皆さまこんばんはねこねこマンでございます。
作者は今テスト期間なんですけども、、、現実逃避と行きましょうか!!!!いや〜手がよく動くなぁ!!!受験生なのになぁ〜!!!
今回は味をしめてまた、エーミールさんのお話です。
注意
⚪︎これは我々ださんの二次創作です。
⚪︎転生パロです。
⚪︎解釈違いが起こりましたらすぐにお閉じになり大爆笑してください。
⚪︎ゴイリョク?なにそれおいしいの?٩( ᐛ )و
それでは、ゆっくりして行ってね?
視点 エーミール
普通の学校の普通の放課後。なんてことないその気が抜けるほどの平和な日常の図書室。ふと歴史書をとりパラパラと雑に読み進めていく。いつもなら、歴史書など見はしない。いつもみるのは昆虫図鑑や理論書などだ。だが、その日は何故かその歴史書を手に取り立ったまま読み進めていた。随分と古いその本はどうやら出版社が出した物でもはないらしく色々な授業でも聞いたことのない歴史が綴られていた。でも何故かそれらには興味をそそられなかった。流し読みだけしていたらついには最後のページに行き着いてしまった。最後のページだけは何故か一文だけ。普通なら気にもとめない最後の一文なんかに目が釘付けになった。
〝今のお前の日常は随分つまらないんやな、エーミール。〟
エーミール。それは自分の名前だ。
いや、私の名前はアルベルトだ。
それよりも日常がつまらない?
あぁ、きっとあの人が書き出したんだ。
あの人?
誰だ?
どうして、今自分の脳裏には見たことのないフードの青年が思い浮かぶ?
何故、金髪がチラつく?
何故、ペリドットがルビーのようなあの瞳ががチラつく?
頭痛がひどく襲いかかる。そういえば最近濃い茶色の髪がまるでミルクを足したように色が薄くなり、同じく鏡に映る濃い茶色の瞳が白眼に近い白に見えることがあった。散らばっていた点と点が次々につながっていく。
そうして次の瞬間。
酷い目眩と共に全ての記憶が再び流れ出す。ひどく歪んでいてそれでいて愉快だった軍人としての記憶。あの人たちと過ごした記憶。
あまりの目眩と共に気を失った。
次に起きたのは保健室のベット。部活に入っている生徒が何人か帰り始めた頃に目が覚めた。正直目覚めは最悪。記憶は混乱するし、倒れたからか体が痛いし。でも、すっきりしていた。今までどこか物足りないと感じるその全てに納得した。きっと、あの人たちもこの世界にいる。きっとまた馬鹿をやっている。ならば自分もその馬鹿なことに入れてもらわねばならない。
さぁ、まずは、あの頃の旧友であった彼を探そう。あの黒色はきっと最初から記憶がある。邪悪な笑みを浮かべる我らが総統に見つけてもらわねば。
(いや、確にすぐに出てきてくれればありがたいと思っとったけど!!!)
運がいいのか、悪いのか。前世の記憶を思い出してから一週間後の休みの日。行きつけの喫茶店で課題をやろうと訪れれば他に席がなく相席になった。別それ自体はいい。だが目の前の人物は、ブロンドな髪に赤い瞳、黒いメガネと堅苦しい黒い制服のような服を着た自分と同い年くらいの少年だった。
そう、グルッペンさんだ。
もう一度言おう。あの戦争大好きおじさん、五歳児、蛮族、であるグルッペンさんだった。
(は????唐突すぎません???私これどうやって言えばいいんや。え、てかこの人ほんまに記憶ある??なかったら私ただの頭がおかしい奴やないですか!!!)
そう心の中で叫び散らかすが今更何を嘆こうがどうにもならない。前世の記憶から全く同じその整った顔はやはり邪悪の根源であるグルッペンさんで間違いなかった。
意を決して声をかけてみることにした。
「えっと、久しぶりやね?グルッペンさん?」
しばらくの沈黙が続く。読んでいる本から顔を上げた彼は一瞬驚いた顔をしたと思ったらすぐにそれは消えて不思議だと言う顔をした。
「すまない。私は貴殿と会ったことがあっただろうか?」
「は?」
思わず、結構な音量で声が出てしまった。もしかして記憶がない?え?まじですか?
「えっと、記憶ないんですか?それとも私だけ忘れてるとかですか?そしたら大分腹が立つんですけど、、、」
「……私は記憶力がいい方なのだが。ふむ、やはり思い出せない。人違いではないか?」
「嘘やろグルッペンさん、、、ほんまに覚えとらんのです?いつもの愉快部ではなく?」
「あぁ。」
いや、いやいや。どこに相手のことを貴殿なんて呼ぶ男子高校生がいる!!!!と盛大なツッコミが頭の中でされる。記憶のない彼からすれば完全に今の自分は頭のおかしい奴だ。まさか本当に人違い?でも、嫌と言うほど関わってきた自分が、旧友の自分が間違うだろうか?
