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カーテンの隙間から差し込む朝の光で、京介は目を覚ます。
隣にはまだ眠る匠海の顔。
少し乱れた髪と、安堵したような寝顔に胸が締めつけられる。
「……なんだよ、その顔。……反則だろ」
小さく呟くと、匠海の腕が無意識に京介の腰を抱き寄せた。
逃げ場のない温もりに、京介の心臓は跳ねる。
あの後、意識が飛んだ京介は、匠海に抱きかかえられて教室を出た。
そして、いつの間にか、部屋のベッドに二人で横になって寝ていたのだった。
「……おはよ、京介」
匠海が目を開け、掠れた声で囁く。
「おはよ……バカ」
毒づきながらも、京介の表情は緩んでいた。
匠海はその頬に指先を滑らせ、口づけを落とす。
「夢ちゃうよな。ほんまに……俺ら、恋人になったんやな」
「……何回も言わせんなよ。俺はもう……匠海のもんだから」
ベッドの上で向かい合い、ただ見つめ合うだけで胸がいっぱいになる。
京介は小さく笑い、匠海の胸に顔を埋めた。
「落ち着く……。お前の心臓の音、安心する」
「アホやな。俺の方が京介に安心させてもらっとるのに」
匠海は京介の髪を撫でながら、耳元に囁く。
「これからは、弟とか兄とか関係ない。……俺の恋人は京介だけや」
「……っ、調子乗んな……でも、嫌いじゃない」
朝の光に包まれながら、二人は静かに指を絡め合う。
匠海が真剣な眼差しで言う。
「どんなことあっても、離れん。……京介の全部、俺が抱きしめる」
京介は少し頬を赤らめ、照れ隠しに匠海の胸を軽く叩く。
「バカ……。俺も……お前しかいらねぇから」
そして再び口づけを交わす。
昨日の熱はまだ冷めていない。
むしろ今は、二人が 「恋人」 になったことを確かめ合うための甘いキスだった。