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十年の歳月が静かに流れた。
あの春の手紙、あの告白の日から、私たちは夢を追い続けてきた。
今日は私たちの初めての共作絵本の出版日。
表紙には、二人が描いた桜の木が輝いている。
出版社のロビーには、読者たちの笑顔が溢れ、温かな拍手が鳴り響いていた。
颯真がそっと隣に寄り添い、私の手を取る。
「約束通り、隣にいるよ」
彼の言葉に、胸が熱くなった。
「ありがとう、颯真。あの春の手紙がなければ、ここにはいなかった」
夕暮れの光が差し込み、私たちの未来を柔らかく照らしていた。
夢と愛を抱いて、私たちはこれからも一緒に歩いていく。
あの春の風のように、やさしく、確かに。