コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
土曜日。いつも通りアラーム前に起きて二度寝をかます。
昼に起きて歯を磨き顔を洗い、テレビを見ながらインスタントラーメンを作る。
海綺「おはようございます!昨日もご馳走様でした!
また一緒に飲んでください!(´∀`*)」
というLIMEの通知がついさっき来ていた。
あ。起きる時間だいたい同じか
と思いながらもすぐには返信することなくスマホの画面を下にテーブルに置く。
「いただきます」
手を合わせて呟いて、レンジでチンをしただけのもやしとキャベツを混ぜた味噌ラーメンを食べる。
「うまい」と思うものの「うまい」とすら思わない。
矛盾しているとは思うが、ほぼ毎週同じ昼を食べていれば
「うまい」と思うが「うまい」とすら思わない、矛盾を孕んだ心境になるものである。
「本日の10万円ショッピングゲストはー…。
ゲーマーだけで結成されたアイドルグループ、Always a Game Playerから
メンバーのRPGさん、STGさんのお2人に来ていただきました!」
「はい!人生ロールプレイング!僕の仲間になって
人生という名のゲームを一緒に楽しみませんか?RPGです!」
「はい。あなたのハートをシューティング。狙うはあなたのハイスコア。STGです」
「「Always a Game Playerです!よろしくお願いします!」」
「すごいな。人生舐め腐って勝ち組。うらやま」
と呟く海。味噌ラーメンを食べながらスマホの画面をタップし、海綺への返事を打ち込む。
おはよう。また来週の金曜になるかな?
一緒に飲もうね
送信ボタンをタップする。海綺とのトーク画面に海の打ち込んだメッセージが反映される。
「こーゆー場合の「また一緒に飲みましょう」って大概社交辞令だったりするけど
海綺ちゃんのは社交辞令じゃないからなぁ〜」
と無表情ながらにどこか嬉しそうな顔をしながら呟く海。
通知が届く。
「おはよう。また来週の金曜になるかな?…一緒に飲もうね」
小声で音読する。
「んー!来週かー!」
声を押し殺しながらも叫ぶ。
「遠い。今日これからはー…さすがに迷惑か。
明日。いや、日曜ってそれだけで憂鬱だもんなぁ〜。次の日お仕事だろうし…。あぁ。来週かぁ〜」
スマホを掲げながら呟く海綺。
「お2人は本当にゲーマーなんですか?」
「そうなんです。これキャラ付けとかじゃなくて本気の本当にゲーマーなんで。
なんか芸能人でゲーマー名乗ってて「ゲーム作りますぅ〜」とか言って
自分はプログラムとかなんも知らんで人任せ。案だけ出して
自分でゲーム作った気になってる女優擬きとか見るとイライラするレベルですもん」
「ま、あれはゲーム制作してくださってる方に失礼だよね」
「な!あとはグッズ作りました!ってのも引っかかるんだよねオレ。
グッズ制作を促して案出したのはお前かもしれないけど
実際グッズ作ったのはデザイナーの方々、それぞれのグッズ制作の方々だろって」
「ま、「グッズ出すことになりまして、グッズ、作っていただきました」か「一緒にグッズを作りました」か
「手伝ってもらって、皆さんのお力をお借りしてグッズ作りました」かだよな」
「だよな?」
そこでナレーションの方が
「愚痴が止まらないのでカット」
と言った後
「今回は頭からケツまでゲーム関連の買い物になります!」
と本軸に戻った。
「え。アーティスト的な買い物はしないんですか?」
「あ、僕たちガチゲーマー“アイドル”なんで
ガチアーティストの方に失礼になるので、アーティストとは言ってないんですよ」
「あ、そうんなんですね?でもゲーマーとは言ってるんですね?」
「痛いとこ突きますね」
「な」
「一応ゲーマーと名乗ってもいいかなぁ〜というくらいにはゲームが好きで、ゲームやってる自覚はあるので」
「うちのメンバーのKCGが格ゲーの大会でそれなりの実績残してたり
同じくメンバーのFPSがFPSゲームの大会で優勝経験あったりするので」
「すごいですね!あれ?…お2人は」
「自分は名前の通りRPGが好きなんで、大会で実績というよりかは
あの隠れ名作やってるんだ?とかいうマニア的なやつですね」
「STGさんは」
