テラーノベル
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その時だった。目の前に現れたのはひとつの人影。それはゆっくりと俺の方へと目を向け、呟いた。
「君が傲慢であってる?」
「そうらしいが、俺は生憎無能力なんだよ。残念ながらね。」
「伸び代があっていいねぇ。」
彼は、俺の瞳の奥をじっと覗いていた。その顔と、眼は俺の全てを見透かしているかのようで気味が悪く、あまり居心地が良くなかった。なんなら悪いくらいだ。
その瞬間、俺はとんでもない光景を目の当たりにすることになった。それは、彼の真後ろ、既に目と鼻の先にあったハズの、今にも猛威を奮ってきそうな程のエネルギー弾が瞬く間に消え去ったのである。
俺はこの光景に口をあんぐりと開けて唖然呆然とするしか無かった。恐ろしいほどのパワーに、俺はゾッとした。
すると龍はそれに怒ったのか、彼を無視して、俺の方へ光の速さと言えるほどのスピードで、俺の方へ向かってきた。
彼は無理だと直感し、潰せる方を潰して爪痕を残しておくつもりか、はたまた嫌がらせか、それとも俺を小竜に食わせるのか、そんなことより酷い目にあうのは確定だ。
でも俺は、龍により、噛み砕かれることは無かった。何故ならその前に彼が俺の前に立ち、龍の口に手を当てていたからだ。
「ストップ。終わり。帰って…?」
そう彼が呟いたにもかかわらず、龍は大きく彼に向かって咆哮する。
その瞬間、辺り一面の温度が5度は下がった気がした。とんでもない殺気と圧力。この圧があの華奢な身体からはっせられているなんて、誰が夢にも思おうか。
龍が1歩後ずさる。それでもこちらへの威嚇は辞めず、まだ俺の方を睨みつけている。プライドが高い龍だからこその行動だが、俺にとっては恐怖でしかないものだ。
「あ”ァ〜。一々面倒臭いんだよ。龍は。」
「失せろっつってんの。」
「はぁ…。もういいよ。お前は。」
そう彼が唱えた瞬間、龍は一目散に逃げていった。ひとまず、俺は助かったからいいんだけど、それにしても怖かった。
「大丈夫?」
「う、うん。」
「怪我ない?」
「ないよ。」
「良かった。」
「改めて聞くね? 」
「君が傲慢であってるね?」
「一応そうらしい。」
「良かった。自己紹介が遅れたけど、俺は七つの大罪、怠惰担当のrdだよ。よろしくね〜。これからは僕たちと対等な立場として、魔族を率いる事になる。頑張ろうね」
そうは言われたが、俺はいまいち立場の凄さや力量が、全くわかっていなかったのであったが、ここから俺の人生は大きく変わることになることを、俺はまだ知らない。
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