テラーノベル
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メイス🖤🫧🪽
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※このノベルはボーイズラブです。
戦争賛美、政治的意図等の不在、また、実在する人物、団体、事件等には一切の関係が無い事をご了承下さい。
「なぁ…おやじぃ…俺って…”きゅーと”…なのか?」
酒のせいかその巫山戯た言動のせいか、顔を真っ赤にして上気させながら、アメリカは問う。
「…はぁ。」
何を言っているんだコイツ。
「にしっても珍しいなあ!!イギリスが自分から呑もうだなんて!!」
アフタヌーンティーなら耳タコだけどぉ、とアメリカは付け加える。
「けっ、貴方みたいな馬鹿は酔ったら何をしでかすか分かったもんじゃないですからね。」
ツンツンとした口調で喋り出す紳士、イギリス。それでも何処か砕けている雰囲気がするのは、親子の仲…とでも言うのだろうか。
「お、そんな事言っちゃって。この前フランスから送られて来た、酔ったお前がゴミ箱を口説いてる動画、肴には最適だったぜ?」
「…チッ、あのカエル野郎、本気で送りやがって…」
何時もの紳士さながらな態度はどこへやら、自身の醜態を思い出しイギリスはフランスに殺気を募らせた。そんな中でもアメリカは酒の注文を止めない。
「マスター、カルーアミルク頂戴。コイツには…適当に紅茶系ので。」
「あらあら、初っ端からデザートカクテルですか。飛ばしますねぇ。」
「甘いは正義だからな。コイツは何故か飲みたがらないみたいだけど。」
恐らくイギリスの知り合いであろうマスターに、アメリカは飄々と話しかける。
確か…モルドバ、とか言ったっけ。忘れたけど。
「お待たせしました。カルーアミルクとティースプモーニです。こだわりの品ですよ。」
「どうも…」
「おい、お前に頼んだ奴のカクテル言葉見てみろよ。『愛嬌』だってさ。お前に一番足りねえ物だぜウケる。」
「確かに、『我々には』一番足りませんね。」
「あ?俺には余る程有るが?」
「ほざけ。」
軽口を叩きながらも、二人ともかなりのペースで酒を進めていく。二人とも度数は低めだが、進めていく早さも早さ、況やバーの一角には、立派な酔っ払いが二人誕生してしまった。
「おやじぃかお真っ赤だぜぇ〜。それになんか三人いるきがする〜…ぶんれつでもしたのかぁ〜?」
「ばっかですねぇアンタはぁ。それは私がぶんれつしてんじゃなくてぇアンタの目がおかしいだけなんですよ。」
しれっと自分の事を親父呼びしている息子を置いておきつつ、イギリスはお勘定の準備をする。これでも一応奢るという契約はしているのだ。
「マスター、チェックで。」
「あ、宅飲みするのねぇ。」
腑抜けた声でアメリカが話す。
ここはイギリスの自宅。アメリカ達が独立してからイギリスと共に一人(一軒)寂しく佇んでいただだっ広い実家が喜んでいる声が聞こえなくも無い。
「あたりまえでしょう。まだ特に積もる話もできてないんですから。」
「あ、そうだな。おやじの恥ずかしエピソード、ここならもっと聞けるなぁ〜」
「私はもうはなしませんからねぇ。」
どしん、と昔ながらの革張りソファに腰掛ける。歩く度にギシギシ軋む床も相まって、何だかとても懐かしい気分だ。
「あ、そういえば。にほんさんとは最近どうなんですかぁ。」
「んえ………
あぁ、順調順調。」
アメリカはいつも通りの惚けた表情を崩さず、笑顔で答えてみせる。
たがイギリスは、変な所で勘が鋭い。アメリカが一瞬答えに詰まったのを、彼は見逃さなかった。
「…もしかして、何か変な事されでもしたんです。」
「え…別に…順調だってぇ。」
「嘘おっしゃい。さっきだって一瞬ばかり言葉を詰まらせたの、わたしは見過ごしませんでしたよ。」
「…ほんっと、きもいところで、しんけいしつなんだから。」
「こら、言葉を改めなさい。」
普段は無駄に大きい声でハキハキ喋っている息子が久し振りに俯いてボソボソ喋る姿に、少しばかり母性を擽られる。いや、私の場合は父性か?
