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義勇目線
一応キメ学軸。錆兎が高校1年生になってます。何でも許せる方向け
休憩時間、階段の1段目に座り、ぶどうパンを虚しくかじっていた。
「義勇、また1人でこんなところにいるのか?」
顔を上げると、宍色の髪色の青年、錆兎。
一応昔からの親友だが、学校では 先生と呼べ と言ってきたはずだ。しかし、錆兎はそれを何事もなかったかのように無視して名前を呼んでくる。
ぶどうパンを飲み込むと、眉をひそめて錆兎を見つめる。
義勇「錆兎、何度言えばわかるんだ?学校では先生と呼べって言っただろう。」
俺はそう注意するが、錆兎は気にもせず はは っと爽やかに笑う。
錆兎「ここでは先生だったな」
そう言いながら錆兎は俺の隣に腰を下ろす。
そんな様子の錆兎に俺はため息をつき、再びぶどうパンを噛み、飲み込む。
そして俺は錆兎に問いかける。
義勇「飯は食ったのか?」
俺の言葉を聞いて、錆兎は視線を俺から遠くに移し替えると、そこを見つめながら答える。
錆兎「…男なら、弱音を吐かず、我慢するものだ。」
心の中で、あぁ…弁当忘れたんだな、と思った。
俺は少し考えてから、食べかけのぶどうパンを錆兎に差し出す。
義勇「ほら、これでも食え」
なぜか俺の行動に少し耳を赤らめる錆兎に、疑問を抱く。が、すぐに忘れる。
錆兎「……まて、義勇。そんな、…間接キスみたいな…」
錆兎の言葉に一瞬戸惑ったが、隙をついてぶどうパンを錆兎の口に押し込む。
そして俺は錆兎の口を塞いで、無理やり食べさせる。
錆兎「ん゛、むっ…!??」
義勇「…飯はちゃんと持ってこいよ」
錆兎の唇の感覚を思い返しながら、そんなことだけ言って、俺は次の授業の準備のために職員室に戻る。
5時間目が終わった休憩時間、授業を終え職員室に入ろうと廊下を歩くと、女子生徒たちに囲まれた錆兎を発見する。
女子生徒A「錆兎くん…私と付き合ってくれませんか…?」
女子生徒B「私じゃダメ…?」
困りつつも爽やかに笑顔を作る錆兎。
錆兎「ごめんな、初対面の人たちとは付き合えない」
錆兎はそう言って教室に向かおうとするが、1人の女子生徒に抱きつかれる。
女子生徒C「そんなに冷たくしないで…ね? 初対面だからって振るの酷くない?」
一瞬目を見開く錆兎だが、すぐに平然とした顔に戻る。
錆兎「…君は付き合えても嬉しいだろうが、俺は全く嬉しくない」
そうきっぱりと言うと、抱きついてきた女子生徒から離れる。
錆兎「君たちはなんの感情も抱いてない人と付き合えて嬉しいと思うか?」
言葉に詰まる女子生徒を見て、他の生徒たちも躊躇いながら下がる。
俺はその光景を見守ると、やがて職員室に入る。
授業がすべて終わった後、下校途中の錆兎を呼び止める。
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