テラーノベル
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路面店のスーパーマーケットの前。チバラキVの5人が来店する子どもたちに風船を配っている。
玲奈モノローグ
「なるほど、さすが北野さん。これなら貧困な子どもを見つけられる可能性が高いな。食べ物の買い物ぐらいはするもんね」
手持ちの風船がなくなったので、隣の駐車場のチバラキV用の軽トラックの荷台に戻る。
沙羅「先行ってて。あたし、ちょっとお手洗い行ってくる」
玲奈、瑠美、智花、倫が荷台の座席に座りマスクを外す。
智花「なかなか見つからないですねえ。それらしい様子の子ども」
瑠美「骨と皮みたいに痩せてる子なんて見ないよね」
倫「たまたまこの辺りにいないだけかもねえ」
玲奈「やっぱり、うちの市内にはないんじゃないですか? 子どもの貧困問題って」
荷台のドアを開けて沙羅が戻って来る。
沙羅「おいおい。みんな揃ってその目は節穴かよ? 入り口の前に何人もいたじゃん」
倫「え? 誰か気づいた?」
玲奈、瑠美、智花が首を振る。
沙羅「やっぱり何も分かってないんだな。次の風船配りの時に、あたしと一緒に来な」
風船配りに戻った5人。スーパーの店員が小さなワゴンを入り口の前に出してくる。沙羅が他の4人を大きく腕を振って呼ぶ。
ワゴンが出てきた途端に、道路の反対側に立っていた4人の小学生が走り寄って商品を奪い合うように取って抱えてレジに行く。コインばかりで支払いをし、ポケットから取り出した薄汚れた他の店の袋に放り込み、それから店を出ていく。
沙羅「あれ、あの子、確かこないだの」
子どもたちの中に、ビニール袋を引きずるようにして運んでいく、小さな体のミコが混じっている。
コスチュームのマスクをくっつけて、ひそひそ話をするチバラキV。
沙羅「ほらね、いただろ」
智花「え? あの子たちですか? ちゃんとした服着てたけど」
瑠美「顔も手足もそんなに汚れてなかったよ」
玲奈「痩せてもいないですよね。どっちかと言うと肥満気味だったような」
倫がさっきの店員を呼び止める。
倫「すいません。そのワゴンの上の商品は何ですか?」
店員「これですか? 賞味期限切れ間近の総菜とかサンドイッチとか、まあ、いわゆる見切り品ですよ。毎日4時に値引きするんです」
倫「さっき、小学生ぐらいの子どもたちが群がってたみたいですね」
店員「ああ、毎日のように来るんですよ。店内であれやられちゃ他のお客さんが驚くし、でもまあ、見切り品しか買えないんでしょうね。だからワゴンに乗せて店の外へ出す事にしてるんです」
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