「いや…されたとかじゃなくて…ほんと…アホみたいなことなんだけど…」
「あら、あなたがじぶんを卑下するなんて、よっぽどのことが起きてるんですね。」
「じ、じっさいアホみたいなことだから…」
此処迄遠巻きにされると気になって来るのが人間という生き物の性だ。笑わないか?と目で訴えかけて来るアメリカを優しく宥めて、笑いませんよと声を掛けてやる。
次の瞬間、イギリスは絶望した。
「なぁ…おやじぃ…俺って…”きゅーと”…なのか?」
「はぁ」
ここで冒頭に戻る。
「いや、べ、別に笑う意とかは無いんですよ、で、でも、そんな事…」
「ぜつみょうに気まずい返しやめろっ!!ならいっそ笑い飛ばしてもらったほうがいくらかマシだわっ!」
繰り返し言う。イギリスは絶望していた。
何故コイツが日本さんとのいざこざの話をすっ飛ばして自分に自らの事が可愛いか聞いてきたのかも分からなかったし、何よりアメリカという男は、とても可愛いとは言える見ためをしていなかったので有る。
我ながら自分は見目の麗しい方であり、その息子であるアメリカも当然、多少なりともは綺麗と言える風貌を有しているし、母性が湧く時もあるが、可愛いとは程遠い。男という感じの顔立ちに、200センチ近くある背丈、筋肉質な体躯。これを可愛いと言える人間は、ハ○ーキティやピ○チュウ等の世の中のありとあらゆる可愛い要素から悲しくも断絶されて生きて来た様な奴なのだろう。別にこれはディスっている訳ではない。唯単に事実を述べたらディスっぽくなってしまっただけだ。
「ちゃ、ちゃんと詳細はなすからぁ…だまりこむなよ…」
そこからアメリカは何故自分がこんな質問をするに至ったのかベラベラ喋り始めた。
「あのさぁ、ジャパンって意外とかわいいもの好きなの、知ってる?」
「はぁ…にゃぽんさんが好きなのは知っていましたが…彼もなんですか。」
「あぁ。んで、たまにかわいいざっかとか、俺にふつりあいなもん結構プレゼントして来て、そんくらいにはかわいいもんが好きみたいなわけよ。」
「んで、こっからが問題なんだけど…あいつ最近…事あるごとに俺に”かわいい”って、言ってくるようになったんだ」
「ひぇ…」
「だからそのひぇってのやめろって!!まぁ分かるよ!!こんなきんにくしつでデカくてなまいきで雄々しい男の事誰がかわいいなんていうんだよって!!おれも思ってるし!!でも言ってくるんだ!!アイツが!!」
泣き上戸なのか怒り上戸なのかよく分からないテンションでアメリカは語る。別に上戸でも無いのだけれど。
「このまえ俺がばんめしにカレー作ってやろうとしてやさいまでにこんだ後ルーをかうの忘れたのにきづいた時も、アイツ笑顔でかわいいって言ってきたんだ!!瓶の底がぬける感じのえがおで!!おまえの方がかわいいぞっていってやったら、クスクスって笑いながら『アメリカさんって本当可愛いですよね』って言ってくるんだぞ!!意味わかんねえよ!!」
「彼に行きつけの眼科を紹介してやりたい…」
「せっくすの時だって「ストーーーーーップ!!」
言わせませんよ、とでも言いたげにイギリスはアメリカの言葉を塞いだ。酔いもそろそろ冷めて来た今、何が悲しくて息子と息子の愛人の下の話題を聞かなければならないのか。イギリスは心で涙した。
「…聞いてくれるって言ったじゃねぇか…」
「聞きません。これ以上私のメンタルをズタボロにしてお前は何がしたいんだ。」
先程までの母性云々はどこへやら、イギリスは美麗な紳士から、息子の下の話絶対聞かないマンへと変貌していた。どんな進化だ。
「す、すこしだけ…言ったららくになるかもしれねぇし…」
「そんなヤクの売人みたいな台詞で迫られても私は譲歩しませんよ。」
「だって、だって…アイツ、俺の尻のあなの事おまんこって「ああああああああああああああ!!」
イギリスは雄叫びをあげながら静かに涙した。最悪だ。私の息子の尻の穴は愛人から女性器の名称で呼ばれているんだ。
「とにかく!!アイツがおれのことずっとずぅっっとかわいいかわいいって言ってくるんだ!!アイツの方がぜぇったい美人だしかわいいのに!!」
「惚気の過剰摂取で私今死にそうです」
「だからこんど改めてそのことについて問い詰めてやろうと「誰が何を問い詰めるですって?」
怖くなる程に澄んだ美しい声。アメリカの方を掠める細く白い手。
そう、お酒で楽しくなっているアメリカ達は気付かなかった。背後に忍び寄る影に!!
