そこから俺たちは紆余曲折···活動を続けていたけれどメンバーが3人だけになって、自分たちが成長するために音楽活動から距離を置いた。
3人になったからこそ、もっとひとつにならないといけない。けど涼ちゃんと若井の距離はなかなか縮むことが難しい空気感だなと感じていて、それは周りのスタッフも同じだったようだ。
「元貴、これたべるぅ?」
涼ちゃんはいつもお菓子を隠し持ってて隙をみては食べている、子供かよ···
「じゃあ飴貰おうかな、若井も貰う?」
「いらね」
「お前、涼ちゃんに冷たくない?」
「なんで?元貴が甘すぎるんじゃない?」
若井は涼ちゃんのふんわりした空気感にいつも馴染めてない。
「ごめん、僕がいつもお菓子食べてると嫌なんだよね、元貴ぷにぷにになっちゃうもんね」
(涼ちゃんのせいだったのか、最近ちょっと太ったのは)
スタッフの一人がその様子をみてひらめいた、といわんばかりに大声で言った。
「岩井さんと藤澤さん、一緒に住んでみたらどうですか?!衣食住を共にして、同棲するんです、そしたらきっとお互い歩み寄れますよ!」
「いや、若井だよ!ってなんで!なんで俺と涼ちゃんが同棲···いや同居でしょ、いやそこじゃない」若井があちこちにツッコみをいれる。
同居、共同生活。2人には休止期間にダンスや体づくりなど、音楽活動というよりこれから進むための基礎になる部分を強化してもらおうと思っていた。確かに食事面でもトレーニングでも2人一緒に乗り越えていくってすごく効率的かもしれない、それに今よりもっと仲良くなって、距離が縮まったら?
···2人の距離が縮まったら。
考えたら少し胸がちくっとした。
コメント
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最高すぎて無理なんですけど... ありがとうございます😭