テラーノベル
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岩本が渡辺に体温計を差し出す。
渡辺は首を振る。それでも、岩本は差し出す。渋々受け取り体温を測る。
39.2度。
岩本ーこれでも、病院行かない気?
渡辺ー行かない。
岩本ー甘ったれ、後で泣くくせに、何で行かない?
渡辺ー寝てれば治る。
岩本ー治ったことないし。
渡辺は熱があっても、病院に行こうとしない。
明日も収録があると言っていた。
何かあったのだろうか。
こういうとき、渡辺は言わない。
岩本ーなにがあった?
渡辺ー・・。
岩本ー翔太。
渡辺ー言われた。
岩本ー何を?
渡辺ーしょっぴーって、めめと1番仲良しだと思っていたのに、ひーくんと仲良しなの?
岩本ー誰?
渡辺ー知らない看護師さん。
岩本ーなんて言った?
渡辺ーめめは仕事だから、リーダーに連れてきてもらいました。
岩本ーその人は?
渡辺ーひーくん、よく見かけるんですけど。
だから、うちで、1番忙しいのは、めめなんで、付き添いは無理なんです。って言った。
岩本ー目黒のファンか?
渡辺ー多分。
ほんのり赤い顔した渡辺。
今すぐ、病院に連れて行きたい。
岩本は、いつもの看護師さんに電話した。
こういう人がいるから、渡辺が病院に行かないと言う。今日もいますか?と。
夕方、引き継ぎをして、帰ったと言われて、岩本は渡辺を連れて行くと言った。
岩本ーもう帰ったらしい。
渡辺ー・・。
岩本ー行くぞ。
渡辺ーひかる、歩けない。
シーツに包んで、抱き抱える。
ぐったりして、目を閉じてしまった。
看護ーお待ちしてました。
岩本ーすみません、39.2度あります。
看護ーいつもの部屋へ。
岩本ーあの・・。
看護ーごめんなさいね、噂好きで。目黒さんのファンなんです。
岩本ー薬、ちょっと多くもらって帰ります。
看護ー姉妹病院からの、実習生で、3ヵ月います。
まだ1ヵ月目なので、あまり来ていただくのは、いつ会うか分かりませんからね。
岩本ーなるべく来ないようにします。
看護ーでも、熱が出たら来てくださいよ?
岩本ーはい。
部屋に入ると、渡辺が点滴を受けている。ぼんやり天井を見つめ、ポツリと言う。
渡辺ー3ヵ月?
岩本ーん。
渡辺ー頑張るけど、熱は出ると思う。
岩本ー目黒に頼むか?
渡辺ーん、相談して?
岩本が目黒に相談すると、時間があれば、目黒が連れて来ると言う。
もし、寝てたりしたら申し訳ないと言うと、気にしないでと言ってくれる。
渡辺と岩本の2人が帰るころ。
看護師さんに言われる。
看護ーあの、看護師は、真夜中は基本、ICUにいるから、大丈夫だと思いますよ。
岩本ーでも、俺を見かけてるんですよね?
看護ー運が悪かったわね。
渡辺ー俺、熱出さないように頑張ります。
看護ーこの間言われた通り、ストレスはだめですから。
渡辺ーはい。
岩本ー帰るか?
渡辺ーん。ありがとうございました。
看護ーお大事に。
まだ、渡辺は37度後半の熱がある。それでも、2人は並んで歩いて病院を出た。
あの日から2週間後。
やってきた、特大の熱が。頭痛もする。
40.2度。
岩本は、時計を見て、目黒に電話した。
岩本ーごめんな、こんな時間に。
目黒ー大丈夫、ちょっとゆっくりしてたから。何度?
岩本ー40超えてる。頭痛もするから、唸ってる。
目黒ーすぐ行く。
シーツに包んで病院にやって来た。
運悪く、実習生に、バッタリ出会ってしまった。
そこへ、いつもの看護師さんもやってきた。
看護ー今日は?
目黒ー40超えてます、頭痛もしてます。
看護ーいつもの部屋に。
実習ー案内します!
目黒ー分かってるんで、大丈夫です。
看護ーあなたは、ICUに戻りなさい。点滴持って行きます。
目黒ーお願いします。
実習ーきゃあ、お話しちゃった〜。
看護ー早く戻りなさい。
実習ーは〜い。
目黒ーありがとうございます。
看護ー渡辺さん、辛そうね〜。
目黒ー早く連れて帰ってやらないと、心配してるから。
看護ーそうね。
いつもの部屋。
渡辺は頭痛のせいで眠れない。
目黒は、すぐそばで資料を読んでいる。
渡辺ーごめんな。
目黒ー大丈夫。
渡辺ー頭痛い。ひかる・・ひかる・・。
目黒ー岩本くんも心配してるから、早く良くなって?会ったよ、実習生。
渡辺ー大丈夫だった?
