葡萄組さんです通報×
shaside
今日も今日とて変わらない
じくじく痛む腕、腹、足。そして心
屋上を流れる風は、嫌になるほどに暖かくて
アイツらの顔が浮かぶ
人間なんて、たった一言で変わってしまう
あの日から、俺が反抗したあの日から
俺をいじめてくるクラスの数人は
俺があの五人といるのが憎い
そんなたったちっぽけな理由で俺をアイツらから妨げる
初めは陰湿なものだけだった
俺がやめて欲しいと言ったあの日から体に痣や切り傷をつけてくるような酷いものに変わっていった
限界だったいっその事ここから落ちたら全て終わる気がして
でも命を落とすのは何故かあいつらに負ける気がして
今日も無意味に息を吸う
誰も居ない午後七時
一人暮らしの俺に心配してくれる親などいなくて
ただ無常に時が過ぎる
コンクリの床に寝っ転がって濡羽色の夜空に点々と輝いている星を見る
このまま寝てしまおうか
そしてそのまま目が覚めなければいいのに
俺もあの星になれたらいいのに
すると
こんな静かな夜に似合わない重いドアが開く音がした
smside
無駄に重いドアを開ける
予想どうりそこにいたパライバトルマリンの彼は
驚いたような表情でこちらを見つめる
sm なにしてるんだ
sha それはこっちの台詞だ
sm 先にこちらの問いに答えてもらおう
そう発すると彼はポツリと話し出す
sha 俺、さ。虐められててさ
sha 辛いけど、なんか死ぬのは負けた気がしてさ
sha でも、見てるヤツらは全員見て見ぬふりでさ
sha 残酷だよな。人生って
sha 勝手に性別決められて、家系も決まってて、誰かの為に、何かの為に生きる
sha その生きる過程でなにかトラブルがあっても、誰も救いの手なんて伸ばさない
sha お前らが一緒のクラスだったら違ったかもな
そう話終えた彼の横に座る
sm ありがとうな。
俺は思った事を口に出す
sm 所詮、人は人なんだ
sm 人は承認欲求が強い生き物だから、誰かを蹴落としてまで一番になりたい。目立ちたい。違う事をしたい。
sm 人は何かに縋って生きていく奴が殆どだから。そのなにかに縋る為に一緒に壁を登って来ている奴を踏み台にする
sm でも超えた壁の先には沢山の人がいて、やっぱり一番になんてなれない
sm 何故だろうな、優しい奴らがいっつも踏み台にされるのは。何故強欲な者が壁を超えていくのか
sm 辛いよな。人生って
sm お前見たいな優しい奴らが、蹴落とされ、踏み台にされ。命を捨てる。
sm 理不尽極まりない。
sm だからお前はなにも間違ってない
そこまで話すと彼はこちらに視点を合わせ
sha もし俺が壁を越えられなかったら
sha踏み台にせず一緒に登ってくれるか
sha 他のあの四人も一緒に
sm ああ、約束する
そこまで言うと彼は頬を緩めて
sha ありがと
と短い四文字を呟く
そう言った彼の瞳はあの一等星のように輝いてた気がして
コメント
2件
ステキですね( ´;゚;∀;゚;)