改めて見てみてもどこからどう見ても彼だ。ティーカップを持つ時の癖も本を読む時一回眼鏡をあげる癖も全て彼のまま。知らないと、初めましてだと言う彼に違和感を感じて拭いきれない。
ふと、彼とのさっきの会話を思い出した。
『嘘やろ、、、ほんまに覚えとらんのです?いつもの愉快部ではなく?』
『あぁ。』
私たち仲間はよく使う愉快部と言う言葉。別にこれと言って珍しくもないその言葉はこの生ではまだ一度も聞いたことがなかった。でも、彼は瞬時に当たり前かのようにその言葉を理解した。私が知らないだけで普通にみんな使っているのかも知れない。でも、それでも、それだけでなぜかわかってしまった。隠そうとしている。記憶があるはずの彼が同じく記憶のある私に自分は前世の記憶があることを隠している。ということを。
「何故隠すんですか?」
「……貴殿とはこれが初めましてだ。」
記憶の中にあるギラギラと眩しいほど輝くルビーは静かに下を見て光などなかった。本を鞄に仕舞い。出て行く準備をする。ウェイターにお金を払い席をたとうとしていた。
『俺はどうしても思うことがあるんだ。』
そう言い、珍しくも弱々しい声をあげた彼は総統室でついうたた寝してしまった私が起きているとも知らずに話しかけてきたことを思い出した。
『お前達が死んだ時。その時は俺のせいだろう。軍人に誘い。戦争を日常にさせた。もちろんお前達はそんなこと俺に言わないだろう。だが、それでも普通に暮らして、いつ死ぬかもわからないここで体のいたるところに傷をつけることが無かったのではないだろうかと思ってしまう。』
『怖いんや。お前らが死ぬのが、、、』
普段見せない訛りを出し、弱音を吐く彼に何も声をかけてやることが出来なかった。
もし、この男が今それを理由に縁を切ろうとしているのなら。
もう、自分達を関わらせまいと距離を置こうとしているのだとしたら。
席を立ち、歩き出そうとした彼が別れの挨拶をするのを遮るように強く机を叩き立ち上がった。
視点 グルッペン
最初から決めていた。もう一度彼らと会ったその時は関わらないと。物心がついた頃には記憶は全てありわかっていた。今度こそは彼らに普通の、当たり前の平和な生を歩んで欲しかった。だから今日エーミールと会い、そして奴も記憶があると知っても、自分の心の欲から目を逸らしその場を移動しようと思ったのだ。
最後に、別れの挨拶を言おうと思った。でもその声は思いっきり叩かれた机の音に遮られてしまった。驚き、固まっていたらしっかりと腕を掴まれ逃げられなくされていた。
「貴方は、何を勘違いしているのか知れませんがあの生で平和に、普通に暮らしたいなんて私達は思ったことなどありません。貴方の、、、いや、お前の隣に、側に、後ろに、つくことを、いることを決めたのは〝俺達〟だ!!そこに後悔も屈辱も感じたことなど一度たりともあらへんわ!!お前を我らが王たれと、決めて、着いてきたのは!命をかけても守ると決めたのは!俺達だ!!!お前に選ばされたわけでも、そうするしか無かったわけでもなんでもない!!自惚れんなや!!自分のつまらない考えで一線を引こうとするなんてあの人たちに笑われる!お前は、俺達の王やろ!!〝グルッペン〟」
掴んでいる腕に力をいれる。珍しい敬語なしで、自分の事を呼び捨てにする旧友だった男はその真珠のような瞳に怒りを灯していた。
あぁ、自分の心の中の欲が溢れ出す。
ほしい。この男が。
あの歩く知識の倉庫が
あの穏やかで自己犠牲の塊が
前世で過ごした彼らが
あの歪んでいながら愉快で幸せだった日常が
あぁ、そうだ。己はどこまでも強欲だった。そんな自分の欲しいものが「お前のものになってやる。」とそう言っているのに、我慢などできようものか。
「なんや、ようやく元に戻ったんやね?グルッペンさん。」
「あぁ、我が旧友エーミール。あいつらを探し記憶が無かった事を存分に煽ってやろうではないか、二人で!」
「ふふ、そうやね?〝いつもの〟仕返しにいっぱい煽ってやろうやないか。グルッペン!」
真珠色の瞳とルビーの様な瞳がギラギラと眩しいほど輝いた昼下がり、ここを喫茶店と忘れていた二人はすぐにはっとして急いで店を後にした。
「そう言えばお前どうやって思い出したんだ?」
「私の書いた歴史書が私の学校にあったんです。その最後のページに多分やけどゾムさんが書いた文章があってですね?」
「ほぅ。」
「それでこう、今まで感じていたら違和感とかそういうのが繋がって記憶が戻りました。」
「なるほどお前も私より思い出すのは遅かったわけか。」
「はい?なんやその顔、、、」
「いやー!随分とドヤ顔でしゃべるものだから私よりも早いと思ってただけだゾ?」
「は〜?人が起きてるのも知らずに弱音を吐く貴方に煽られたく無いですけど?!」
「あぁん?!てめ、このハゲ茶瓶あの時起きてやがったのか!!!」
おまけ(ゾムさんがメッセージを残した理由)
「私達来世でもなんだかんだで集まってそうですよね?」
穏やかな物腰で椅子に座りながら紅茶を飲んでいたエーミールが突然そんな事を言ってきた。
「キモいけど、わからなくもないな。」
「はは、そうですよねぇ。」
「グルッペンは絶対戦争したがるやろうな。」
「そうですね。でもこう言うのって記憶がないのが相場ですよね?」
「あぁ、せやな。じゃあ、思い出せんかったら終わりやな。」
「まぁ、グルッペンさんは覚えてそうやけど。」
「エミさんは忘れてそうやな。」
「うっ!、そう、思います?」
「おん。」
酷いわ〜、、、と言いながら食器を片付けに行くエーミール。机の上には彼が作った歴史書と言う名の自分とは一生縁のないものが置かれている。
いや、まぁ指差し確認は大事やしな。
近くにあるペンで最後のページじにサラサラと文字を書く。恐らく今のことなど忘れて、普通の平和すぎる日常を送っているであろうあの教授へちょっとしたヒント。
「俺が忘れとったらお前が迎えにきてな?」
誰もいない部屋にゾムは一人ごちた。
最後までお読み頂きありがとうございました!また次の作品でお会いしましょう!!
コメント
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この続き見たい!
グルさんエミさんを歩く知識倉庫って可哀想やろwww
歩く知識の倉庫w