目黒ーん、平気。少し寝な?
優しく頭を撫でる。
目を閉じて、渡辺はゆっくり眠っていく。
37度後半の渡辺を連れて帰って来た。岩本が渡辺に頭痛は?と聞く。
渡辺ー治まった、熱もだいぶ下がったし。
目黒ー岩本くん、いたよ、実習生。
岩本ー目黒に頼んで良かった。
目黒が帰って、渡辺は岩本に抱きつく。岩本は渡辺を抱き抱え、ソファにきた。
そっと下ろして、ブランケットを持って来る。
アイスノンを持ってきて、まだある熱を下げる。
渡辺ーひかる・・。
岩本ー目黒で良かった。俺だったら、また何か言われる。
渡辺ーひかる・・ひかる・・。
岩本ー今日は大人しく寝ろよ?
渡辺ーんっ〜んっ。
岩本ーだめ、ここ最近なかった、40度超えと頭痛だからな。
渡辺ーんっんっ。
岩本ーそばにいてやるから。
熱がまだ高かったから、静かに寝た。いつもこうだといいのにと岩本は思う。
誘われて、抱いてしまう岩本のせいでもある。
1ヵ月後。
渡辺は、予備の薬が無くなったから、もらいにきた。引き継ぎが終わり、帰る実習生と出会った。
実習ーめめと仲良しってホントなんですね。
渡辺ー・・。
実習ーひーくんも、仲良いんですね。
渡辺ー・・。
実習ー言いませんよう〜。
渡辺ー失礼します。
実習ー何よ、ツンツンしちゃって。
医師ー患者さまにそういう言い方はいけませんね。
渡辺ーあっ、先生。
実習ーすみません、失礼します。
渡辺ー助かりました。
医師ーいやいや、今日は薬だけ?
渡辺ーはい、手持ちが無くなったんで。
医師ーストレスはだめですよ。
渡辺ーはい、ありがとうございます。
練習スタジオ。
渡辺ーあの人、苦手。
目黒ー何か言われた?
渡辺ーん〜めめとあいつと仲良しなんですねって、言いませんよう〜。っていう、言い方がだめ。
でも、そこへ先生が来てくださって、薬もらって帰ってきた。
あの実習生が帰るまで、後、約2ヵ月。熱も出さず、頭痛もしないのは、ちょっと難しい。
出来るだけ頑張るけども、これは、どうしようもない。
岩本の家。
晩ご飯を岩本が作っている。渡辺はまだ帰っていない。さっき、もう帰るとLINEがあった。
難しい顔をして、帰ってきた。
その顔を見て、岩本が体温計を差し出す。
38.8度。
渡辺ー行かないから。
岩本ー翔太・・。
渡辺ーひかる・・ひかる・・。
岩本ーもっと熱が出る。
渡辺ー大丈夫。
蕎麦を茹でてた鍋のスイッチを切る。確実に、伸びるなと思いながら渡辺を抱き上げ寝室へ。
ベッドに、そっと下ろし覆い被さる。
岩本ー甘ったれ、熱上げるな?
渡辺ーうんと、汗かいたら、熱下がらない?
岩本ーばか言え。
渡辺ーひかる、激しくして?
岩本ー怖いこと言うな。
渡辺ー大丈夫だから。
渡辺ーんっんっ・・熱っ・・ひかる・・もっと・・。
渡辺ーはぁはぁ・・いい・・いい・・ふわふわする・・。
岩本ーやめるか?
渡辺ーやだ・・もっと・・きて・・ひかる・・。
渡辺ーあっ・・あっ・・まだ・・だめ・・おく・・きて・・はぁはぁ。
岩本ー大丈夫か?
渡辺ーいい・・でる・・でる・・はぁはぁ・・ひかるっ・・。
岩本ー飛んだか?今のうちに綺麗にして、体温測って・・。
37.2度。
岩本ー嘘〜。下がってる。 まぁ、病院行かなくていいし。
渡辺ーんっんっ・・。
岩本ー翔太、熱下がってる。
渡辺ーふふふ、シャワー。
岩本ーん。
ご機嫌な渡辺は、クタクタの蕎麦も、美味しそうに食べた。
岩本は、天ぷらだけで充分だった。
その後、あの実習生も帰り、渡辺にとっては、快適な通院生活となった。
通院しないのが1番だけどね!
コメント
8件
翔太くんと同じく実習生嫌い😤 余計なお世話だ😡😡 でも、熱が下がるとは🤭🤭🤭