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オリジナルのBL作品は初めて読んだのですが、青司のキャラが好きすぎて…主さんが私の癖を把握しているとしか思えません…( ́ཫ`)b
ああそうだと開けられたままの障子に気づく。
「見せてやるのは勿体ないな…」
肩まで露わになった胸元、乱暴に掴み押し上げてしまった華奢な足。
透き通るように白く、吸い付くようにしっとりした肌。
紅をささずとも赤く熟れる唇は誘っているよう…
花に誘われる者がこれ以上増えてはたまらぬと障子を閉めようとした手に指が絡まる。
「青司?」
「いいから…」
誰にも渡さない。
そう想っているのは貴方だけじゃない。
震える睫毛に隠されていた妖しくも獰猛な微笑み。
艶めく唇がゆっくりと耳元へ近づき囁いた。
燃えるような想いを幾年抱えていたか、教えてさしあげますよ…
忘れていた。
青司という男の激しさと焰を。
あの日「救えるかもしれない」と呟いたのは、青司のことだけじゃなく義父自身の制御しきれぬ闇だったのか。
俺もこの抗えない存在に魅き寄せられ狂ってゆくのだろうか。
全ては解らないまま…
「お前とならそれもいい」
婉然と微笑む瞳に絡め捕られたまま、深く唇を合わせた。
待てども来ぬ青司を呼びに来た者が赤くなりつつも密かに目を離せなくなってしまうほど。
暗闇の中で月明かりを浴びた2人は美しい幻のように見えた。
【終】