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私の実力はこの程度という目安表代わりのものです
BLモノとなっています
といってもガッツリではなく匂わせ程度ですが
苦手な方はお引き返しください
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「じゃあ今日はここまで!またね〜…ふぅ」
やっと終わった
流石に10時間配信はキツかったな
それ以上にやっている人もいるんだろうけれども
ふと見た時計は午前3時を指していた
「もうこんな時間か」
グゥ〜
そんな音が腹から聞こえてきた
どうやらお腹の方も限界のようだ
「なんか食べるか」
確か今家にはなにもなかったはずだ
どうしたものか
こうゆうときはグー◯ル先生に頼るが吉
「近場のご飯食べられる所〜っとあった。徒歩5分か。よし」
財布をカバンに詰め、戸締りを確認した後その店へと足を進めた
「ここかな」
どうやら地下にあるようだ
看板にはBAR &カフェ『Cachette』と書かれていた
BARか
いいな
ちょっとご飯ついでに食べようかな
扉を開いて見ると木をメインとした温かみのある内装でとてもオシャレな雰囲気の漂う店だった
「いらっしゃいませ。おや初めて見る顔ですね。こんな時間まで仕事ですか?お疲れ様です。こちらメニューになります」
中にいた店員さんが話かけてきた
なかなか顔の整った店員さんで物腰柔らかそうだった
仕事と言っていいのか曖昧だがとりあえず返しておいた
「ええまあ、ありがとうございます」
メニューには色とりどりの料理が並んでいた
人気メニューはオムライスらしい
一番最後のページはお酒になっていた
実はカクテルに詳しくなく、名前の響きで決めた
「すみません。えっとトマトのオムライスとチャイナブルーください」
「かしこまりました。少々お待ち下さい」
そう言って店員さん奥へ行き、直ぐ帰ってきた
どうやら奥にいた料理人に注文を伝えてきたようだ
「お客様、よろしければなにか私と話しませんか?愚痴でもなんでも聞きますよ」
目を惹かれた
微笑んだ彼はあまりにも綺麗で
思わずじっと見つめてしまった
「あの、お客様?そんなに言いづらい事でしたらよろしいのでその、」
「!えっとすみません。話したくなかったとかじゃなくて見惚れてました」
「え?」
…やってしまった
口が滑ってしまった
「えっと、そのそうじゃなくて」
「嬉しいです。そんな事言われたの初めてでしたので驚いてしまいました」
よ、よかったー!
引かれたと思った
てかこの顔で言われたことないは絶対嘘だ
「お客様も整っていらっしゃいますよね。やはりおモテになるので?」
モテたとは思う
学生時代隣の席のやつが言ってたし
けど陰のオーラが凄すぎたのか誰にも告白されたことがない
「いや〜そんなこと。誰からも告白されたことありませんし」
「おや、それは見る目がない人もいたものですね」
この人やばいな
天然タラシだ
もう本当にやめて欲しい
「私が女性でしたら口説いていたでしょうに」
顔が赤くなるのを感じる
「はい!お待たせしました!こちらオムライスです」
奥から別の店員さんが出てきて注文の品を持ってきた
少しホッとした
「おや、では私はカクテルでも作りますか」
「まだ作ってなかったんすか?」
「ええ、まあ少し話してまして。それにしても速いですね」
「まあ、卵焼くだけなんで」
「それもそうですね」
テンポ感のよい会話がポンポンと紡がれていく
「あ、柏木さん俺にもひとつください」
柏木さんというのかこの人は
この人に似合ういい苗字だと感じた
「笑はいはい、モヒートでいいですか?」
「はい!」
「柏木何さんですか?」
思わず聞いてしまった
聞きたくなったのだその続きを
「おや、これは申し遅れました。私は柏木宗介といいます」
柏木宗介…
何度も口の中で転がした
「お客様はなんというので?」
「俺は橘、橘美春です」
「では橘さん、こちらチャイナブルーになります」
いつの間にか作っていたカクテルをそっと微笑みながら置いてきた
そんな姿にドキッとしてしまった俺はもう引き返せないかもしれない
「はい高城くんもどうぞ」
「お!ありがとうございます!」
俺はそのカクテルにそっと口を運んだ
恐る恐る飲んだそれはとても美味しかった
「…美味しい」
「ふふ、それはよかったです」
柏木さんの笑顔がキラキラと光って見えた
ああ、俺はこの人のことが好きになったのだと自覚した
本当に引き返せなくなってしまった
それから俺はオムライスを食べ、柏木さんと高城さんとたわいない会話をし、
「また来ます」
と言って店を出た
帰ってからしばらくした後、ツイ◯ターに初めてのカクテルの感想を少し書いてから身体をベッドに沈ませた
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(さっきの子綺麗だったなぁ)
「柏木さんどうしたんです?ボーッとしてますよ」
「あぁ、ちょっと考え事してて」
「もしかしてさっきの子ですか?確かえっと橘さんでしたっけ?イケメンでしたよね」
「うん」
「あ、柏木さん『伊春』さんがツイ◯ター更新してますよ」
「えっ本当ですか!わあ『伊春』くんカクテル飲んだことなかったんだ。美味しかったか、ふふ」
「嬉しそうっすね」
「まあバーテンダーとしては嬉しいし、ほらなんたって僕ファン1号だから」
その日ツイ◯ターでフォロワー数68万人越えの『伊春』という名のゲーム実況者がひとつの投稿をした
内容は
『カクテル初めて飲んだけど美味しかった』
と