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ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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「ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」」のメインビジュアル

ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

35 - スーツが似合う年上の彼に、ときめいて惑わされて -15-

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2024年07月27日

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キャンバスの上にふっと影が落ちて顔を上げると、蓮水さんが立っていた──。


「絵を描いていたのかい?」


「はい…」とだけ小さく声に出して、こくりと頷く。


向けられる優しい眼差しに、胸は再びきゅんと切なく疼いた。



「君の絵、好きだよ」



耳のそば近くで告げられる言葉が、もしも絵ではなく私自身に伝えられたことだったら、どんなにかいいだろうと思う。



私、あなたのことを……。



伝えられないセリフが宙に浮いて、ため息だけがこぼれる。



気持ちの整理をどう付けたらいいのかがわからなくて、何も喋り出せずにいると、


「これからちょっと早めのディナーにでも行かないか?」


柔らかな笑みを浮かべた彼に食事に誘われて、うつむき加減で、また「はい…」とだけ応えた。


今の私には彼の笑顔は眩しすぎて、目を合わせることもできなくて、急いでイーゼルを折りたたんでキャンバスを脇に抱えると、前を歩き出して行く背中を、やや複雑な思いで追いかけた──。


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