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10 お誘い
「さもくんどこにいるかな〜?」
私・ななっしーはさもくんを探していた、
べるに会うのもいいけど、この前喧嘩別れしたからちょっと会いずらい。
「うん、じゃあまたね」
どこからかさもくんの声が聞こえてきて、近くの角を曲がる。
そこにはべるに手を振っているさもくんがいた
___一緒に遊んでたのかな?
「いいなぁ」と思ってしまう私は欲張りなのだろうか。
「ねえ」
べるが遠くに見る行って見えなくなったとき、さもくんに話しかけた。
さもくんは私を見ると驚いたように目を見開いた。
「な、ななっしーいつからいたの?」
「いつからだろうね?」
適当に質問をうやむやにして返すと「そっか」とさもくんの声が返ってくる。
ニグさんには『死んでる身なのであまり手の内を晒さないでください』って言われてるし質問に真面目に返しちゃいけないんだよね___。
「あ、そうそう。さもくん!」
ちょっとした気まずさをなくすように明るい話を切り出した。
「一緒に花火大会に行かない?」
今日私が言いたかったのはそのことだ。
「え?いや、俺は___」
「はい!決定ね!当日私が迎えに行くから!」
もう、手遅れになんかしたくないから。
言えなかったこと、全部吐き出すから。
___たとえそんな夢物語に代償があったとしても。
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