onkn / nksr
ドースバースです。
何書くか迷ってた時にドースバースの説明見て書きたくなりました。
軽く説明だけさせてください 。詳しくは途中出てきます。
ドラッグ⇒クランケの病気を治せる。
(ノーマルの難病も可。副作用あり。)
依存させる。
クランケ⇒病弱。ドラッグとの接触や番になることで病気を治せる。
(番になるには血液を飲む。)
ノーマル⇒一般人。薬じゃ直せない難病もドラッグがいれば治る。
三十分以上いるとオーバードーズと同じ状態になる。(吐き気等)
三日以上いると中毒となり、ドラッグと離れると死ぬ。
の三つの人種です。
今回は
ドラッグ ⇒ nk
クランケ ⇒ sr
ノーマル ⇒ 不在
です。ハピエンにしたかったので。
気が向いたらノーマルver.も書きます。
CPは迷い中…
注意 バース。病み。流血表現? 病気類。
ハピエンかな。
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「ごほ、っ…ん…」
喉の違和感と痛みと共に体を起こした。
痛い。クラクラする。
クランケとして生まれてきた俺は、周りからあしらわれていた。
そりゃそうだ。真っ当に生きれさえしない。働けない。動けない。
いらないも当然だろう。
薬で乗り切ろうにも限界がある。
体がでかくなるにつれ、病状は悪化していった。
でもそんな俺の横にいてくれる奴はいた。
「ん…ボビー、起きてたの?」
眠たそうにドアから顔を出した。
「あ、おう…」
それが彼だった。
彼はノーマルなのか。少なくともクランケではないだろう。体調を拗らせている所を見たことがない。
彼はかれこれ数ヶ月家に住み着いている。
一種の虫かよ、とは思ったけど、薬に頼らないと生きていけない俺も同類だと、気を許したまでだ。
クランケの体調不良は体質だから移ることは無い。それだけが救いだった。
彼に移す可能性があったら自殺してる。
けど彼といると身体が楽になったような気がして。楽しかった。
たまに睡魔が酷くなったりしたが、落ち着きすぎなのだと自己解決していた。
いつかの休日。
「はー、っ…かは、っ…う”う…、」
苦しい。痛い。
この日、体調が悪化して、部屋から動けずにいた。
薬を手に取ろうにも場所が悪く、とても取って、水飲んで…ということが出来ない。
確かに多少病状が軽くなったりはするものの、運が悪いとそのまま亡くなる。
それは理解していた。
でも治す為の相手…ドラッグは非常に稀で、ましてや俺のところになんて来るわけが無い。
薬に頼るのも限界があると理解してからは、薬を手元から離したところに置くことが多かった。
ドラッグが来ることは期待していないし、番になるなんて、そんな優しい相手がいる訳ないと思っていたからだ。
番…簡単に言えば二人正式に結ばれる、となるとドラッグは副作用などの制御が出来たりメリットがでかいのだが。
最悪なことに、血液を相手に飲ませなければならない。
普通に暮らしていたらドラッグ側にあまりデメリットは無いのでわざわざ番になるやつはあまりいない。ただでさえ稀だと言うのに。
期待しては行けないと分かっていても期待して。まだ生きたいと言う自分がいて。
死ぬ時にはタイミングが悪かったと言うことにしようと思って、ずっと日を待っていた。
それがこの日だった。
もしここに彼がいたらどうしただろうか。多分あいつはノーマル。
ドラッグでも呼んだか?あいつ顔広いし。
それかもしかしたら捨てられたかもしれない。
現状、彼の前で体調を大きく悪くしたことは無い。
彼は自分から種別を言わなかった。というか聞いてはいけないような気がして聞けなかった。
だから互いにノーマルだと思い込んでいる。多分。
彼は部屋にいる。
いつもは彼が顔をちょくちょく出してきて、一緒にいるのだが、 今日は俺が一人になりたいと念を押した。
最初は猛反対されたがあまりの押しに負けたのだろう、わかったと部屋に行った。
この日を待っていた、と言ったけれど実際はこの日にしようとしていた。
今日は花火大会。
俺の悲鳴と存在をかき消してくれないかと。
ちょっとしたエゴだ。
音は聞いたことあったけど、実際に見たことは無い。写真なら見れるが、現実で見ようものなら目眩などを引き起こす。
とはいえどまああんまり意味は無い。なんとなく、この日がいいかと思って。
「う”う”、あ”…げほ、っ…」
苦しい。
どんどんと身体が支配されていくのがわかった。
これさえ乗り切れば幸せになれる。
全部なかったことになる。
意識が薄れていくのが分かった。
あと、後少し…
「っ、ボビー!!」
はっと目が覚める。部屋に悲鳴というのだろうか、怒号というのだろうか。焦り?
