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おはよう こんにちは こんばんは 食器用洗剤と申します 。この度は あの夏が飽和する 《 上 》500↑ ハート ありがとうございます 。
結構見てくれる方が 居るのだと思うと 、嬉しいですよね 。私の文章力 大丈夫なんでしょうか … 結構 不安に思ってます 。
誤字脱字 も おそらく あるやもしれません 、その辺は もう 、読者様の中で 「 こうなんだな 。 」 と 思って頂ければと思います 。
今回 《 下 》で 完結 。となりますが 後日談 的なものを 完結後に 出したいと思います 。
今回の曲パロ 結構楽しいので この曲でも書いて見てほしい ! このペアで見たい ! などあれば コメントに ご記入いただければな と思います 。
果たして 、二人はどうなっていくのか …… 。
二人の背景にある 家庭環境 は ……
引き続き あの夏が飽和する 《 下 》 お楽しみ下さい 。
カンザキイオリ 様 より
あの夏が飽和する ____ 。
fw 「」 / 心の声 ()
hr『』/ 心の声《》
『 不破さん … 僕達 何処に行くんですか 』
「 にゃは 、考えてなかったわ 」
『 ちょっと !? 』
「 んでも 、逃避行 に 行く先決めてるわけ ないやん ? 」
『 それは 、そうですけど … 』
何時間 歩いただろう 足の裏が 少し痛い 、夜の閑静な街に 2つの若々しい声 が 響いた 。 行く当ても 何も無いと言うのに とても楽しそうに 声を弾ませていた 。
不破 と 甲斐田 の 携帯は鳴らなかった 、電話 も 何もなかった 。誰にも愛されてない その言葉が 頭に浮かんだ 、“ 大丈夫 ” と 自身に言い聞かせるように 不破は 甲斐田と 繋いだ手を離さない 。
また数十分歩く 、すると 公園が見えてきた 。
“ 今日はここで寝よう ” そう思い足を進め 、公園のベンチに 腰を下ろした 。
『 …… 不破さんの ご両親は その … 連絡してこないんですか? 』
「 ……… にゃは 、そうやねぇ してこやんね 」
『 どうして 、? 』
不破は 見目もよく 頭も良かった 、きっと両親から 愛情を沢山貰い 育って来ていたのだと 甲斐田はそう思っていた 。
だが 違った 。
「 俺はねぇ 、血の繋がった家族 居らんのよ 。 」
『 え 、? 』
「 … んふ 、 実親 は もう他界しとるんよね 。 今は従兄弟の親 と 暮らしてんやけど 、まぁ環境最悪よ 」
目を細め細く微笑みながら 、不破は話す 。実親が 他界してからというもの まだその時は 幼稚園児だったそうだ 、だから引き取り手を 探した 。探して … 探して …… ようやく見つけたのが 従兄弟の親 、最初だけ 可愛がってくれた 。
段々と不破に対する 態度 が 豹変して行った 、従兄弟の母親 からは 、性的な目 で 見られ 襲われかけた 。それが中学の頃 、従兄弟からはその事で 暴力を振るわれた 。
だからこの機会に 、逃げ出そうと思ったらしい
『 … 不破さん 、 ごめんなさい 変な事を聞いてしまって 』
「 … にゃはっ 大丈夫よ 、甲斐田は どうなんよ 」
『 僕の親は 、ただ単純に …… 興味が無い だけなんです 。 』
「 ほう 」
『 テストで満点をとっても 最低点数をとっても 怒ることも 、褒める事も … 何も無かった 』
「 …… 」
『 その 、僕 要領悪いんで ! 仕方ないんですけどね 、! 』
苦笑する甲斐田の目には うっすらと水の膜が 張られていた 、相当悔しくて 悲しいのだと 理解する 。彼の頭に手を添え 不破の肩の方に 頭を置かす 、そして 慰めるように … 褒めるように 、優しい声で 「 頑張ったんやね 」 と 呟く 。
『 …… ッ 、ぼ 、く ……… 僕っ゛頑張ってたんですよ゛、何もかも必死で … それで 、それでぇ゛頑張っ … て きた 結果が …… これなの 、おかしくないですか゛ 、? なんで 、どうして … 』
不破の言葉に 心を打たれた甲斐田は 、綺麗な青い瞳から 大きな涙の雫を零す 。
期待して欲しくて 褒めて欲しくて … 頑張っていたけれど それは叶わなかった 。
誰にも愛されてない ……
いや “ 誰からも愛されていなかった ” この言葉が 二人には しっくりくるだろう 。そんな 嫌な共通点で お互いを信じ合い 支えあった 。
朝になり 日が 不破と甲斐田 の 顔を明るく照らす 、あの後 歩いた疲労 と 泣き疲れてしまったのか いつの間にか寝ていた 。
