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朝晴ももか/新作出した✌️
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啓祐side
そして、多い繁った森に沿ってひたすら歩くこと数分、見覚えのある看板が掲げてあるお店の前に着くと、腕を掴んだ手を公美子は漸《ようや》く離した。
公美子「お待たせ~わが田辺美容室へようこそ♪」
ここは?、、、公美子の家、、だよな?
数日前の事だから忘れる訳がない、、ここが女の子に戻る場所、、、?
公美子が店の引き戸を開けながら奥の方へ聞こえるようにいつもより声を張り上げて
「ママ~ただいま~」
と一声、、何だか耳の奥に響き渡る声に耳鳴りが起きて痛い、、、
奥の方からは、公美子と張り合うようにまた声がでかい。
「公美子なの?お帰り~」
優しそうな声だが再び耳鳴りを起こし一瞬鼓膜が破れたみたいに聞こえなくなった。
まさにまるで最上階へもうスピードで上がった時の現象に似ていた。
わざと息を止め自分の唾を飲み込むと漸く耳鳴りも治まり正常に聞こえるようになると、、、再びでかい声で公美子は声を張り上げる、普通に話せねえのかこの親子は、、、
公美子「親友連れてきた~よ~」
「もしかして、、、かえでちゃん?」
奥の方から声はするけど未だ美容室に姿を見せない公美子のママ、、、
公美子「ブー、残念でした。違うよ、、今日、はじめて連れてきたの、、ママの力で女の子に戻してあげて欲しくって、、」
公美子のママ「公美子?どういう意味?女の子に戻してあげてって?」
公美子「ママ、忙しいのはわかるけど出てくればわかるから~」
公美子のママ「ハイハイ!ちょっと待ってて後片付けあともう少しで終わるから」
公美子「うん、わかった~親友と待ち合い席で座って待ってるよ~」
またふたりの大声バトルが、、耳鳴りが再び、、両耳を左右人差し指で塞《ふさ》ぎながら、、オレもでかい声を出した。
「おばさん!すみません!お忙しいところお邪魔して」
地声で話しかけたのでオレだと気づかないようで、、
公美子のママ「気にしないでね。はじめてお会いするのかしら?、、」
公美子のママが美容室に来るまでのあいだ、待ち合い席で待つため、公美子が席を案内してくれた。
公美子「啓祐?ごめんね、、耳痛くなかった?この家、あちこち防音室になってるから声を張り上げないと相手に聞こえないのよ。以前住んでた人達は音楽家だったようでそれであちこち防音なの、、啓祐もかなり声張り上げてたけど大丈夫?」
「はじめは驚いたけど大丈夫だよ」
公美子「それは良かった、、、喉かわいたでしょ?何か飲み物持って来るけど何がいい?」
「えっと、じゃあ~あればコーヒーで」
公美子「了解!アイス、ホットどっちにする?ミルク、砂糖いる?」
「ううん、いらない!ホットの方でブラックでよろしく」
公美子「作って来るから座ってて」
「ありがとー」
今度こそ耳鳴りが治った、暫く辺りをキョロキョロ見回すとマガジンラックを見つけて芸能週刊誌に目がいき右手で取ると両手に持ち直し、ペラペラ右手でめくって有名俳優の不倫疑惑や、たいして面白そうな記事は載ってなさそうに見えたが、、気になる見出しを発見!
え?青葉学園中等部三年の若手俳優が行方不明?
《≪「去る八月未明から学園に突然休学届を出したかと思うと気になったマネージャーが彼のアパートを訪ねるともぬけの殻だったそうだ。彼に何度か連絡するも通じず、来年のドラマの主役に抜擢された事も知らず未だ行方不明!彼の安否が心配である。」≫》
単なる偶然?秀が現れたのは同じ頃だし、残念ながら文面だけしか記載されていない。
公美子「お待たせ~啓祐?何読んでるの?」
「なんかこの記事の内容が気になって」
と公美子に見せると何故か尋常じゃない顔で驚いて、、
お盆に乗っている白いマグカップに入っているコーヒーがこぼれそうだ
「公美子!危ない!こぼれるよ、、なんでそんなに驚いてるの?」
公美子「別に(汗)驚いてないわよ、、ちょっと手元が狂っただけだし、、、へぇ、、丁度私達と同い年なんだ~心配だね~早く見つかるといいね~(棒読み)」
なんか公美子の話し方不自然な、、何かオレに隠してる?まっいっか、、、あとで追求するとして、今は、深く考えるの疲れるだけだしな~
「公美子、コーヒーありがとー。気になるけど今は、何も聞かないでおくよ!」
フーフーして飲みはじめる。
公美子「ごめん、、啓祐、、いつかその時がきたら話すからね。今は、何も聞かないでくれて助かるよ。ありがと~正直なところ驚いたのは事実だしね。」
そんな時、奥の方からこちらに近づく足音が聞こえて来る。
公美子のママ「お待たせしてごめんなさいね。はじめまして公美子の母の陽子です。」
俯《うつむ》きながら徐々《じょじょ》に顔をあげて美容室に現れた公美子のママは、オレに気づくと顔色を変え目を大きく見開いて驚いている。
陽子「え?!確か同じクラスの神条啓祐くんよね?公美子?良かったわね、、思いが伝わって、、、あれ?今日、公美子親友と待ち合い席で待って居るって言ってなかった?いないじゃない、、どういうことか説明してちょうだい!」
