁ!」

「にゃんだこいつら?なかなか死にゃないにゃぁ。」

ミケは女の吸血鬼を咀嚼しながらそう言った。

ミケは口の中で女の吸血鬼を何度も噛み、やがて口の中で黒い霧に変わったのか、ミケの口の端から黒い煙が漏れている。

切り裂き吹き飛ばした吸血鬼達は何度も前足で踏みつけ、やがて二匹は黒い霧に変わった。

「す、すごい。ま、真広くん。この強力な式神はどうしたの?」

「この間式神にしたんだ。」

「ど、どうやってこんなに強いあやかしを調伏したの?」

「ど、どうやって?」

ま、まずかったかな?さすがにミケは式神としては強すぎたか?

ー5級を従える陰陽師などほとんどいませんよー

だから呼び出す前に言ってよ。

まぁ、今回は呼び出すしかなかったけどさぁ。

「ん?一匹死にゃなかったにゃ。むしろ前足が痛いにゃ。切り付けられたにゃ。」

ミケは切られた前足をぺろぺろ舐めながら距離をとる。

「まさかこれほどの化け物を呼び出すとは…」

胸をミケの爪で大きく引き裂かれ、全身を打ちつけられてボロボロになった男爵の吸血鬼がよろよろと立ち上がる。

その右手の爪は鋭く伸びていた。おそらくそれでミケを切り付けたのだろう。

「にゃ!もう治り始めてるにゃ!気持ち悪いにぁ…」

「ミケ!一緒に倒すぞ!」

「わかったにゃ、でも、建物の中だと動きにくいにぁ。」

その後、5級同士でもミケの方が強かったらしく僕の術で攻撃していたからか、すぐに決着がつき、最後はミケが吸血鬼を噛み殺して黒い煙に変えた。

「大変だったにゃあ。もう呼ばないでほしいにゃ。呼ぶとしても次はヤモリの方を呼べにゃ。」

「あぁ、ありがとう助かったよ。またよろしくね?」

「だから、もうしばらくは呼ばな」

僕はミケを帰還させた。

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