「自分はシューティングゲームっていう、基本的には飛行機とか宇宙船とかでビームとか撃って
どんどん出てくる敵を倒していく。みたいなゲームが好きなので
いろんなゲームセンターの筐体のランキングを荒らしまくってます」
「荒らしまくってるんですか」
「はい」
「STG推しのファンの方々はゲームセンターに行って
STGの記録にチャレンジして写真撮って投稿するっていう方が多かったりします」
「そうなんですね!すごい!…あ、ちなみにRPGさんはRPGゲームに
STGさんはシューティングゲームに出演されたそうですね?」
「そうですね。恐縮なんですが、ありがたいことにこんだけゲーマーゲーマーって言ってたら
ゲームゲームうるさいのがいるぞってことで
製作者の方がキャラの1人としてどうですか?って言ってくださって
ファンの方には申し訳ないんですけど、こんな若輩者が声あてさせていただきました」
「自分は機体のスキンで、自分のメンバーカラーが青なので
青にAGP-STGって書いてあるスキンを作っていただいて」
「すごい!好きを貫くもんですね」
「好きを貫くだけじゃなくて本気なんでね!」
「すいません。めんどくさくて」
「そんなめんどくさい2人が最初に向かったのが」
「私もいつか有名になって10万円ショッピングしたいなぁ〜」
と呟く海綺。
「テーブルも変えるかなぁ〜…」
とテーブルを退けてタブレットで部屋の写真を撮って
アプリでいろいろなタイプのローテーブルを、先程までテーブルの置いてあった場所に置いてみる。
「んん〜…。フォーマルで尚且つ北欧感も取り入れつつ、全体的にレトロな感じがいいよなぁ〜」
間接照明が映えるような部屋をイメージする風天(ふうあ)。
「今日…この後?行くか?…あ、海誘うか。んで、家具見に行って夜居酒屋で食べて帰るか」
テーブルを下の位置に戻し、ソファーに座り、スマホを出して
LIMEのアプリを開いて海とのトーク画面に入る。
今日の夜空いてる?空いてるなら昨日の店でいいから飲まん?
というメッセージを海に送った。
「さてさて。じゃあ出掛ける準備をしますかな」
と出掛ける準備を整える風天。
「I want to forget, but they won’t let me.
苦しくて辛いのに。君の眩しい笑顔が色褪せず焼きついて離れない」
ギターを片手に歌う愛大。
「んん〜…。微妙か」
スマホを取り出す。テーブルの上のタバコの箱が目に入る。
「タバコ買ってもらったなぁ〜…。あ、LIME知らんやん」
と今さら気づく愛大。
「そもそも聞いてなかったやん」
スマホの画面を爪でカツンカツンと叩きながら
「海綺か。海綺に聞けばー…いや、泥好木さんの知ってんのか?最悪、海綺経由で海さんからもらうか?」
と呟く。
「送ってしまった…」
来週、遠いですねw
でも来週も楽しみです!(ㆁωㆁ*)わくわく
という自分が送ったメッセージを眺める海綺。
「大丈夫?大丈夫かな?…大丈夫だよね?大丈夫だろう」
と海とのトーク画面を見ながら百面相していると、木琴の音と共にLIMEの通知がスマホの上部に表示される。
「あ、愛大(まな)からだ」
トーク一覧に戻って一番上の愛大とのトーク画面に入る。
「海綺、泥好木さんのLIMEって持ってたりする?…持ってるけどー…交換しなかったの?」
と呟いて返事を打ち込む。
「歩くー度にーネックレースが揺れるー。横で手を繋いで歩いていた君の胸元を思い出ーすー。uh〜…。
あ〜あぁ〜…。チャームを握り呟く。「さよなら」ぁ〜…」
小鳥のさえずりが部屋に響く。
「おぉ。いい効果音」
と呟いて、ギターを組んだ脚の窪みに置いて、テーブルの上のスマホに手を伸ばす。
「海綺たま」
通知をタップし、海綺とのトーク画面に入る。
海綺「知ってるけどー交換しなかったん?」
「はい。しませんでした」
と呟き返事を打ち込む。
「んんん〜んんん〜んん〜ん〜」
木琴の音が鳴り響く。愛大だろうと思いながらも少しドキドキしながらスマホを手に取る海綺。
通知を確認する。…やはり愛大だった。
愛大「タバコはもらったけど連絡先はもらわなかったw」
「うまいこと言うな」
と笑いながら返事を打つ。
「んん〜…。たまには恋愛ソングも書くか?