「 甲斐田 、行こ 」
『 …… はい 』
そう言い 不破は 甲斐田に手を差し伸べる 。 差し伸べられた手を 甲斐田は ソッと握った 、当初に比べ 微かな震え は 無くなっていた 。
公園から 少し離れた所に 、線路があった 。線路沿いに歩けば きっと どこかの街に たどり着く 、そう思うと 不破は 楽しげな … どこかスッキリしたような顔で 「 線路の上 歩こうや ! 」 と 無邪気に笑う 。甲斐田は 勿論 『 危ないですよ !? 』と 言うものの 、不破には甘く 結局 線路の上を歩いた 。
「 んー 、金もっと 必要よな 」
『 まぁ … そうですね 、 』
「 よし 、盗もう 」
『 待って 、“ よし ” から なんで そんな犯罪に 手を染めるんですか!?』
「 大丈夫 、仕方の無い事やしさ ! 」
何も大丈夫じゃない 。それは 不破本人も甲斐田も 理解している 、だが 盗まなければ 生きては行けない 。
線路の上 を 歩いてから数十分ほどで 街が見えてきた 、それは隣の市だったものの 、人が沢山いた 。 不破は わざと人にぶつかって 歩いていく 、甲斐田は 不思議そうな顔で見詰めていたら イタズラな笑みを浮かべ 不破が振り返ると スリをしたのか 手には財布があった 。
『 え゛!? 』
「 シー … 」
中身を少し取り 財布を投げ捨てる 、そして …
「 今日はどっか 泊まろうな 」 と 優しく言った 。そしてまた 逃げる様に 手を引っ張って走った 、今までの 息苦しかった人生とは 裏腹に 、二人して 楽しげに笑っていた 。
( コイツとなら 、どこにも行ける気がする )
勘違いじゃない 気の所為でも何も無い 、本当に そう思っていた 。全てを捨て去った 二人は 怖いものはもうなかった 、親という 枷 からも 、学校という 牢獄 からも 逃げ出せたのだから 。
夜に比べ 朝と昼は 、とても暑かった 。ジリジリと 肌を焼いてくるような 日差しに 二人して 目を細め 額に汗を滲ませていた 。
『 … 水も滴るいい男 って 不破さん の 事だったんですね 、 』
「 にゃははっ 、なぁんよ 口説いとるん ? 」
『 ばッ …… 違いますよ !?!? // 』
「 知っとるって 、そんな 照れんなよ 甲斐田ァ 」
『 ちがッ 、これは その … 暑さのせいです 、! 』
冗談を 交えながら 、二人は歩き続けた 。
歩き続けた結果 次第に暗くなってきたものの 繁華街にでた 故に 辺りは明るい 、そして そこは 少年が 絶対に立ち寄らないであろう 場所 。
飲食店は勿論 大人のホテル や 大人が行く店 も ある 。そんな中で 不破は口を開いた
「 うし 、じゃー 甲斐田 」
『 な 、何ですか …… 』
「 ラブホ 泊まろうや 」
『 …… らぶほ 、? 』
「 ん ? 知らんの ? ラブホ 。 女と男が エッチするところよ 」
『 ………… は 、はぁ゛!? ///// 』
「 声でか w 」
『 そ 、そんなっ 、ふ 、不破さん … そういう 、 人 なんです 、か 、? 』
「 ……… 甲斐田 、? 」
『 不破さん 、の えっち … 』
「 うん 、甲斐田 ? 寝泊まりに ラブホ 最適なんやって 安いし 、バスローブ に 洗うもん1式 あるし 、 ベット広いし 」
『 … あっ 』
「 なに 、もしかして …… えっち 、したかった系なん ? 」
『 〜〜〜ッ゛違います 、! ////// 』
甲斐田は 酷く取り乱し 、顔を赤く染める 。そんな様子を見て 不破は 吹き出した 、思春期 の 少年 らしい 会話ではあった 。
無事に 小さなカプセルタイプ の ラブホ に 泊まった二人 は 各々 くつろいでいた 、風呂は 最初に 不破 その後に 甲斐田 と 、入っていたら あっという間に 時間が過ぎ 今は 22時58分 。
壁が少し薄めなのか 隣からは 盛んな声が聞こえてくる 。艶やかな女性の声 それは 、甲斐田にとって とても刺激的なものだったそうで 、今にも爆発してしまうのでは ? と思う程に 顔を真っ赤にしている 。
「 … 甲斐田 、お前 顔赤すぎ w 」
『 ふ 、不破さん は 慣れすぎ 、!!! //// 』
「 慣れとらんよ 、ほら 心音聞いてみ ? 」
そう言うと 、不破 は 甲斐田の頭を 自身の胸板に引き寄せ 耳を当てさせた 。
ドク 、ドク 、ドク
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
『 ……… っ //// 』
