テラーノベル
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さぁて、一次選考やねんけど、裏方も中々大変や。まず、慣れへん上に広くて似たような光景が続く施設やから迷子が多い。スタッフでさえ迷うやつは多い。俺はアンジェラが案内してくれるからええんやけど、選手とスタッフ含めセフィラたちが頑張って案内しとる。案内担当はアンジェラにすべきかもな。
[あぁ、もう!またです!士道龍聖がまた暴力行為を!今度は食堂です!負傷はまだ軽いですが、急いでください!]
あと、問題が多い。ストレスや元の性格が影響して、暴力沙汰がある。特にどっかの棟には士道龍聖がおるから、イェソドは相変わらず怒るが、ビナーは面白がっているし、最初は怒っていたスタッフ達はもはや呆れて、いつも通りに対処しに行くように。だが、これ以上問題が起きるならゲブラーにぶん殴りに行ってもらおう。選手の特殊なスーツには細かな機械が沢山付いていて、その中にゲブラーを筆頭にセフィラが暴力行為者に対処しやすいように、スーツに触れたホログラムに反応して、吹っ飛ぶ機構がある。なので殴られた側は、セフィラに殴られたように感じたり、触れたように感じる。まぁ、普段はセフィラから接触などしないし、主な接触部位である手や足にはスーツの裾は伸びていないので気づくことはあまりないが。
ストレスはホドが直接減らすようにカウンセリングするし、道具や植物を使って緩和をするのはケセドとネツァクの役目だ。ホドには担えない何かがあるんなら、ネツァクに積極的に行くよう話すか。
アドバイスも意外と頭を抱える。まず、最初は実践していたが、実力者が居るからあんまり発揮できひんから信用せぇへんようになったやつとか。すぐすぐ出来るわけあらへんやろ。赤の女王仮説知らんのか。ハートの女王の法律読ましたろか?
「その場に留まるためには、常に絶えず全力で走り続けなければならない」
やで?諦めることは停滞や。すなわち、停滞とは衰退なんや。
ったく。俺もサッカーをするので、全員が寝静まった夜にボールに触れることは多い。あと、夜遅くまで練習する体の負荷を考えないバカもおるからや。見回りも大切である。それが何かしらの意義を持つなら見逃すし、イェソドとビナーが見とるからなんか問題あるならアイツらが連絡してくる。やけど、がむしゃらにひたすら量をするのは体の負担が大きいし、身体を壊す
まぁ、スキルのおかげでアドバイスはそれなりに細かくできているつもりだ。特に潔や蜂楽達チームZは結構実践してくれるので教えがいがある。おかげで、あのチームがどんだけ変なことしてもなんか可愛く見えてきてもうた。あかん、育成ゲームにあるあるのうちの子可愛ええが発動してもうてる。しゃあないやん。可愛ええんよ。凛とか、プレイを否定せぇへんかったら意外と実践してくれるんよ。トレーニング内容の提案も結構見て入れてくれる。んがわいい。あかん可愛ええ。やっぱうちの子はええなぁ。あ、あかん、あの子らうちの子ちゃう。青い監獄の子や。
そうそう、この青い監獄、結構予算があるみたいで、スタッフには連絡用の無線やったり道具やったり、俺とか清掃員、備品管理担当の人とかは特別なタブレットが配給されている。ビナーやホクマーを筆頭にセフィラたちからまとめられたタスクが送られてきたり、チャットで連絡が来たりと中々楽である。
管理は結構簡単ではある。大変だが、内容は簡単だ。設備の異常や不足はセフィラたちが確認して俺たちに連絡するので点検も特に必要ない。
選手らやけど、一次選考は結構順調。選手達は成長しとる。だが、圧倒的な実力者が率いるチームは他の選手が怠慢してまう。二次選考は個人技が光りやすい。人数が多ければ協力がメインになるんやけど、少なければ個人技に頼らなあかん…逆に言えば、11人という、協力プレイがメインになる人数の中、一人で勝ち進めることができる実力者がおかしいんよな。でも、まだ弱い。つーか弱すぎや。