失恋ソングのほうが書きやすいし、メロも浮かびやすいんだけどなぁ〜…」
小鳥のさえずりが鳴り響く。
「はいはいぃ〜」
すぐに海綺とのトーク画面に入る。
海綺「タバコもらったのねw連絡先教えてあげようか?
大丈夫だとは思うけど、一応泥好木さんに確認した後で」
「ありがたやぁ〜ありがたやぁ〜」
スマホを掲げる。
「泥好木さん、泥好木さん」
と呟きながら風天とのトーク画面に入る。一応前日に奢ってもらったお礼のLIMEをしたのが最後だった。
「えぇ〜…。愛大に連絡先教えてもいいですかーっと」
送信ボタンをタップした。
「あぁ〜…いいな」
家具屋さんでいい感じのローテーブルを見つけて、ソファーに座ってまじまじと眺めていた風天。
覚えてはいるが自分の部屋の雰囲気を再度確認しようとスマホを取り出す。
「お?山津野(やまつや)さん?」
通知をタップしメッセージを読む。
海綺「お疲れ様です。昨日は本当にありがとうございました。
あの愛大にもタバコを奢ってもらっちゃったみたいで。
その愛大のことなんですけど、連絡先聞いてなかったとのことで
愛大に教えてあげてもいいでしょうか?」
「あぁ〜。そういえば聞いてないわ」
「お客様、ソファーをお探しですか?」
と店員さんに捕まる。
「あ、このローテーブルいいなぁ〜って思いまして。ソファーに座ったらどんな感じか見てたんです」
「あ、そうなんですね。タイプとしてはこのローテーブルのようなダークウッドのような
暗い、落ち着いた感じのお色のローテーブルをお探しで?」
「あぁ〜…。そう…ですね」
返事を打っているので、店員さんへの返事が空返事になる。
「一応、うちに置いてあるのですと」
返事を送信し終え、スマホをポケットにしまって立ち上がる。
店員さんがカタログを持ってきてくれて見せてくれる。
「こんな感じのものもありますね」
「あぁ。これネットで見ました。あ、置いてあるんですね」
「あ、ご覧に。ありがとうございます。そうですね。実物は置いてはないんですけどー」
風天「お疲れ様ー!いえいえ。全然大丈夫よー!
タバコねw坂木田さんから聞いたのねw
あ、全然オッケーオッケー!
オレも聞くの忘れたなぁ〜って思ってたところだから、なんならありがたい!」
「お。返事来た。…オーケーと。じゃ、愛大に連絡先送るか」
風天からオッケーをもらったので、風天に返信をして愛大に風天の連絡先を送った。
「大好き…好き…。あぁダメだ。恋愛ソング書くにしては恋愛系の語彙力がゼロだ」
「そうだね!」と言わんばかりに小鳥がさえずる。
「せやんなぁ〜」
小鳥のさえずりに応えてからスマホを手に取る。
海綺「オッケーだってさ!」
というメッセージの下に風天のLIMEの連絡先が送信されていた。
「アザス!」
海綺に返信をしてから風天の連絡先を追加ボタンをタップし追加し
トークボタンをタップし、風天とのトーク画面へ行く。
「おぉ。サラや。当たり前やけど」
そのまっさらなトーク画面に最初のメッセージを投下する。
「おぉ。オシャレな部屋」
「ありがとうございます」
と店員さんに部屋を見せていた風天。
「ここに今テーブルあるんですけど、アプリで家具を試しに置けるじゃないですか?あれで試してて」
「なるほどなるほど。たしかに雰囲気的にはこのローテーブルは合いそうですね」
「ですよね」
スマホをしまおうとして一度画面を見ると愛大からのメッセージが来て
「おっ」
つい声が出た。店員さんが「?」という顔をしたので
「あ、いえ」
と言って愛大とのトーク画面に行く。まずは追加ボタンをタップする。
愛大「海綺から連絡先聞きました。昨日はありがとうございました。
夜もタバコもご馳走していただいて。」
タバコはご馳走っていうか?
と心の中で笑いながら返事を打ち込む。
「「さて、そろそろ行こうかな」」
と海綺、愛大がそれぞれ呟き、ギターを担いで家を出た。