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ピッ ピッ ピッ
何、波の音の次は機械音?
あぁもう本当にうるさい
微かに話し声が聞こえる。誰がいるのか確認するだめ、私は重い瞼を開けた。
「あっ!母ちゃん!今こいつ動いたぞ!!」
あ、あの時聞こえた声と同じだ。
「馬鹿か病院ででかい声出すんじゃないよ! 」
「か、母ちゃんもじゃねぇか💧」
「え、ここ。」
「おっ!目ぇ覚めたのか、お前!」
ここ、病院だったんだ。
「あんた、海岸に倒れててこの子が見つけたんだよ」
「あ、ありがとうございます」
「寝不足と疲労で倒れたんだって。 それで?あんた名前は?なんであんな所に1人でいたの?」
「その、私なにもわからなくて…」
「記憶喪失ってやつか!俺初めて見た!」
「今警察にも調べて貰ってるんだけど、身元がわからないって」
「そう、ですか…」
「俺んちに来ればいいんじゃん!」
男の子はキラキラと輝いた目をしながら言った。
「え、」
「家もわかんないんだろ?俺、場地圭介!」
場地圭介?どこかで聞いた事…
ズキンッ…
やめとこう、また落ち着いてから考えよう。
「あんた何勝手に言ってんの!!」
そうだよね。私みたいなどこの誰かわかんない人間、家に居座らせるなんて…
「この子が可哀想だろ!お前と一緒の家なんて!」
え、そ、そっち?
「なぁ!いいだろ!」
チラッ
私は場地圭介という男の子のお母さんを見て、顔色を伺った。
「あんたがこの子と一緒で良ければ、家においでよ 」
「本当に、良いんですか?」
「もちろんさ!」
「私、自分が誰かすらわかんなくて、ずっと不安で… 本当に、ありがとう…ございます泣」
「ちょっ、母ちゃん泣かせんなよ!」
「あ、あたしのせいかよ!💦」
「あははっ笑」
今までの緊張が解けたのか私は笑みをこぼした。
「あっ笑った!笑った方がいいよ!お前!」
「その、お前って言うのやめろよあんた💧」
「あ、名前…どうしよう」
「記憶が戻るまでの名前考えたらどうだい?」
「えっと、」
どうしよう、名前…名前…
「な!”うみ”ってどうだ!?」
「うみ?」
「海岸で会っただろ!だから!」
「そんな安易な💧」
「うみが良いです」
「そっか、じゃあそうしな笑 」
「はい」
それから2日後に私は退院して、今圭介の家に住む準備してます。
準備が早いな、場地家