まだまだ足りひん。意欲的なん助かるんやけど。
夜の警備を済ませ、持ってきたアンダーウェアと動きやすいジャージの短パンを着る。キャップじゃ、横から顔が見えるので、麦わら帽子を深く被る。バイザー部分が曲がっていて顔を隠せる。動くから、あご紐付きや。
片手間で選手やアドバイスについて考え、タブレットのデータを見ながら、人工芝が敷き詰められた練習用の部屋でストレッチと体操をする。俺の体は昔から鍛え続けとるから、フィジカルもある。ただ原作の烏とは違ってちぃと背が低い。原作の烏は183cmなのに対し、俺は180cmきっかりや。
俺の体は結構柔くてそういう体操選手並である。体操とストレッチを済ませて、ボールの準備をする。
俺は超越視界と英雄王の真眼そんで、やっとこさ常時発動できるようになった掌握者。ソロモンは負荷が大きいのであんまり使わない。ただ、ギルガメッシュ王のスキルは過去を見て未来を予測するものに対し、ソロモンのスキルは未来を観測する。つまり予測とは違って正しく未来予知のようなもん。常時発動しているスキルやから、広範囲なのも相まって結構気配に気づける。
やから、こっちを見とる誰かにも気づくわ。この棟は潔たち主人公の棟と気配の感じ的に千切かな。俺を見てもなんの意味もないけどな。
試合中を想定し、目を瞑ったまま動く。ボールをキープして、フィールドの半分進んでロングダイレクトシュート。もっともっと動いて、もっともっと楽しむ。
いつものサッカーは本気を出せない。本気を出せば誰もついて来れない。スキルで強化されているところに俺自身のスペックが加わるからな。だから普段は俺の共存と共存、高め合い向上のサッカーを優先してて、仲間を成長させてるからあれやけど、想像ん中やと、結構気にせず動ける。まぁ、本気を出すのはせぇへん。今回は観客がおるから。王様としての実力は出されへんから結局抑えなあかんけど。ブルーロックの選手たちよりかは少し強いくらいの実力に抑えておく。
あっちの気配は少ししたら消えた。何したかったんか分からへんけど。
気にせずボールを蹴る。どんな体勢、距離、状況からでもシュートを決めるのが俺の強みである。士道龍聖みたいな強みやけど、あれはペナルティエリアのみっていう広さが限定されてるし、身体能力は俺の方が上やから、実質士道は俺の下位互換みたいなもん。まぁ、俺も学ばせてもらうことは多い。俺も結構身体柔いから、士道の動きを見て思いついたのを実践することは多い。まぁ、映像を見返すとかなりの新体操染みた動きをする。中々変な動きをするので、予測不明故に裏をつけるから良いんだが、仲間と合わせるのはむずいな。冴が居るなら遠慮なく出来るんだけど、あいつは俺の動きがわかってても俺に着いてこられへんからな。しかも俺が手加減した状態じゃないと、俺の動きが分からへん。
3時間のお遊びを済ませ、片付けて、スタッフだけの中央棟の階層に戻り、風呂に入り、寝る。ネツァクたちもこの時間に起きている選手はいないらしく、ほとんどのセフィラ達はスリープモードに移行しとる。起きてるのは夜間警備のスタッフと警備管理担当のネツァクとケセドくらいか。
寝る前にセフィラと少しチャットで話す。
「なぁ、ネツァク」
{んぁ?なに}
「ストレス緩和の植物、もう少し量増やした方がいいかもしれん。設置場所も増やそうか。」
{最低でも2日待ってくれ。あと少しで成長しきる植物がある。}
「わかった。待っとる」
よし、日課の本読んで、寝る。
数日
色々アドバイスのメモ届けたり、清掃したり、セフィラと軽く談笑したり、最終戦を待つ。そんで終わった今日。セフィラたちが二次選考のための会場である地下の大広間に連れていく。
[みなさーん、こっちです。しっかり着いてきてくださいね。]
[こっちよ!早くして!]
[ダメだよ、ティファ。皆さん疲れてるんだから]
[皆さん、こちらです。]
[ちゃんと着いてこいよー、探すのめんどいぞー]
[皆さん、はぐれないように来てくださいね!]
