テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
すちは目を覚ますと、掌の中にちょこんと座り込んでいるみことを見つけて息を呑んだ。
昨夜まで隣で眠っていた恋人が、まるで妖精のように小さくなっている。
「……みこと?」
「ん……起きたら小さくなってた……」
かすかな声に、すちは驚きながらも指先で頬をなぞる。力加減を誤れば傷つけてしまいそうで、息まで止まりそうになる。
指腹が頬から首筋へと移動すると、みことの小さな身体はびくりと震えた。
「…! くすぐったいよ、すっちー…」
「……こんなに小さくなっても、やっぱり可愛いな」
すちは、掌に収まる恋人を慈しむように撫で続ける。
やがてみことは、呼吸を乱しながら顔を赤らめて、そっとすちを見上げた。
「…んっ!……なんか、変……身体が……」
「…うずいてるの?」
耳まで真っ赤にしてこくんと頷くみことに、すちは理性を試されるような感覚を覚える。
今までと同じ方法では触れ合えない。けれど、彼の欲求に応える術を探すのは恋人として当然だ。
すちは机に置かれていた細く清潔な道具を手に取り、慎重に視線を落とす。
「痛くしない。……嫌だったらすぐに言って」
「……うん…」
その言葉に背中を押され、すちは極限まで優しく、愛撫にも似た仕草でみことを刺激していく。
小さな身体は何度も震え、甘く切ない声を洩らしながら、すちの掌の中で身を委ねていった。
___
掌に収まる小さな恋人は、細い肩を震わせながらすちを見上げていた。
その身を撫でるだけで、熱に浮かされたように息を荒げる。
「すち……なんか、もう……」
掠れた声が震え、濡れた瞳が艶めく。
すちは指先でそっと髪を梳き、そして用意した細い道具を手にした。
「…入れるよ……」
みことの小さな身体がこくんと頷く。
その瞬間、すちは限界まで力を抜き、ゆっくりとその先端を差し入れていった。
ひたり、と触れた途端に、みことは高い声を洩らし、全身を弓のように反らせる。
「っ……あ、あぁっ……! だめ、すぐ……!」
掌の中で痙攣する身体。
わずかな刺激が、その小さな肉体には圧倒的な快感となって襲いかかる。
すちは唇を震わせながら見守った。
みことは細い喉を鳴らし、甘美な絶頂に翻弄されながら、震える両手で必死にすちの指を握りしめていた。
「……こんなに、綺麗に乱れて……」
すちは陶然と囁き、掌の恋人を優しく撫でた。
すちの掌の上で、みことはすでに何度も甘く震えていた。
ひとたび道具が奥に触れるたび、刹那の火花のような快感が小さな身体を貫き、声にならない悲鳴を洩らす。
「っ……んぁ……! また……! もう……止まらない……」
潤んだ瞳は焦点を失い、頬は紅潮し、汗に濡れた髪が額に張りついている。
すちは掌に伝わる震えを感じながら、陶然と見つめた。
「小さくなると……触れるだけで、こんなにも乱れちゃうんだ」
細い道具を抜き差しするたび、みことは全身を弓なりに反らせ、きゅっとすちの指を握りしめる。
その震えが快楽に屈するたび、すちの胸には背徳の甘さが広がっていった。
「……あっ……あぁ……っ、また……きちゃ……っ」
もはや理性を失った瞳を潤ませていた。
道具が更に奥をかすめるたび、声にならない悲鳴が漏れ、細い身体が弓なりに震える。
「すち……っ、あぁ……! すち……すち……っ!」
必死に名前を呼ぶその声は、甘美な祈りのように響いた。
次の瞬間、みことの身体が大きく震え、掌の中で水音が弾けた。
透き通るしぶきがこぼれ落ち、すちの掌はぐっしょりと濡れていく。
「……っ、あぁ……っ! もう、だめぇっ……すち……っ」
何度も繰り返し、波のように押し寄せる絶頂。
そのたびにみことは細い喉を震わせ、すちの名を呼びながら潮を吹き、蕩けきった表情を晒していく。
すちは震える掌を受け止めながら、熱を孕んだ瞳でその様子を見守った。
「……俺だけに、こんな姿を見せて……可愛すぎて、狂いそうだ」
何度果てても収まらない痙攣に翻弄されるみことを、すちは道具と指先で慈しむように追い詰めていく。