色々な感情が混ざった声が響き渡って。
辺りを見ると彼に抱き抱えられていて。
身体がみるみる楽になったのが分かった。
「え、っ…なん、…で、?」
おかしい。薬が飲まされた痕跡はないのに、体調が戻った。
こいつ…もしかして。
「に、ニキ、おま…、ど、…」
「ん、そうだよ。」
ドラッグか。と言おうとした矢先、思考読むかのように素早く遮られ、答えを言われる。
「ボビーこそ、やっぱクランケだったんだね…」
「や、やっぱって、」
彼は気づいていた。俺がクランケだったということに。
「うん。吐いたりはしてなかったし、中毒にもなってはなかった。だから…」
成程、だからか。
ドラッグは体調不良にならない。
ドラッグ側は察せてもクランケ側からは察せなかった。
察せなかった、というか俺が気づけなかった。副作用と病状が混ざって分からなくなっていた。
「…ごめん、ずっと言い出せなくて… 嫌われたくなくて、怖かった…」
感情が溢れ返って、涙が出た。
外では、花火の音が酷く響いていた。
俺たちの邪魔をするかのように。
「っ、ねえ、ボビーは生きたくないの…?」
「え、っ…」
はっきり言えば生きたい。当たり前だ。
こんなにもそばに居てくれる人がいるのに死ぬことなんて出来ない。
出来ないけど、期待する自分に疲れた。
「生きたい…でも、もう…」
薬もほとんど効かない。番になるドラッグを探さなければもう時期死ぬ。と、彼に軽く説明した。
「…、僕じゃダメなの…?」
「え、…」
その言葉から内容を理解するのには数秒かかった。
彼が番になる。俺の。
一生だぞ?それを相手に背負わせると。
そりゃ彼に番になって貰えたらどれだけ幸せか。愛する人と番になるのは全員の夢だろう。
でも責任が重いし、何よりこいつのことが大切で、俺には勿体ない…
「お前…一生一緒になるんだぞ、?…それにお前が俺と番になるメリットはあるのか、」
「あるよ。」
色々言おうとしたところでまた遮られた。
目を合わせて、はっきりと言う彼に身体が固まった。
「一緒に居れること。それだけの理由じゃだめ?」
真っ直ぐな目で、真剣に言われる。
「え、でも、一生…、」
「一生一緒にいたいんだよ。」
「あ…、」
じっと変わらぬ表情に目が離せない。
「…大好き。」
その瞬間、彼は優しく微笑んだ。
数ヶ月いたけど。見たことの無い表情で、
やけに綺麗で。
その表情に何かを揺さぶられて、目から涙がぼろぼろと落ちた。
「っ…俺も。大好き…」
何とか必死に返事を返す。きっと傍から見たらとんでもない状況だ。
「まだ、まだ生きたい…」
彼は優しく俺を抱いたまま手を握った。
「…僕と番になってくれる?」
「…、おう…当たり前や…」
その直後また優しく微笑んだ。
カチカチ、とカッターの音が鳴る。
そのままスパッと腕を切った。
綺麗な腕に、赤い色が流れた。
その腕を目の前まで差し出される。
「…はい、ちょっと不味いかもだけど…」
「ん…、」
俺は差し出された腕を優しく掴んで、傷口に口を付けて、血が止まるまで血液をひたすら飲んだ。
そっと手を離すと、口を軽く拭かれた。
これで成立だね、と嬉しそうに笑う彼がなんとも愛おしかった。
外の花火は邪魔から歓声に変わったような気がして。
そしてその音は最後の一発だったようで、静かに終わりを迎えた。
「なあ、ニキ…?」
「なあに?」
「…その、ありがとう…」
「僕の方こそ、ありがとうね。」
「…来年からは、一緒に花火見ようね」
「…約束。」
そのまま、正面向かって抱き合った。
いつもは治療の為だったのだけれど。
愛し合う為に変わった。
コメント
8件
ドースバース待ってました!ありがとうございます!!🥹
感動しました🥹めっちゃ好きです…素敵な作品をありがとうございます🙇♀️
ドーズバースって複雑でかくのが難しいのにこんなにうまいなんて神ですね✨