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何で?


衝動的に逃げようとしたが片方のヒールだけでは瞬時に動くことが出来ずにあっさりと竜基さんの腕の中に囚われてしまった。


「逃げないで」


「もう、私の役割は終わったんですよね。私は変われました今までありがとうございました」


「まだだよ今週一杯は契約中だ。君を解放するわけにはいかない」


「佳子さんとの事をまだ公にできないからですか」


竜基さんは驚いた表情になる。


「どうして佳子のことを?」


「昨日、佳子さんに言われました。竜基さんと付き合っていたこと、彼女が離婚したからやり直すことを」


竜基さんにキツく抱きしめられたため、逃れようと腕に力を入れて押しのけようとするがびくともせず抜け出すことが出来ない。


「確かに、昔付き合っていたことはある。でもそれは過去のことだし、今は彼女に対してなんの気持ちも無い」


「だったらなんであんな所で抱き合ってたの」


「マンションに押しかけてきて、部屋まで来られるのは迷惑だからエントランスで話をしていたら抱きついてきた。丁度その時に亜由美が戻ってきた。只それだけ。俺は亜由美が好きだから、亜由美との生活空間に他人を入れたく無かったから志摩に対しても怒りを抑えられずおふくろに話をして志摩の両親に抗議をしたよ」


ん?今、好きって言った?


「え?竜基さんは私のことを」


「好きだよ」



「それなら契約って更新可能ですか?」


竜基さんは抱きしめる腕を緩めると私をベンチに座らせてから膝をついた。



竜基さんが膝をついたことで目線が下がり違和感のあるものが目に入った。

ポケットからヒールが飛び出している。


竜基さんは靴のない方の足を膝に乗せるとハンカチを取り出して優しく足の裏を払っていく。


「ハンカチ、汚れちゃいます」


「ハンカチはそのためにあるんだから」

そ言ういうとポケットから靴を取り出して

「マンションの前でシンデレラの靴を見つけたんだ」といって微笑みながら靴を履かせてくれた。


「契約のことだけど、俺の望みとしては無期限で自動更新がいい」


「はい」


「部屋に帰ろう」


両足に無事に靴はそろったけど、広い背中に背負われながら三日月の下を歩く。


「重くない?」


「全然」


「ごめんね」


「俺のほうこそ、それよりも月が綺麗ですね」


有名なフレーズだ、たしか答えは

「死んでもいいわ」

そう伝えて竜基さんの耳にキスをした。

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