テラーノベル
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~ 焦点 ~
ある日を境に、視界の隅に「何か」が映るようになった
それは黒いモヤのような、あるいは人の形をした影のようなものだ。
最初飛蚊症かなにかだと思って放っておいた
だがその「影」は日に日にくっきりと、そして確実に僕の中心(焦点)に近づいてきている。
横を向けば影も同じ速度でスっと移動するし
鏡を見れば、僕の肩越しにそいつが立っているのが見える。
ネットで必死に調べると、ある不気味な書き込みを見つけた。
『それと目が合ったら終わり。視線を逸らし続けろ。』
僕は恐怖で、常に視線を伏せて生活するようになった。
だが、そいつは卑怯だ。
僕がスマホを見れば画面の端から、食事をすれば皿の縁から、指先ほどの小さな顔を覗かせてくる。
そして今、これを書いている最中。
キーボードを叩く僕の指と指の間から、「生爪の剥がれた指」がスルスルと伸びてきて僕のまぶたを無理やりこじ開けようとしている。
抵抗して目を閉じようとしたが、耳元で女の声がした。
「………やっと、こっち見た」
いま、あなたの目の前にある、スマホやパソコンの画面。
その反射した自分の瞳の中を、じっと見てみてください。
僕と目が合っていませんか?
コメント
31件
おれはなにもみてない、
真っ黒なんで,何も見えないんです。