二次選考はライバルリーバトル。チームを結成し、勝った方が負けた方の選手のひとりを奪い、負けた方は減った人数でステージを下がる。最後の1人になれば脱落。5人を形成すればゴール、三次選考に進める。ただそれだけの選考。だが、およそ100名を超えるこの人数のうち、ほんの三十人程度までに減らされる。
ここから脱落者が加速する。セフィラたちにストレス緩和、軽減の質をあげてもらわないとな。
正直、中々面白いことになっている。特に青い監獄は青、なんて名前がつくくせして、赤の女王仮説を体現する施設。
「その場に留まるためには常に絶えず全力で走り続けなくてはならない。」
この青い監獄では、停滞とは衰退であり、衰退とは脱落であることを示している。だから、止まることはほとんど許されない。止まれば終わるから。
さっさと二次選考を終わらせろ。期待しとるで、俺が面倒を見てやってんから。
「あ、そうそう、説明は君が行ってねー」
「…は?俺ですか?」
「そうそう」
「…本来の姿で行ってきますわ。」
まさかの絵心さんから説明を任された。絵心さんが普段映像で話している前に座り、王冠とマントをいつも通り被って、着る。
動画が繋がる。
「やぁ、初めまして、になるんかな。ここの総支配人、絵心さんから頼まれて来た、王様やで。知っとる人多いやろうけど、自己紹介はするな?ちゃんと聞いててな。俺の名前は烏旅人、まぁ、せやなぁ、それなりにサッカー歴長い18歳や。俺について知っておくのはこれだけやな」
{烏旅人って…日本サッカーの王様って呼ばれてる…}
映像越しに聞こえる声。俺の正体を言い当てたのは二子一揮
「お、俺の異名当てよったヤツおるなぁ。ええと、二子一揮…かな。ありがとな、俺の事知っとって」
{えっ…あ……え?}
「あっは、混乱しとる。名前知らんと思っとった?俺はこの青い監獄に期待しとるからさ。前々からここの指導役として居ってんよ。まぁそこは置いておいて。皆には悪いけど俺の我儘に少し付き合ってな。…すぅ……鈴燈愛葵。聞こえとるな?お前は俺の相棒やねんから、生き残っとるよなぁ?ちぃとばかし説教させてもらおか。」
{ひぇ…っ……}
「俺が怒っとるは簡単やねん。俺さ、こんな楽しそうなプロジェクトのこと、話さへんかってん。俺、ここのこと知った時、すごく面白くて、楽しかってんよ?こんなわくわく味あわせてくれへんなんて…お前は許されへんなぁ?」
「あの、烏さん…」
「ん、すまん、帝襟さん。鈴燈、お前は二次選考突破しろ。王からの直々の命じゃ。その時の結果次第でこの怒りも少しは収めたるわ。」
{ぁりがとうございます……}
「…返事は」
{{{はい王様!}}}
「俺への礼儀を忘れとるやつがおらんようで何より。」
少し怒りをぶちまけ、手心かけて可愛がった子らが俺への礼儀を忘れてないことに少し気をよくしてやる。
「さて、二次選考についてやけど。しっかり聞いておくように。まぁ、王の言葉を聞き逃すなんて言う愚行をするやつはここにおらへんやろうけど。では〜」
適当に二次選考について説明し、さっさと切って離れる。
潔世一side
一次選考をチーム全員で越え、二次選考が始まるまでボールに触れずにひたすらトレーニング。そんで、一週間以上経った時、マルクトさんの放送が流れる。
やっと二次選考らしい。そして、会場へ、本日の担当だった、ネツァクさんに案内してもらい、着く。
けど、そこに居たのはチームVやW等俺たちとおなじアルファベットの奴らが揃っていて、皆やつれている。
絵心が話すには、壱から肆号棟のやつなどいないらしい。軽くそこら辺の話をしたあと、映像が切り替わる。絵心に代わって説明するらしい人が映る。その人は何度も見てきた人だった。日本でサッカーをする人なら知っていると、個人的に思っている選手…見慣れた花が絡んだ王冠と赤地に白のふわふわが着いたシンプルなマントを被った、黒の髪、さらりと下に降ろされていて、短いながらも、綺麗な毛艶がある。そして、紺色の瞳が優しく、儚げに微笑まれて、口が開く。
名前を、烏旅人。日本サッカーにおいて、王と称される圧倒的な実力派選手。
二子が異名を当てると、王様はふっと満足気に笑って二子の名前を呼んだ。異名を当てられたのが中々嬉しいらしい。
そこからまぁ、王様から直々に命を受けた相棒さんとか、しっかり礼儀を尽くしたチームメイトたちに気分をよくする王様が居たが、ここから二次選考が始まる。
それはそれとして、二次選考は何が起こるのか分からないからか様子見しているのと、同時に、王様に画面越しとはいえ、しっかり認知して挨拶してきたことに感動している。いわゆる推しにファンサされたオタク並みである。二子とか見ろよ、顔覆って、膝ついてぷるぷる震えてるぞ。よく聞いたら「オシ…オシトウトイ…」って言ってるぞ。どこぞのキングとか、足速眼鏡とか、語彙失ってたり、御曹司とか無気力天才とかは表情はきりっていつも通りだけど、ふるふる震えてたり。
