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「真広、どうしてあんなに強いあやかしを従えられているの?」
僕は今焦っている。琴巴にミケことで詰められているのだ。
「ど、どうしてってそりゃ…」
「あのあやかしは他のあやかしを従えて、あやかしの主になれるレベルのあやかしよ。あのクラスのあやかしを従えられる陰陽師はかぎられてくる。それも式神専門の家系じゃないと難しい。」
「いや、あのあやかしは特殊でね、ホイホイ着いてきたんだよ、あははー。」
「そんなことはあり得ないわ。どんなに間抜けなあやかしでも自分より弱いものに仕えようとはしないし、弱くてもなにか強力なメリットか絆が必要になる。でないと、こちらがそのあやかしに食べられてしまうリスクがある。式神はそう言うものよ。あなたとあのあやかしには強力な絆のようなつながりは見ていた感じ、なかった。つまり、なんらかのメリットがあるか、あなたがあのあやかしよりも強いか…またはその両方か。」
「うっ…」
なんかすごい鋭いな。琴巴って学校でも頭いいもんなぁ。
「でも、真広はあの吸血鬼に勝てなかったから、あなたがあの式神よりも強いってことはないはず。ねぇ、教えて。もしかして涼風家には強いあやかしを従えることができる術があるの?」
ここで僕は都合のいい約束を思い出した。
「そういえば、僕のことは詮索しない約束したよね?それにもし僕の家がそんなすごい術を持っていたとして、外部の人間に教えると思う?」
「そういえば、そんな約束してたわね。そうね…その通りだわ。」
「うん。でも、助かったからいいじゃん!」
「ええ。ほんとに助かったわ。ありがとう。最近外国の化物が日本に蔓延っているわ。真広は知らなかったと思うけど、あの吸血鬼が言ってたようにぬらりひょんって大妖怪が大怪我を負ってしまって、外国の怪物たちが日本に攻めてきてるの。こんな田舎にも出没し始めているから真広も気をつけてね。」
うん。知ってる。なんなら会ったこともある。
「そうなんだ、気をつけるよ。」
「私たち陰陽師たちも必死に対処してるんだけど、なかなか見つからないし、手も回らなくてね。エクソシスト?っていう外国の陰陽師みたいな人たちが悪魔とか吸血鬼の専門家なんだけど、日本に攻めている今が好機とばかりに自国の悪魔とか吸血鬼を狩りまくってるせいで日本に応援を送ってこないみたいなの。まぁ、元からあんまり仲良い関係ではなかったみたいだけど。」
「そうなんだ。」
いろいろ大変なんだなぁ。
「真広はもう帰っていいよ。あとは私たちがやっておくから。この倒れている人たちもこれからくる私の家の応援が対処してくれるわ。田村くんもちゃんと治療して家に帰す。」
ちなみに明は魅了が解けたショックなのか気絶して床で寝ている。
「あ、応援くるんだ。」
「ええ、私が偵察しておいて応援部隊が到着したら一気に攻め込む予定だったの。同級生が噛みつかれそうになっていたから咄嗟に出てきてしまったけどね。」
流石に一人であの吸血鬼たちを倒そうとは思ってなかったらしい。そりゃそうか、こんな命懸けの仕事一人で仕事する方が異常だ。
「じゃあ、お任せするよ。ぼくもう疲れたから帰って寝るね。」
「えぇ。本当に助かったわ改めてお礼言わせて、ありがとう。」
「いいんだよ。僕は友達を助けに来ただけなんだ。」
「ふふ。かっこいいわね。」
「そ、そうかな?じゃ、じゃあね!」
僕は逃げるように店を出た。
「うん。おやすみ真広。」
東京の街にて
「あなたそれでも伯爵?弱いのね?ぬらりひょん様に噛み付いたと言う公爵とやらも大したことないのかしら。」
東京の路地裏で白い着物を着た肌の白く美しい女性に一人の吸血鬼が追い詰められていた。
「くそ!化物め!」
そう言って血の槍を何本も飛ばす。
「ワンパターンね。」
近づいてくる血の槍は冷気に当てられた凍り、砕け散った。
その吸血鬼は霧になり逃げようとしたが、対峙している美女が冷気を発し、霧は飛べなくなり地面に降りてきた。
「逃げられると思った?」
美女は冷たくいい放ち、その霧を掴んだ。
「なに!?ぐあぁ!!」
掴んだところから冷気が広がり凍っていく。
たまらず吸血鬼は霧化を解き、実体に戻るが、腕を掴まれている状態になり、もう掴まれている腕は凍ってしまっていた。
「や、やめろ。やめてくれ。」
「ここら辺の悪魔と吸血鬼は狩り尽くしてあなたで最後よ。よく頑張りました。」
美女がそう言うと冷気が一気に腕から全身に広がり凍ってしまった。
美女は凍った吸血鬼を蹴り上げ、身体はバラバラになってしまい、凍った死体は黒い煙に変わった。
「よぉ、雪菜。やっと終わったかい。」
背中に大太刀を二本差した大きな巨体の鬼が現れた。
「えぇ、やっと終わったわ。今のでたぶん最後よ、頑鬼。」
「思ったより呆気なかったなぁ。戦いたりねぇよ。」
「私は戦いたくなんてなかったわ。東京は熱いし。ぬらりひょん様に召集なんてされなかったら絶対来なかったもの。あと、まだまだ戦えるわよ。ここの掃除が終わったら次は裏切り者たちの掃除が待ってるわ。」
「どうせ、任されてるやつは小物だろ?俺たちなんかは裏切った大物のやつらなんてやらせてくれねぇだろ?」
「そうよ。裏切った大物のやつらは般若の琴様とか、がしゃどくろの骸様とかの大幹部達が自分の百鬼を率いて討伐しに行ったわ。」
「怖いねぇ。」
「でも、私たちの通り道に面白そうな土地神がいるわよ。」
「土地神だぁ?」
「なんでも、あの大百足様を倒したらしいわ。まぁ、瀕死だった大百足様をぎりぎりで倒したみたいだけど。」
「なんだと!?でも、大百足様って大昔はすげー強かったらしいが、昔の大将と一緒に戦っている時に大怪我してそれ以来ずっと洞穴にこもってたんじゃねぇのか?」
「ええ。結局、その戦いのあとも妖力は弱まる一方で4級程度の力しか残っていなかったらしいわ。」
「でも、伝説のあやかしを倒したに変わりないか…。面白そうだ。会いに行こう!」
「私も興味あったのよ。ぬらりひょん様もその土地神のこと気に入ってたらしいわ。」
「ちょっとだけ戦って見てもいいかなぁ。」
「ダメに決まってるでしょ?さぁ、準備しに一回帰るわよ。東京は残った人たちに任せましょう。」