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wnru 告白
任務が終わり変身を解こうとすると聞き馴染みのある足音がして振り返る。
ウェンだ。
「ろーきゅんじゃーん!そうかなーって思って追っかけてきちゃったぁ」
後ろから抱きつかれる。
今回の敵が現れたところは街中では無いにしろ結構人目につく場所で市民の注目が集まってしまう。
「ろーきゅんっていうな!ってか離せばかっ」
周りはあらあらみたいな顔しているのが耐えきれず引っ剥がすとケラケラ笑っている。
コイツ…
「あは!可愛らしっココア飲んで帰るー?」
「のまねぇよ。おら報告書書いて帰るぞ」
ウェンが居ると騒がしくて俺だけの世界とは違うところに放り投げられたような気分になる。
「はいはい、あ皆さん気をつけて帰ってねー!」
「それでは。また何かありましたら報告お願いします」
今度こそ変身をとき2人で並んで歩く。
「あ、ロウスタバよってこっ」
2人で新作を買って帰り30分の道をゆっくりと歩く。
今日は、オリエンスも全員出てるって
言ってたか。
本部に帰ってもちょっとは
ゆっくり出来そうかもな。
少しだけ、燻る心に蓋をして何が無い会話を楽しむ。
「ろーきゅんそれおいし?」
「ろーきゅんやめろ。うまいけど」
俺のはいちごがふんだんに乗せられたノーマルのやつでウェンは同じのでカスタムを何やらたくさんしていた。
「一口ちょーだい!」
こてんと俺の顔を覗き込みてが重なり思わず身体が跳ねる。
「なーんてっかわいらしー!びっくりした?」
パッと手を離してまた笑う。
「だる!お前っ」
さっきの誘うようないつもと違う顔に
鼓動が流行る。
他の人間には無いこの独特な感情。
ふいに俺だけなのが少し癪に触って、
ご機嫌なコイツにも味わわせてやりたくなる。
「っん!あ”んっま!!」
ウェンのドリンクを取り勝手に一口飲む。
口に広がる甘い味は面白いくらい俺とは違う味だった。
「え!?ちょっとロウきゅ…!!」
「ふは!顔あっか!そんな俺のこと好きかよ」
揶揄うように言ったのに彼は耳まで真っ赤にして言葉を探していた。
ガチでれやん。コイツ…
そういえば褒められるのとか
苦手だったもんな。
道を曲がり、誰もいない路地裏に入る。
「…好き。っていったら困るくせに」
ウェンがポツリと呟いて思わず笑みがもれる。
「どうだろな。」
俺がそのまま進むとあっ!ちょっと!!って文句を言い出す。
「ずるくない?それ」
腕を掴まれ振り返る。
笑ってない、顰めっ面。
「ははっ好きだよ。俺お前のそう言うとこ」
「は!?」
「答えてないじゃんそれぇ!」
顔赤くて必死だな。
「好きって言ったら困るみたいだから?」
「それはちが!っろーきゅんが…あぁ!もぅ!!好きっロウの事、が好きっ」
やっと聞けた。
ってか、どこで俺らこんな話してんだ。
「ふふっ俺も好き」
甘いムード台無しな路地裏。
でも、今日からここが俺らの特別な場所。
夕焼けがかなり、赤い日だった。