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4 - 第4話 大爆笑?まさかの入れ替わり編

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2025年09月21日

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Dandyの店の奥。埃をかぶった棚を整理していると、手のひらサイズの金色のコンパスのようなものが見つかった。


「…?なんだろうこれ…」


コンパスを持ち上げてみたり、軽く触ってみたりするが、ただのコンパスのように見える

Dandyは、皆を呼び寄せてアイテムをテーブルに置いた。


Astroは腕を組んで首を傾げる。

「そういう怪しいの、ロクなことにならないって知ってるよね?」

「心配しすぎだって!見たところただのコンパスだろうし!」


しかし次の瞬間、コンパスの針が勝手にぐるぐる回りだし、光が爆発するように部屋中を覆った。


――ぱちんっ!


光が収まると、そこには奇妙な光景が広がっていた。


「……え?」


首をかしげるのは、Dyleの体に入ったVeeだった。手足を見つめたり、顔を触ったり、軽く動いてみたり…


「はあ????」



「どうなってるの?!」


次に叫んだのはShelly。だがその姿はAstroだった。

「わ、私の体じゃない!?服も違う!あっちょっと浮いてる、どうしようこれ!」


shellyが慌ててバランスを崩すのを見て、落ち着いた声が響いた。


「……なるほど。これは入れ替わり現象ですね」


冷静にDyleが判断する。だが体はsproutという変わった状況。


「体の重心が低い……不思議な感覚です。歩きにくい」



「はぁ!? なんで僕、テレビになってんの!」


そこにいたのはVeeの体に入ったSprout。画面を慌ててぺちぺち叩きながら、アンテナをぐいっと引っ張る。


「これ、僕の顔どうなってる?!動きづらいんだけど!」



その横で、寝っ転がっているPebble。

……が、よく見るとPebbleの中身はAstroらしい。

「ワン…ワウ……」


「あー…あー……や、しゃべれてる?」


そこにはshellyの姿が。しかし中身は Pebble。少し声を出した後、楽しそうに動き回る。


「すごい!ぼくしゃべってる!はなしできるよ!」


Dandyはというと、ただ一人、自分のまま。

コンパスをひょいと指先で回しながら、涙を流しながらヒィヒィと笑い転げていた。

「はあ、面白すぎるよ!このコンパスは複数人いないと反応しないのかな?

…それで、今は、SproutがVeeの体で、VeeがDyleの体で、ShellyがAstroの体で、AstroがPebbleの体で、Dyleがsproutの体で、Pebbleがshellyの体…かな?合ってる?」


「ややこしすぎないか?!」

Dyle姿のVeeが、叫ぶように突っ込んだ。




「…で、どうしよっか?」


Astroの姿のshellyがそう困ったように述べる。

その横でvee姿のsproutがこう質問した。


「そのコンパス、また触ったら元に戻るって事ないの?」

「それが、全く反応無し!……でもまあ、少ししたら戻るでしょ!多分」


Dandyがおちゃらけたように述べた。


「多分??これで一生戻らなかったらどうするんだよ!」


そう言ってvee(中身sprout)は皆の方を指差した。

shelly(中身Pebble)ははしゃぎ回り、sprout(中身Dyle)はひたすら顔をムニムニしており、Pebble(中身Astro)は猫のように大人しく眠っており、Astro(中身shelly)はソワソワとしている。


傍から見れば奇妙な光景にしか見えない。


「ええ、面白いしこのままでもいい気がするけど!!」


「入れ替わってないからそんなことが言えるんだよ…」



「ねーせっかくだしあそぼうよー!ねー!!」


shelly(中身Pebble)がジャンプしながら皆にそう述べた。

しかし、皆自分の事でいっぱいな為、遊べるような雰囲気ではない。

…すると1人が吹っ切れたように椅子から立ち上がった。


「sproutの昨日の真似。

…よおし、クッキー完成!でもなんだかパサパサしてるんだよな…味大丈夫かな?

……ゲホッゴホッ!な、しょっぱい…?!あれ僕間違えて塩入れちゃったかな…?」


sprout(中身Dyle)が少し大袈裟にクッキーを取り出したり、クッキーを口にしてその後咳き込む様子までジェスチャーで表しながら述べた。


場は暫く静まる…が、その後爆発するように皆爆笑した。


「アハハハハ!!sproutそんな事してたの?!」


「フッ…フフフッ……やめて…笑う……


「ヒィ…ヒィ、ジェスチャーがまさにsprout本人過ぎるよ。」


そう笑い転げる皆を見て顔を真っ赤にするvee(中身sprout)


「な…!?確かに失敗したけど…というより見てたの?!!」


「フフ…たまたまそこを通ったら面白いものが見れました。」



皆笑いが止まらない。すると、また1人が笑いながら立ち上がった。


「はい!ちょっと前に見たAstroの行動やりまーす!!

…僕昼寝してくる……いてっ、…なんでここに壁があるんだよ…」

Astro(中身shelly)が眠そうにその場を離れようとするも、壁にぶつかるAstroの真似をした。


「あそれ見た!」


「ハハハハハ!!やめてもう笑い死んじゃうよ!」


「お、お腹痛い…アハハハハ!」


「ワン、ワン、アーフ…!」


Pebble(中身Astro)が抗議するように鳴き声をあげた。


その後は皆で入れ替わった人物の面白い行動を真似しあった。

Dyle(中身vee)は自身の記録ノートの端にポニーの絵を描き、フフッと笑う真似を、

vee(中身sprout)はクイズ番組の舞台裏で喋る内容を確認している際に、派出所という言葉を「はしゅちゅじょ」と噛んでいたところ、

Pebble(中身Astro)はバケツの中に頭から入って抜けなくなってしまったところ、

shelly(中身Pebble)は影に写る自分を見て、恐竜のポーズを取ったり鳴き声を出したりして遊んでいるところを。


そうして皆で大笑いしたり、見られてた?!と恥ずかしそうにしたりと楽しい時間を過ごした。



数時間後、再びコンパスが光を放ち、全員が元通りに戻った。

安心した表情を見せながらも、各自ぐったり。


「もう二度と触らないでね、そんな怪しいの」

Astroが釘を刺す。


「ワタシの貴重な時間を返してほしいものだ」

Veeは自分の姿に安心しながらそう述べる。


Sproutは逆にほっとしたように笑う。

「いやー、二度と体験したくないけど……でもちょっとだけ面白かったかも」


Dyleは小声でつぶやく。

「……案外、観察対象としては悪くありませんでしたが」


Pebbleは「ワン!」と元気よく鳴き、Astroをからかうようにじゃれついた。


Dandyはそんな皆を見て、にやりと笑った。

「いやー、いいネタができたよ!次はもっと面白いアイテム探してくるね!」


「やめろーーー!!!」

全員のツッコミが、夜のDandyの店に響き渡った。


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