中々時間がかかりそうだ。
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成り代わり烏
スタッフとして裏方に居たけど、選手のやる気やら目標やらのために絵心さんにより表に1回出された王様。
士道龍聖の実質上位互換的立ち位置だが、あんまり表に出さないので誰にも知られていない。結構好きなように動いているが、選手たちほどではないし、資金的な問題は特にないので好き勝手やらせてもらえる。
サラッとソロモンのスキルを常時発動できるようになっている無法スキルによる無法スペックが更なる無法へと進む。
育成ゲームあるある(作者の個人的)の、うちの子(育成キャラ)可愛ええなぁが発動しているので、プレースタイルも相まって、チームメイトや青い監獄キャラが可愛く見える。可愛ええなぁ。あと、サラッと選手たちを硬直化させた。ファンサービス精神が強い。ちなみに今日から特別強化合宿がある。
千切豹馬
レッドパンサーことお嬢の名で知られる足の速さ自慢の選手。時系列的には足の怪我を前向きに捉えて走れるようになって、チームV戦前くらい。あまり走ってなかったので、ブランクを戻すために走り込みがてら棟を彷徨って、いい感じの練習場に向かっていたところ、練習場に居た青い監獄選手じゃなさそうな人を見た。11人が走り回ることができる実際のフィールドの広さである練習場で、フィールドの半分からロングダイレクトシュートを決める圧倒的なシュート精度に目を奪われた。足の速さだけじゃ何ともならないことに気づいて、別のところに行った。
潔世一
王様も推しなので内心テンション凄かったが、二子の反応がガチのオタク感強くて面白くて意識が戻り、どこぞのキングやらきんに君やら我儘お嬢やら無気力天才やら御曹司やら足速眼鏡とか、相棒のブンブン蜂さんが挙動不審で完全に冷静さを戻した。
第3話 あでぃしょなるたいむ
「小さき原石の評価」
兄ちゃんは 世界一優しい。
兄ちゃんは すごく負けず嫌い。
兄ちゃんは サッカーが上手。
だから、いつもあの王様に勝つためにサッカーをしてる。
あの王様、雑誌っていう本にも出てる。サッカーも上手。兄ちゃんはいつも悔しそうにして、その日ばっかりはいつもより長くサッカーしてる。たまに王様がやってきて、俺の相手をしてくれる。
王様は すっごく優しい。
いつも頭を撫でてくれる。王様が兄ちゃんに勝つと、その日からしばらくは兄ちゃんがサッカーに熱中して、俺に意識が向かなくなることが多い。だからその時は王様が俺の相手をしてくれる。本を読んだり、ボールを軽く蹴ったり、勉強を見てくれたりする。
王様は 世界一器用。
王様が手作りのお弁当をくれる。兄ちゃんにもくれた。美味しい料理がたくさんで、お母さん程じゃないけど、すっごく美味しい。
王様は 兄ちゃんが好き。
王様は兄ちゃんの事を、凄いってよく言ってる。あのチームを引っ張って、良くやってるって。兄ちゃんも、少し嬉しそうにするし、たまに、兄ちゃんが王様にたくさん褒めてもらってる。
兄ちゃんも 王様が好き。
兄ちゃんは王様を見て、サッカーを始めた。兄ちゃんは王様と一緒に戦り合うのが夢だって言ってた。兄ちゃんは王様がすごく好きで、俺に王様は凄いって何度も言う。 家に帰っても、王様の映像を見て、こっちの声に気づかない。
俺も 王様と兄ちゃんが好き。
兄ちゃんはいつも優しくて、頭を撫でてくれて、俺が甘えても、ぎゅって抱きしめてくれる。
王様も、優しくて、俺の好きな物を作ってくれるし、甘えたらにこにこ笑って、抱きしめたり、頭を撫でてくれる。兄ちゃんに甘えるのが、何となく嫌で、俺が泣いちゃっても、王様は優しく笑って頭を撫でて、膝を貸して、兄ちゃんやお母さんとお父さんから隠してもらえる。兄ちゃんとか喧嘩しちゃっても、王様が俺と兄ちゃんに一緒に怒って、一緒に抱きしめて、頭を撫でて、一緒に笑って、美味しいものをくれる。
俺と兄ちゃんが喧嘩して、しっかり仲直り出来た記念日だって、俺と兄ちゃんの好きなものを作ってくれた。そういう記念日の日は、王様がお母さんとお父さんに話してるみたいで、2人ともにこにこ笑って記念日として毎年書いてる
コメント
1件
うわっ、この第7話、めっちゃ面白かったです!烏旅人の王様キャラが最高ですね。「うちの子可愛ええ」って育成ゲーム感覚で選手見てるのがもう愛おしいし、二子が推しにファンサされて震えてるのとか潔の冷静な分析とのギャップが笑えました。赤の女王仮説を青い監獄に当てはめる解釈もカッコいいし、冴の弟視点のパートでまた違った人間味が見えたのも良かった。次が楽しみすぎます!
そ 。
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44
Mami
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