「じゃ、ジャパン!!」
「に、にほんさん!!」
「で、いつから聞いてたんですか貴方は…」
「いやぁ、ほんの最後までですよ。尻の穴の話くらいからです。」
「いちばんアウトなとこじゃん…」
ぬるっと現れた日本を、二人は質問攻めにする。一番駄目な所から話を聞かれていた事を知り、イギリスは天を仰ぎ、アメリカは一層赤面した。
「ふふ、二人が無事で良かった。あまりにも帰って来ない物だから、何かあったんじゃ無いかと心配していた所ですよ。」
「私とこの馬鹿がご心配おかけして申し訳ない…それにしてもどうして我々の家にいらして?」
「おい馬鹿っていうな」
「いやいや、もう時間帯的に宅飲みでも始めてる頃かなぁ、と。バーに居るにしては時間が長過ぎますし…イギリスさんは金銭感覚しっかりしてますからね。梯子するタチじゃ無いでしょう。アメリカさんもイギリスさんとなら宅飲みに切り替える筈。そう踏み切ってここまで足を運んだまでです。」
「ご、ご命答…」
「やっぱジャパンはすげぇなぁ」
あまりの図星加減にゾッとしながらも感心するイギリスに、吹っ切れたかのようにヘラヘラ笑うアメリカ。日本の勘の鋭さは、欧米諸国からのお墨付きなのである。
「それにしても…」
日本は突如恍惚とした表情を浮かべ、猫撫で声でアメリカに擦り寄る。
「イギリスさんに矢鱈と色々言ってくれましたね。私、今ちょっと怒ってます。ね、貴方のあんな事やこんな事、私だけが知っていれば良かったのに。私は外で貴方に組み敷かれていると思われて貴方は自尊心を保てる、私はこの醜い支配欲と優越感を満たす事が出来る。Win-Winじゃないですか。なのに言ってしまった。親族だからって油断してついつい零したんでしょうけど、私にとってはイギリスさんすら恋路にとっての立派なライバルです。貴方は人から執心され易いという事を良い加減に学んだ方が良い。私はそう思っています。」
「ひゃ…で、でも…」
「分からないんですか?ならば率直に申し上げましょう。単刀直入に言って貴方はエロ過ぎます。その豊満な肉体に性格に可愛らしい表情。私の方が可愛いだとか美人だとかおっしゃる貴方のその身体が私は愛らしくて堪らないのです。食べてしまいたい。今からだって帰路について家に帰るのが楽しみで仕方ない。親の前では見せられないどんな恥ずかしい事シてくれるのか私は期待で胸が一杯です」
「ひっ…♡そ、そこ、いまはさわらないで…」
「今は?では帰ったら触っても良いという事?流石、私のアメリカさん♡」
イギリスの心は凪いていた。先程まで号泣してたのが嘘みたいに。今は自分の発言をダシにしていちゃつかれた不満感すらある。息子が愛人に秘部を触られて喘ぐ様を見ても何も感じない。今日一日でかなり強くなってしまった物だ、と思案する。
「あ”ー可愛い…イギリスさん、息子さん持って帰っちゃって良いですか…?」
「どーぞどーぞ…どうかお好きになさって…」
ヤケクソにイギリスがお持ち帰り許可を出したのに対し、日本は婚姻が認められたかの様に喜んで、酒とその他の要因でトロトロなアメリカを意図も容易く抱えて持ち帰ってしまった。
日本は笑顔で帰路に着く。
「帰ったら、もっと良いコトしましょうね♡」
いつのまにか腕の中で寝息を立てている愛しい命に、何ともない様にポツリと告げた。
「あー…もしもしカエ…フランスですか?なんだか先程まで途轍もなく嫌な事があって…空いてたら飲みにでも行きません…?」
おしまい
コメント
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コメント失礼致しますっ! もっと伸びろぉぉぉッッ”