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シクフォニの6人が暮らすシェアハウス。
ここはグループの拠点であると同時に、3組のカップルが同居する甘くて賑やかな空間でもある。
ある日のオフ、リビングにはそれぞれの距離感で過ごす彼らの姿があった。
ソファの端っこで、すちはノートPCを開いてデザインの作業をしていた。
そのすぐ隣、ぴったりと体を寄せ合って座っているのが、彼女のみことだ。
「……すちくん、あのね、昨日見てって言ってた英語のフレーズなんだけど……」
「んー? なに?」
すちは画面から目を離さないまま、空いている左手で自然にみことの髪をなでる。
みことはその心地よさに目を細めつつも、構ってほしそうにすちの服の裾をツンツンと引っ張った。
「あの……まだ作業、終わらない?」
「……。」
普段は天然でおっとりしているみことが、珍しく小さな声で寂しそうにする。
その可愛さに、すちはあっさりと降伏した。
PCをパタンと閉じると、みことの華奢な体をひょいと抱き寄せて自分の膝の上にのせる。
「わ、わわっ、すちくん!?」
「みこちゃんが可愛すぎて作業にならないから休憩。ほら、続き聞かせて?」
耳まで真っ赤にしながらも、嬉しそうにすちの胸に顔をうずめるみこと。
すちはそんな彼女を愛おしそうに腕の中に閉じ込め、静かにその空間を堪能していた。
そんな甘い二人の対面に座るいるまとなつは、今日もいつも通りのトーンで会話している。
……距離感がおかしいのを除けば。
「おい、いるま。ポテチ取れ」
「あ? 目の前にあるだろ、自分で取れよ」
なつはいるまの膝の間にすっぽりと収まり、彼の胸を背もたれにしてゲームをしている。
口では冷たく突き放すいるまだったが、手はすでにテーブルの上の袋に伸びていた。
ポテチを1枚つまみ、ゲーム画面から目を離さないなつの口元へ運んでやる。
「ん、ありがと。……って、これうす塩じゃん! コンソメが良かったんだけど」
「贅沢言うな、お前が買ってこいって言ったんだろ」
文句を言いながらも、なつはいるまの手から素直にポテチをハムっと咥える。
いるまは暇72の自由奔放な態度に呆れつつも、その細い腰を後ろから腕でしっかりとホールドしていた。
「……何、ちょっとキツいんだけど」
「お前が動くとゲームの邪魔だろ。大人しくホールドされてろ」
ぶっきらぼうに言ういるまの胸の奥で、トントンと小刻みに高鳴る心臓の音。
なつはそれに気づいて、ふいっと顔を背けながら「……ばーか」と小さく呟き、赤くなった耳を髪で隠した。
「ねぇねぇ、らんくん!」
キッチンから嬉しそうに走ってきたのは、水色の髪を揺らすこさめだ。
リビングでツッコミ役に回りがちなリーダーのLらんの前に立つと、彼の手を両手でぎゅっと握りしめた。
「こさめ、さっきすっごく美味しいココア淹れられたの! らんくんに一番に飲んでほしくて!」
小首を傾げ、満面の笑みで上目遣い。
確信犯だと分かっていても、らんの心臓は耐えきれない。
「っ~~~!! こさめ、今日も世界一可愛いね!? 飲む、喜んで飲むよ!!」
「えへへ、やったー! じゃあ、はい、あーんして?」
こさめがマグカップをらんの口元へ運ぶ。
らんは「あーん」と大真面目に受け入れながら、あまりの尊さにその場で崩れ落ちそうになっていた。
「もう無理……可愛すぎて心臓がもたない……付き合って長いのに、なんで毎日こんなに可愛いの?」
「らんくんが大げさなんだよーw でも、そうやって喜んでくれるらんちゃんが、こさめは一番大好き!」
不意打ちのストレートな「大好き」に、LANは顔を真っ真っ赤にして両手で顔を覆う 。
こさめはそれを見て、いたずらっぽくクスクスと笑うのだった。
「……相変わらず、あっちのリーダーは限界迎えてんな」
いるまが独りでに呟く。
「微笑ましいじゃん。ねー、みこと?」
「うん! 二人ともすごく仲良しで素敵!」
それぞれの形で愛を育む3組のカップル。
呆れるいるまと、それを笑うすち、そして無邪気に微笑むみこと。
シクフォニのシェアハウスは、今日も呆れるほど甘くて、賑やかな時間が流れている。