「 …… 俺やって 、緊張しとる 」
『 ふ 、わさ … 』
「 ん …… 」
『 っ 、!?!? // 』
「 … 黙らんと 、“ また ” 口奪われるよ 、、? 」
甲斐田 の 口を塞ぐ様に 不破 が 優しい口付け を落としていた 、長く一緒に居ると 不思議なことに 人間は 抵抗感を無くし 心を開き 全てを許してしまうそうだ 。
今の二人の状態だ 。
そして
二人は 、その夜 … 体を交わらせた 。
男子高校生の夢見る 甘いものではない 、お互いが互いを 求めた 。柔らかな肉付き は していないし 、女性特有の愛らしい声色では鳴かない … それでも良かった 、存在を ちゃんと確かめるように 甘い時間を過ごした 。
不破は ある夢 を 見た 。
いつも通り 甲斐田 と 手を繋ぎ逃避行する夢 、だが 甲斐田の様子が おかしかったそうだ 。
『 誰にでも好かれる 主人公なら 、僕達のこと 救ってくれましたかね ? 』
そんな言葉を 口に出した 。口に出して ……
その後 、は _________
「 ……… はっ 」
「 …………… ゆ 、め 、? 」
冷や汗を垂らした 不破が 勢いよく起き上がった 。夢 を 見たはずなのに 、今さっき見たはずなのに … ぼんやりする 。上手く思い出せない 、と 頭を抱えた 。
隣で寝ている甲斐田は 、アホ面だった 。そんな彼の鼻をつまみ 起こす 。
また いつも通り … 身支度をして 旅に出る 。
『 不破さん 』
「 ん ー ? 」
『 … 誰にでも好かれる 主人公なら 、僕達のこと救ってくれましたかね ? 』
「 ……… 。 」
( 何処かで … 聞いたような )
「 そんな夢 捨てや ー ? 現実見ろよ 、シアワセ の 4文字すら ないんよ ? 」
『 … 確かに 今までの人生で 思い知ってましたね 』
「 人間みんな 、自分は何も悪くないって 誰しも思っとるんやから 居らんよ 。 」
『 … そう、ですか 』
二人が 無言になれば 、周囲の音をかき消す様に 蝉が激しく鳴き続けた 。その鳴き声がまるで … 激しく迫り来る鬼の怒号 に 聞こえた 、幻聴に過ぎなかった 。
水を飲もうとして ペットボトルを取り出すも 、水が無くなっていた 。
( あれ … 朝 “ 入れたはず ” なのに )
また 、これで 何やってんですか ! と 甲斐田から説教されて … 馬鹿みたいにはしゃぎ合う そう思って 甲斐田の方に目をやると 、甲斐田が不破の手を振りほどいた 。
『 …… 』
「 か 、いだ 、? 」
訳が分からず 彼の名前を 、震えた声で言った 。
( あ 、れ … この光景 、見た事が ____ )
ある ________ 、?
カバンから ギラっと光るものを 甲斐田は 取り出した 、そして …
『 不破さんが ここまで居たから 、素敵な逃避行が 出来ました 。 』
「 な 、にして … 」
光っていたものは 、刃物だった 。甲斐田はソレを … 首に当てた 。
『 だからもういいです 、もういいんです … この 罪滅ぼし で 死ぬのは … 』
僕だけで 、いいんです 、
そう 、微笑んだ 。微笑んだ甲斐田は 、首を切った 目の前には 鮮血が飛び散り 、甲斐田は その場で倒れ込んだ …… 。
「 晴゛!!!!!! 」
一瞬の出来事で 声 は 出なかったし 、体は動かなかった 、だが 倒れ込んだ瞬間に 金縛りが解けたように 声が出たし 体も動いた 。
甲斐田の首から 鮮血が溢れ出てくる 、地面は赤く染まっていく …… 意味が無いと分かっていながらも 、不破は その場にしゃがみこみ 甲斐田の切れた 首元を手で抑えた 。
先程の叫び声で 人がワラワラと 、寄ってきて 不破の肩を掴む人も居れば 救急車を呼ぶ人に 警察を呼ぶ人でごった返した 。
数十分してから 、警察と救急車が 到着した 。その時には 、甲斐田はもう … 冷たくなっていた 。血の気のない顔 その顔には 雫が沢山零れ落ちていた 。
泣いていたのだ
初めて … 泣いたような気がした 。
不破の手は 、甲斐田の血で 赤黒く固まっていた 警察に 不破は捕まってしまった 。
全てを失い 、好きになった相手も 目の前で死んだ 。この まだ若く小さい 腕の中で … 死んで行った
大切な人を 失ってから 、暑い暑い日が すぎていった 。従兄弟の親 も クラスのやつ も 、何事も無かった様に 日々を過ごしている 。
ただ 、不破だけは … 心に穴を開けたまま 日々を過ごしている 。まだ 甲斐田を探すような 動作を 時々 、しているのだという 。