やがて掌いっぱいに滴が広がり、甘く淫らな香りとともに、恋人の声が夜を満たしていった。
___
すちは掌の中でぐったりと乱れるみことを見下ろし、濡れた道具をゆっくりと引き抜いた。
「……もっと気持ちよくなろうね」
次に取り出したのは、細くとも表面に不規則な凹凸が刻まれた道具だった。
冷ややかな光を帯びたそれを見て、みことは小さく首を振る。
「……っ、すち……それは、無理……」
「大丈夫だよ」
囁きとともに先端を沈めると、わずかに触れただけでみことの全身が跳ね上がった。
「っあああああっ!!」
掌の上で細い身体が弓なりに反り、瞬く間に絶頂が押し寄せる。
凹凸が奥を抉るように擦り上げ、敏感になった前立腺を苛烈に打ち据えるたび、みことはあっけなく果ててしまう。
「すちっ……! だめっ、また……っ、イく……っ!!」
涙に濡れた瞳で必死に見上げながら、次の瞬間には痙攣し、潮を弾けさせる。
すちの指にしがみつく手は小刻みに震え、とうとう耐えきれずにその指先へと噛み付いた。
痛みよりも甘さが勝り、すちは陶然と笑みを浮かべる。
「……俺の名前を呼んで、俺に噛み付いて、何度も果てる……可愛すぎるよ、みこちゃん」
みことは答える代わりに、声を枯らしながらすちの名を叫び続ける。
凹凸の道具が前立腺を抉るたび、甘美な悲鳴としぶきが掌を濡らし、果ててもなお果て続ける淫靡な夜が続いていった。
何度目かもわからない絶頂に呑まれたあと、みことの身体は小刻みに震えながら、もはや自分では声さえ上げられなくなっていた。
凹凸の道具を引き抜くと、掌の上には汗と涙と愛液に濡れた、小さな恋人の姿がある。
「……みこと」
すちは濡れた髪を指で梳き、震える身体をそっと指先で包み込んだ。
瞼は半ば閉じられ、潤んだ瞳は焦点を失い、唇からはかすかな吐息がもれるばかり。
小さな両腕は力なくすちの指を掴んで離さない。
「……もう、無理……すち……」
掠れた声に、すちは胸の奥が締め付けられる。
掌ごと自分の胸に抱き寄せ、その体温を確かめるようにそっと唇を寄せた。
「頑張ったね……お疲れ様」
みことはその言葉に安堵したように目を閉じ、すちの心音に身を委ねる。
放心した笑みを浮かべながら、子どものようにすちの名を呟き、やがて静かな寝息へと変わっていった。
すちは掌の重みを確かめながら、誰にも見せられない愛しい恋人の姿を胸に抱き締めた。
その夜はただ、乱れ果てた恋人を守るように、温もりを与え続けていた。
___
あの夜から、みことの身体は戻らなかった。
手のひらにすっぽり収まるほどの小さな姿のまま、すちの傍らで目を覚まし、また同じ掌で眠りについている。
「今日も小さいままか……」
そう呟くすちの声は、不思議と穏やかだった。
指先で頬を撫でると、みことはくすぐったそうに笑い、指に身を預ける。
「でも……すちがいてくれるから、怖くないよ」
その声は小鳥のさえずりのように澄んで、すちの心を満たした。
すちはみことを懐にしまい込み、外では誰にも見せない。
掌の中にだけ存在する恋人は、ただ自分のために微笑み、甘えてくれる。
夜になれば、その小さな身体を優しく扱いながら、誰にも知られない愛を深める。
時に涙を流し、時に笑い、時に震えながらすちの名を呼ぶ――
そのすべてを自分だけが知っているという背徳と幸福が、すちをさらに狂おしくさせた。
「……俺だけの小さな王子様。もう、誰にも渡さない」
そう囁き、掌ごと胸に抱き締める。
みことは安堵の吐息を洩らし、安心しきった表情で目を閉じた。
𝐹𝑖𝑛.
━━━━━━━━━━━━━━━
読み切りです。
急にこのストーリーを思いついたので、殴り書きしました。
楽しんで頂けたら幸いです🍀
2025年9月7日 yae
コメント
5件
とっても可愛らしいです🥰 黄さんが小さくなっても溺愛してしまう緑さんの様子から、愛が伝わってきて最高です!
どちゃクソ大好きです(^ཫ^) 次の日には戻って1日だけの記憶ではなくて多分このままずっと続くのが大好き過ぎます。 自分の解釈としては小さくなる前の日に黄くんが死んじゃって緑くんがおかしくなっちゃった幻覚なのかな?って思いました。 僕がメリバ中過ぎる…