公美子「ママ、、別に嘘ついてないわよ。親友と待ち合い席で待ってたし、思いが伝わってって、、違うから、、何処から話せば良いのかな、、啓祐とは親友になったの、、その経緯《いきさつ》から話すから、、」
公美子がオレの代わりにかなり長い説明をしてくれた。
30分か40分くらいかかった気がする、それだけオレに対しての話は簡潔に説明するのは困難のようだ。
何だか公美子には助けて貰ってばかりだな~
正直自分で説明するのはかなりの勇気が必要だから非常に助かったぜ
陽子「なるほど、つまり、啓祐くんは、ほんとは女の子で好きな男の子に振り向いて貰いたいから女の子らしくして欲しいって事よね?」
公美子「うん!そうだよ~ママ~」
陽子「だけど見た感じ神条くん、乗り気全然無いように見えるけど」
公美子「それはそうだよ~ママ~啓祐は物心ついたときから男の子として生きて来たんだから~急に女の子に戻るって抵抗はあると思う。でもね。わたし、わかるんだよ。啓祐の気持ちが痛いほどね。私がそうだったから、、皮肉にも思い人は女性だったけどね(苦笑い)それに好きな男の子が目の前で他の女の子に絡むとこなんて見たくないだろうし、、啓祐はね。ずっと我慢してきたんだよ。苦しくても泣きたくても誰にも相談出来ず、それってある意味、生き地獄だと思わない?これって神様がわたしに与えた役目のような気がするの。だから、、わたし、啓祐を助けたい、、好きになった彼がレディに変身した彼女の方に振り向いてくれるように」
「(泣)公美子、、、ヒクヒク、、ありがとー(泣)」
オレは、どうしようもないほど涙があとからあとから滝のように流れていくのを感じた。
公美子「よしよし」
頭を撫でられても涙は止まりそうもない。
陽子「わかったわ、、お姫さま。私が魔法をかけてあげるから、もう泣かないの、、せっかくの可愛い顔が台無し」
「え?オレが、可愛い?(泣)嘘だ!」
陽子「嘘じゃないわよ、、こちらへ来なさい」
一番奥の通路側よりの鏡の前に導かれた。
陽子「ここに座って、鏡の中に誰が見える?」
「真っ赤な涙目のオレ」
陽子「女の子はね、誰でもお姫様になれるの。お化粧すれば更に可愛くなるし、髪型変えるだけでもガラッと変身出来ちゃうのよ」
「本当に?変われる?今の《《オレ》》から」
陽子「うん、変われるわよ。おばさんに任せなさい!」
今の《《オレ》》から解放されると思うと憤《いきどお》りが軽くなりいつの間にか涙が止まった。
「なんだか、、不思議だ、、気持ちが軽くなって、、なんか楽しみで、、心がウキウキしてる、、」
陽子「そう?それは良かったわ、、元気になっておばさんも嬉しいのよ、、ちょっと待っててね。」
そう言うとおばさんは、かつらを持って来た。
「それってかつら?」
陽子「かつらとは言わないわね。ウィッグよ」
「ウィッグ?」
かつらとどう違うのか多分、訊《き》いても理解できないだろうから、細かいことはいっか
そのウィッグをおばさんは着けてくれた。
「なんかオレじゃないみたい/////」
陽子「でしょ?髪型だけでこんなに可愛くなってるんだから自分に自信持ってね、、あとはお化粧する前に今の洋服何とかしないとね♪啓ちゃんは身長どのくらい?」
「165です。」
陽子「公美子の服は着れそうにないわね。おばさんの若い頃の服有ったかしら?身長はおばさんと同じくらいだから何とか行けそうだけど、あとは靴のサイズは?」
「24です。」
陽子「わたしの貸してあげるわね。あとはバストのサイズは?」
「/////っ!測った事ないのでわかりません。////」
陽子「今までどうしてたの?」
「サラシで胸潰してました。」
陽子「あ?!なんて事!確かにそのままだと女の子だってばれちゃうわよね。きつかったでしょ?痛かったでしょ?実は、胸には凄く良くないことをしてるのよ、、男装するなら男装用下着と言うのがあるからオススメよ、、サラシはもうやめた方がいいわね。」
「男装下着ってどこで売ってますか?」
陽子「ネットで調べればわかるわ。そうだ。胸囲測りましょうね。ちょっと待っててメジャー持って来るわね」
ここに来てどのくらい経つんだろ?
やべぇ~下の方がそろそろ、限界の嫌な予感!
「公美子!お願いがあるんだけど、《《アレ》》持ってる?トイレ貸して」
公美子「《《アレ》》ね。わかった、、待ってて。今、持って来るからね。」
おばさんが先か公美子が先か、、いずれにしても
女に戻るの時間かかりそう、、、なんだか眠くなってきてるし、、
コメント
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うわあ、公美子の「私がそうだったから」の台詞、胸に来ましたね…。自分の痛みを誰かのために活かそうとする姿勢が、彼女の人間の大きさを感じさせます。あと、例の雑誌記事の伏線も気になります。秀くんの失踪と何か繋がるんでしょうか?設定がじわじわ効いてくる構成、さすがです。夢美留子さん、素敵なお話をありがとうございます。