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⚠️ 未来軸 菅原孝志
十磨兄と飛和兄を見送って僕は小学校に向かった。
今日の授業の一時間目は体育だった。
僕は体育が好き。
だっていっぱい動けるから。
僕は体育が好き。
どんなけ動いても怒られないから。
僕は体育が好き。
だけど、ボールは嫌い。
だって当たると痛いしどこに飛んでくるか分かんない。
「 今日はみんなでドッチボールしようと思いまーす 」
僕のクラスの2年1組の担任の菅原先生。
菅原先生はよくボールを使う。
「 じゃあ、ここから右の人は赤チーム! 」
赤白帽子を赤に変えて僕は菅原先生を見る。
菅原先生はずっとニコニコ。
「 そんじゃーみんな、お顔は当てちゃダメだべ! 」
「 はーい 」
みんなの返事に合わせて返事する。
僕はボールは嫌いだけど、お家にはボールがある。
バレーボールっていうのがある。
黄色と青のやつと白のやつと赤、緑、白のやつ。
十磨兄も飛和兄もそのバレーボールが好きらしい。
「 敦支くーん。ボールちゃんとキャッチしてねー!! 」
そういって外野に居たかいとくんがボールを投げる。
僕は怖くなって手が出なかった。
キャッチできない、こわい。
そう思って目を瞑ったらそのボールは僕の顔に当たった。
「 痛っ… 」
「 あっ、敦支くんごめん!! 」
「 敦支くん、大丈夫?目とか頭痛くない? 」
「 居たくないけど…ボール…ボールやだ… 」
「 そっか…じゃあ、ちょっと先生とコートの外から見とく? 」
「 ……うん 」
それから僕は菅原先生とコートの外からみんながドッチボールしてるのを見ていた。
「 敦支くんは、ボール苦手? 」
「 うん…こわい… 」
「 そっか…堅いし怖いべ…俺もそんな得意じゃないかも 」
「 でも…先生、ボールいっぱい使う… 」
「 そうだなぁ…ボールって慣れると案外怖くなくって、友達!って感じになるんだべ 」
「 友達… 」
「 そういえば敦支くんのお兄ちゃんたち、バレーボールやってるんだったよね。日記書いてくれてたね 」
毎日日記に僕は今日兄ちゃんたちのことを書いた。
ボールは怖いけど、練習を頑張ってる兄ちゃんたちはかっこいいです。って書いた。
「 …兄ちゃんたちはかっこいいけど、僕は無理… 」
「 敦支くんはバレーボールしてみたいの? 」
「 …したい。でも… 」
「 じゃあ、一回やってみたらいいと思う。挑戦しないで諦めるのはもったいないべ 」
菅原先生はニコニコの笑顔で僕に言った。