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3章:ポポハスの青
26話:仕事。
朝日秀蘭
→痛覚 創造を具現化する能力
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〈注意〉
3章では暴力表現を扱うのシーンがあります。原作より柔らかい表現にし、注意喚起をするのでセンシティブ設定を付けていませんが、苦手な方はお気をつけ下さい。
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ー???ー ー秀蘭sideー
「ん…っ。あ、れ?ここは…?」
かたい床に寝そべっていた自分の体を起こし 辺りを見渡す。 八畳ほどの面積の檻の中に入れられていた。
別の灰色の檻の中に数人…いや、数百人の子どもが見え、私の声に反応してこちらを伺う。その様子が薄暗いランプによって照らされていた。
砂漠地帯なのに肌寒い…夜なのかな?私は…どうして私はここに…?
ある程度この状況と空間に把握してきた時、隣の檻の男の子に話しかけられる。
「…お前もワケアリ?この角牢に入れられるなんて。」
「え…?」
彼によると、この部屋の凹みにある檻…今、私たちがいる檻の子供はワケアリで、ボスのお気に入りと言われるらしい。
「私…」
私は…。そうだ、メイ・クリップに…!
思い出そうとすると、また頭の両サイドが締め付けられるように記憶が曖昧になる。
「…。ボスに会ったことあるんだな。お前も。」
「あなたも…?…そう言えば名前言ってなかったね。私は朝日秀蘭。よろしくね。」
「ここで名乗っても意味ないよ。…それより生き残ることを考えな。」
ランプが傾き、彼の冷たい瞳がやっと見えた。
体中、あざや傷も見受けられる。その中の一つ…首輪のようなモノで隠されてるその…
「…ねぇ、その模様」
と首の印を聞こうとしたとき
鐘を木槌で叩きながら男の人が入ってきた。この部屋にいる数人の子どもは怯えてその人を見ている。
「お前ら!仕事の時間だ!さっさと働け!」
そう言って鍵を開けると子どもたちは手前からぞろぞろと仕事場?へ急ぐ。
「おい、ワケアリども。お前はコイツに仕事を教われよ」
私たちのことをワケアリと呼ぶとさっきの彼と共に行動するようにと命令された。
彼はうんともすんとも言わずに、ただ、牢から出る。
そのとき先頭付近にいた子どもの一人が列を乱すように倒れ込んだ。痩せ細った傷だらけの子。
「おい!起きろ!…ちっ。こいつはもう使い物になんねぇな。」
そう看守の男性は言ったのち___
「ゼロ化だ。」
と仲間の大人に伝えたのが聞こえた。
倒れた子どもを引きずってどこか別の所へ連れて行く。
「そんなっ、手当しないと…!ねぇ、ゼロ化って…」
「シッ」
彼に聞こうと後ろを振り向くと、指を私の唇に触れて話すなと合図される。
周りをキョロキョロして、どうやら大人の話を聞いているみたい。
私には分からない言語も含まれるけど…彼は分かるのだろうか。
「おい!ワケアリ。お前らは今日こっちだ。」
服を乱暴に掴んで押し放しては、右の廊下へ連れて行かれる。
「…」
淡々と、でも一歩一歩は重く仕事場へ急ぐ彼。 ずっと話さないで気まずさまで覚えてきた…。 そういえばと彼の首に目線を向ける。
あの模様…
感情の印…だよね?
「おい、ついたぞ。お前はいつも通り、てめぇはこっちな。」
私たちも指さして仕事の説明を雑にされる。
彼は浮遊魔法を使えるらしく、それで岩を退けて私が下の鉱石を掘る。
…メイ・クリップは大企業の裏でのトップだとダインも言っていたし…その現場に居合わせたって感じか。
そうこう考えている間に彼は動き始める。
争いの大陸、この組織、メイ・クリップ、彼の名前、ゼロ化、逃げ道…
そしてなにより感情の印…。
ここでの旅は苦戦しそうだな…。