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番外編57 『悪魔化した執事を救う』🍷🔑⭐️
※悪魔化ifです。悪魔化してない執事も出てきます。既に悪魔化してる執事に関しては本編とは大幅に改変してあります。捏造も含まれてますので苦手な方は回れ右お願いします。
3階組
🍷
『私にはルカスが必要なの。』
『…沢山命を見捨てた私の事を必要だと?何言ってるんだ。私はこれまで813人もの人を見殺しにしてきた。』
『っ……。』
『それでも私の事を必要だと言うのか?』
『……。』
(これが、過去のルカス。いつものルカスとは違う。冷酷で冷淡。)
それでも私はあなたを救うためにここに来たの。
『フォラス。ルカスと貴方がどんな契約をしたか知らないわ。でも…私は彼を救う。私には彼が必要なの。』
『……好きにすればいい。』
フォラスの声はどうやらルカスには聞こえていないようだ。
私は続けてルカスに声をかけ続ける。
『ルカス。私は貴方になんと言われても貴方を連れて帰るわ。このまま暴走して死ぬことは許さない。私は過去の貴方がどれだけ人を救えなかったとしても…今こうして救える命を救えばいい。失った数だけ、人を救えばいい。それが、貴方の医者としての出来ることよ。過去にできなかったことは、未来で成し遂げればいい。現に貴方のお陰で救えた命はあるのよ。』
『私が……?救った命?』
『えぇ。だから、帰ってきて。貴方の居場所はここよ。黒い血にまみれた鉄臭い場所じゃなく光が照らす……暖かい場所へ。 』
私はルカスの手を握る。
『帰りましょう。ルカス。』
『っ…。』
私は涙を流す。
『あるじ、さま……っ。』
私は主様に抱きつく。
『今まで辛かったわね……。よしよし……。』
私はルカスの頭を撫でた。
『ぐす…っ。うぅ…。』
『…驚いたな。これがお前の力か。』
『…力でもなんでもないわ。これは私の心から出た言葉だもの。フォラス。ありがとう。』
『悪魔に礼など寄せ。付け上がるぞ。』
『ふふっ。それもそうね。』
私はそのまま意識を失い暗闇から出る。
🗝
『血に塗れ…悪人の死すら笑って受け止める。そんな壊れた人間が主様の傍にいることは許されない。私は貴方から離れ、暗い闇の中で生きていくのがいいのです。私を止めないでください。主様。』
暗い闇の底で、このまま血に染まり堕ちていく。シュタイン家と共に私も堕ちてしまえばいい。
そのまま身を委ね、暗い闇に落ちる前、愛しい人の声が私の名前を呼ぶ声がする。
『ナック――!!』
この声は……主様……。
私はナックの手を掴み、引き戻す。
グイッ!
そして頬をパシンっと叩く。
『っ…!』
『目、覚めた…!?ふざけないでよ!私は、ナックが必要なのに、1人勝手に死のうとするなんて…!!2度も私の許可無く居なくなるつもりなの!?そんなの、そんなの許さない!』
『主様……。』
ポタっと私の頬に雫が垂れる。
『私のことを見守っていますだなんて…。まるで自分が穢れているから傍に居られないなんて…そんなことない!』
私は両手でナックの頬を包み込む。
(暖かい……。)
そのぬくもりが私の穢れを落としてくれた。
『ナックは…誰よりも綺麗な人だよ。穢れてなんかない。例え汚れていても、私がいくらでも綺麗にする!私にはナックが必要だから。』
『っ……。』
あぁ、なんて私は馬鹿なんだろう。私を必要とし、綺麗だと言ってくれる人の傍を……自ら離れようとしたなんて。愚かだ。
私は主様の手を掴み跪く。
『不肖ナック・シュタイン。これから先もずっと貴方に仕えることを誓います。』
手の甲にキスを落とす。
『っ…。』
私は不覚にも頬を赤く染めた。
⭐️
『僕は……主様にも捨てられたのかな。あの時、主様を守れなかったのは僕が弱いから。主様に捨てられたのは僕のことが嫌いだから。 』
『違う、違うよ、ラムリ。天使の言葉に耳を貸さないで。』
遠くから声をかける。
『僕はいらない子なんだ。だからお母さんにもあの日捨てられたんだ……っ!!』
僕はその場に泣き崩れる。
私はラムリに近付こうとした。
だが……。
ガラスの壁のようなものがそれを止める。
『なに、これ……割れない……。』
『ごめんなさい、主様。僕はもうそっちには戻れません。だって、僕は……要らない子だから……。』
『ラムリ……。』
(このガラスの壁は…ラムリの心だ。薄いように見えるのは勘違いだ。本当は厚くて重いガラス。これを割ればラムリは元に戻る。)
『ラムリ。私はラムリが大好き。いつも私に元気をくれて、笑顔をくれる。そんなラムリが私は大好き。私はラムリのことが必要なの。お願い。帰ってきて。』
『主様……。』
少しずつガラスに罅が入る。
『この壁を壊して、こっちにおいで。』
僕を必要としてくれるのはこの世で主様だけ。そうだ。それだけでもう充分……。
僕は立ち上がる。
『私だけじゃない。他のみんなもラムリを待ってる。帰ろう。ラムリ。』
『っ…』
僕は涙を流し主様に抱き着く。
パリーンッ!
ギュッ!
『主様、主様ァ!』
『よしよし……。おかえり、ラムリ。』
『僕も、僕も大好きです……っ!』
『私もだよ。帰ろう?ラムリ。』
『はい、主様…!』
ラムリはいつもの調子に戻り、私に抱きついたまま、歩く。
次回は
別邸2階!
21,201
ふく。