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[文也目線]
「おらぁ!あっ!クソッ」
さっき使った食器を洗い終わってリビングに戻ると氷雨はオンラインのレースゲームをやっていた
傍らには缶ビールが何本かと数種類のスナック菓子
どうやら飲みながらやってるらしい
「今どんな感じ?」
氷雨の隣に座って、缶ビールの一本を開けながらきくと、氷雨はちらりとこちらを見てから急いで画面へ視線を戻す
「あの前のやつ、抜かせそうで抜かせねえんだよ」
「ほんとだw絶妙な感じでじゃましてくるね」
氷雨の見ている画面を同じく見ると、前の車とデッドヒートを繰り広げながらゴールしたところだった
「っあー、悔しい!あと少しだったのに」
コントローラーを片手で持ち、ビールを一気にあおった氷雨は、からになった缶を机に雑において片手で次の缶を開ける
「あそこでああ来るとはねw」
「んとに」
一緒にビールを飲みながら氷雨がやっているゲームを隣で見る
この時間は月に数回の楽しみ
とても楽しそうにゲームをする割に頻度が少ないのは忙しいのと、彼いわくたまにやるくらいが一番楽しいらしい
お互いいい感じに酒が回ってくると(とはいえ俺は大した変化はないけど)ただ楽しい時間に甘さが加わってくるのも醍醐味だ
「なぁーふみやぁー。もーむり!かてないってぇ。あいつずるい」
酔ってふわふわしたしゃべり方になった氷雨は、ゲームで勝てなくて泣きついてくるようになるのだ
普段の氷雨とはまるで違う
「大丈夫だよ 」
俺の腕に抱きついてきて、ずるいかてないと駄々をこねている氷雨はかなりレアかつ、可愛い
まあいつもの氷雨も可愛いけどね
優しく頭を撫でてやるも、しまいには俺の太ももを枕にしてごろんと寝転がる
「ふみややってよ!おれのかわりにぃ」
「えー?俺あんま得意じゃないってw」
思わず上がってしまう口角をそのままに断ると今度はばっと起き上がって俺に抱きついてきてきた
「やだやだ。いっかいでいいからさぁ」
「仕方ないなぁ 」
素面じゃあり得ない位甘えてくる氷雨に押されてついつい承諾してしまうのも正直楽しい
氷雨からコントローラーを受け取って、一試合だけだよ?とゲームを始めた
結果は一位。途中に敵をあおりちらかす位の余裕さで
「やっぱふみやつぇぇー。どこが得意じゃないだよw」
俺がゲームをやっている間、終始俺に抱きついていた氷雨は俺の戦果に満足したように楽しそうに笑っている
あはっ無防備だなぁこの後どんな目に遭うか知ってるはずなのにねぇ
「ねぇ氷雨。そんなにくっついてるとキスしちゃうよ?」
俺が氷雨の顎を掴んでそう言うと氷雨も好戦的な笑みを浮かべる
「いーよ」
氷雨の返事を聞いてすぐキスをする
すると氷雨が唇を舐めてきた
ディープキスの合図。
そんなのどこで覚えたんだかw
俺は氷雨の腰に腕を回して引き寄せ、深いキスをする
ビールの少し苦い味が甘いキスに溶ける
「ベッドいこっか」
「ん。///」
[氷雨目線]
翌朝
目を覚ますと軽い頭痛とそれ以上の腰の痛み
隣では満足げな表情で眠る文也
結局昨夜は文也にメッタメタにされたわけだ
酔っていたとはいえ俺は酔って記憶をなくすタイプではないので昨日の恥ずかしい言動もしたことも覚えている
さんざん焦らされた挙げ句のイキ地獄etc…
意地の悪い攻め方をしてくるから毎回翌朝は動けない有り様だ
「このやろ」
俺は軽く悪態をついて再び文也の腕の中にもぐり込み二度寝をすることにした